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愛して欲しいと言えたなら

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かつて恋人だった二人が35年の時を経て再会する物語の長編小説になります。
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#恋愛

愛して欲しいと言えたなら     (メル友・・・その3)

愛して欲しいと言えたなら     (メル友・・・その3)

メル友

メル友・・・その3

しかし、ま~。いきなり、お相手なんて。何を、世迷言を・・・。
「お相手ったって、別に、いいわよ」
「いいってことはなかんべ?」
だから、どこの言葉よ。
「この歳になると、一人の方が気が楽なのよ」
「んでよ、実は、あんたのことを気に入ってる子がいてよ」
ってか、人の話を聞きなさい!
「あら?あたしのことを気にいってくれる人って。あたしって、これでも、けっこうモテるのよ

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愛して欲しいと言えたなら     (メル友・・・その2)

愛して欲しいと言えたなら     (メル友・・・その2)

メル友

メル友・・・その2

お部屋から縁側を通してお庭の方を見ると、お隣のおばあちゃんが、もう、椅子に座って花瓶の飾ってあるお花を手に取って見てるし・・・。
あたしの住んでるお家は、昔ながらの縁側なるものが付いている間取りなので、日差しが暖かいときなどは、サッシを閉めたままでいると、とても、ポカポカするんですよ。
んで、縁側のサッシのすぐ向こう側の左側に小さな花壇があって、花壇の手前、あたしの

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愛して欲しいと言えたなら

愛して欲しいと言えたなら

メル友

メル友・・・その1

それは、あるメル友サイトで知り合った女性との何気ない会話から始まった。
「私ね、初体験の相手と知り合うきっかけがね、ちょっと変わっててね」「変わってるの?」
「そうなの、私が高校1年の時だったんだけど、しかも12月だったのよ」「冬の出会いなんて、ちょっとロマンチックじゃない」
「そうなのよ。とは言ってもさ、もう30年以上も前だけどね」
「あんた、いま、いくつなの?」

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