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【エッセイ】詩を読むこと・書くことをもっと楽しくするために~詩人になりたい皆さんへ~

こんにちは。長尾早苗です。
わたしは小説からスタートしたので、将来詩人になって詩を書き続けていくことなど思いもよらなかったのですが、今こうして機会をもらって詩を書いていることを誇りに思います。

わたしの話より説得力があると思うので、ぜひ参考にしてほしいのが、松下育男さんの『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』(思潮社)です。わたしもサイン入りで持っています。ぜひ!

それでは、詩歴15年のまだまだ経験値が浅いわたしが思う「詩を読むこと・書くこと」について、なるたけ詳しくお話ししますね。

詩がそばにあること

これはもう、とても必要なことだと思います。
何から書き始めたかが重要になってくるので、書店に行ったり図書館に行ったりして、表紙を見たり帯を見たりして、「自分の好きな詩集・詩人」を見つけてください。表紙や帯は作者の意図によって選んで描いて・書いてもらっていることが大半なので、そこから入るのも一つの手だと思います。
それから、現代詩文庫(思潮社)は貴重なものなので、これの中で一つの「自分にとって大切な詩集」を見つけることも重要です。

原稿を書くこと、の前に何から書く?

いったい何から書けば詩なのだろう、と思う方も多いと思いますし、日記を詩のように書いている方も多いと思います。かくいうわたしもそうなのですが、なるべく直截的なことばになりすぎないように工夫しています。
詩ってなんだろう。そのことを考え続けながら、ひたすら書くしかないのかなと思います。

いま・ここ・自分

テーマとして最も多いのがこの現在を書くということ。詩人の中にも多いように感じています。もちろん、その中でも勉強して書いている方が多いので、どんな語り口で書いているのかなどを見定めることもいいですし、ここから書くのが書きやすいのかなと思っています。

自分/世界

わたしが大学生になって投稿していた時、一番に書いていたのがこのテーマでした。ちょうど若手の女性詩人たちがどんどん世に出てきた時期だったので、自分が「世界からすこしはみだしている」ことの「はみだし」の部分を書いていたように思います。

理不尽/理想

こちらはわたしが社会人になってからよく読むようになった詩の多くです。なぜこんなことが起こるのか、から始まり、自分のこと・他人のこと・ある種の宣言のようなもの、そしてユートピア・ディストピアを書く書き方もあります。

あなた/わたし

これはちょっと難しいテーマでして、よく恋愛のことを書こうとするとこのテーマになります。ただ、恋愛の詩については好き嫌いが多く分かれるので、ある程度年齢を積み重ねてから書くのも面白いと思いますし、または若い時代に瑞々しく恋愛を書くのも素敵なことかもしれません。(その際、相手方を傷つけないようにというのが一番の前提です◎)

事象・時事

これはある程度小説に近い書き方です。
自分のことではなく、新聞記事や誰かのニュースを、自分に近づけて書く方法ですね。ただしこの書き方はとても注意が要ります。
ある程度固有名詞を出したら、その詩は50年後などにどう読まれるかということを意識して書くことは必要になると思います。
もし紙媒体で読んでもらいたいのだったら、ある程度具体的なものを抽象化すること、そのために他の本を(特に小説を)たくさん読むことをお勧めします。抽象化するためには具体的な書き方のジャンルを学ぶのが一番いいと思います。

書いたら読んでみる(自作・他の人の作品)

自分の作品を、わたしは書いたら音読しています。
詩はある程度音楽に近いので、定型の詩や母音の数、そして細かなレトリックが、声を出して読むことにより自分で分かりやすくなって消化しやすくなることもあります。
書いているだけではわからなかった側面も、ここでわかるようになります。
もちろん自作だけでなく、他の人の作品も気に入ったら読んで録音し、何回か聞くのもおすすめです。最近だとわたしは文月悠光さんの『パラレルワールドのようなもの』(思潮社)をとても弱気になった時に音読して勇気が出ました。

勉強していくために

最後になりましたが、本当にこれしかないよなあと思ったのが、勉強でした。わたしは一人でもくもく勉強をするのが好きです。大人になってからわかったことは、自分のために書く詩があっていいということ。それもあって、わたしは毎日朝六時から10編ほど毎日アウトプットしています。自分を励ます詩、慰める詩、気持ちや感情を整理する詩。それと、誰かに伝えたい詩。そういう二つの要素があっていいと思っています。
自分のために書く詩の中でも、「こういうことを考えている人いるかな」と思ってみたら投稿してみるのも手です。誰かが同じようなことを考えていたり、選者の目にとまったりすることもあるかもしれませんし、のちのち取っておくと深みが増して、推敲する時に自分の励ましになったりするかもしれません。
また、大人になってからわかったことは、世界の全てが勉強であるということ。社会経験・ゲーム・アニメ・人間関係・生き方・暮らし方、全てです。わたしもまだまだ学び足りないと思っていて、そういう所にはハングリーでいたいと思っています。
みなさんも、ぜひ詩を好きになったら読んでみて、書いてみてください。詩の世界が広がることを願っています。

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