ラノベ編集者はどんな仕事をしているのか?
知っているようで知らない編集者のお仕事。
普段どんなことをしているのでしょうか。
※流すつもりが記事が殊の外長くなりましたので、
項目一つずつの詳細は、別の機会にアップします。
1️⃣原稿チェック
最も多くの時間を占めるお仕事です。
作家さんに頂いた原稿を拝読。
一人目の読者になれるのは光栄です。
気になった点を相談したり、提案したりしながら一緒に改稿していきます。
原稿がかたちになったら、ミスなどがないか校正さんに見てもらい、作家さんと相談して反映します。
出版社によっては編集が印刷所に入稿するデータを作ります(組版)。
2️⃣イラスト関連
イラストは「キャラクターデザイン」「カバー」「口絵」「挿絵」の4段階に分けて依頼します。
①キャラクターデザイン
作家さんにキャラの外観や設定をヒアリング。シートにまとめてイラストレーターさんに提出。素敵にデザインして頂きます。
作家さんにとっても楽しい時間です。
完成したら一緒に拝見して歓声を上げます。
②カバー
作品、その巻のコンセプト。
入れてほしいキャラやイメージをまとめたシートを作り、作家さん確認を経てイラストレーターさんに提出。
頂いたラフを作家さんや同僚、営業さんまで回覧。作品の顔になるので慎重に。
確定後に仕上げて頂きます。
③口絵
本文からカラーにしたい箇所を厳選。
作家さんと相談しながらシーンを決め、そのシーンの概要(どんな場面か。誰がどんな姿でいて、何をしているか。どんなイラストにしてほしいか)を纏めたシートを提出します。
想定を遥かに超えるものが来て驚嘆することもよくあります。
④挿絵
基本は口絵と同じです。
口絵は見開きですが挿絵は片ページなので、縦に収まりやすい構図を考えて依頼します。
いずれもイラストはイラストレーターさんがプロですので、イラストレーターさんの意見を伺い、作家さんに確認を取りながら進めます。
イラストレーターさんからイラスト箇所の逆提案も大歓迎です。作家さんにも確認して進行します。
挿絵はたまに見開きをお願いすることもあります。
3️⃣デザイン関連
デザインは「カバー(ロゴ)」「帯」「口絵(目次)」「その他」の順で作ります。
作品のジャンルが得意なデザイナーさんに依頼。
イラストや作品の資料を提出してお願いしたいデザインの方向性、イメージやコンセプトを基にご相談します。
複数案を頂けるので、作家さんとイラストレーターさん、編集長や同僚、営業さんに意見を聞きながら絞り込み、デザイナーさんと更にブラッシュアップします。
こちらも重要なので納得できるまで練り込みます。
あらすじや帯、口絵のテキストもここで考えます。
そのままネット書店さんの紹介に使われたりもするので、限られた文字数で魅力を伝えられるよう腐心します。
頭を使いますが、腕の見せ所でもあります。
4️⃣販促関連
書店さんにたくさん仕入れてもらえるよう、まず自社の営業さん向けに作品の魅力を伝える簡単な資料を作成したり、ミーティングしたりします。
書店さんから特典の提案をして頂いたり、
こちらからご提案することもあります。
特典のショートストーリー用のネタを考えることも。
その他に、作品の特設サイトを作ったりもします。
ツイートキャンペーンなど実施の予算や承認を取ったり、ツイートしたり宣伝画像を作ったりブログ記事を書いたり、キャンペーンの賞品を作ったりもします。
5️⃣企画会議など
作品づくりのいちばん最初に、作家さんから頂いた企画について、社内で進めてよいという判断をもらうために会議を通します。
(続刊を刊行してよいかの判断についても)
競合や近い作品を調べて、今回企画した作品の優れた点や魅力をまとめ、続刊検討の場合は如何に次の巻が売れるか補強する数字を営業さんに集めてもらい、資料を用意します。
印刷する部数を決定するしくみも別にあり、
どれほどその作品が優れていて期待できるか、根拠や数字を死ぬ気で集めて提出します。
6️⃣新作やイラストレーターさん探しなど
新作は常に探しています。
新人賞の作品をたくさん読んで獲得したい作品を探したり。
拝読してハマった作家さんに感想とご連絡を差し上げたり。
担当作家さんにご友人の作家さんをご紹介頂くことも。
企画が通った作品のイラストレーターさんも探します。
イラストレーターさんは通常3ヶ月から半年先までお仕事の予定が埋まっていることが多いです。
そのため、原稿の見込みが立ったらすぐにリストアップ。
作家さんや同僚、時に営業さんとも相談してアタックを開始します。
7️⃣コミカライズなど
ありがたいことにコミカライズして頂けた場合は、作家さんやイラストレーターさんにネームを見てもらいます。
編集も確認してコミカライズの編集さんに戻します。
宣伝や販促の相談を受けることもあり、作家さんに確認して調整します。
アニメ化のお話は長くなりますので別途。
8️⃣その他
上では割愛しましたが、印刷所に入稿後、出稿した原稿の確認や回覧ももちろん行います。
進行次第では印刷所にチェックに行くことも。
サイン会のアテンドや、海外の出版社から翻訳の相談対応などもします。
アウトプットばかりだと空っぽになってしまうので、好きな本を読んだりアニメを見たり映画を見たりゲームをしたりするのも仕事です。
売れている作品のチェックや、
飲みにいくのも仕事の一環かもしれません。
仲間や同業他社さん、
作家さんやイラストレーターさんとしょっちゅう飲みに行く人も(もはやお仕事ではない?)
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今回すごく長くなってしまいましたが、以上です。
総括すると、好きな人にとってはたまらないお仕事だと思います。
実際楽しいです!
最近未経験の方でも応募できたりしますので、興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね!
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