【エッセイ】世界はそれを元気と呼ぶんだぜ―大学への恩返し―
こんにちは。長尾早苗です。
サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」、久しぶりに聞きました。懐かしいですね~!
この前とてもうれしいメールを何通かいただいたので、わたしが今やっている活動について書いていきます。
◆文学部がなくなる!?
わたしの出身大学は神奈川県にあるのですが、
昨今の女子大の情勢も含め、文学部という学部が来年なくなることになりました。
わたし自身は文学部日本文学科でたくさんの理論を教えてくださった先生や、
ゼミの島村輝先生、詩人の城戸朱理先生をはじめ、
小説家のほしおさなえ先生、舞台朗読家の鈴木千秋先生に
返しても返しきれない恩がありました。
というか、大学で城戸朱理先生に学んでいなければ詩集『聖者の行進』は出せなかったのです……。
学生時代から詩人として活動していました。
今回わたしがあまりにも慕っていて「ドラミ先生」と呼んでいた先生がご退官されることになり
とても寂しく、そして文学の必要性を教える先生がいなくなってしまうことに
やりきれない気持ちをいだいていました。
わたし自身はあまり作品の評価というものを気にしていなくて
もちろんSNSで言及してくださればそれはそれでうれしいのだけど
文学フリマでお会いしたときに「あなたのあの詩集がよかった!」とリアルで読者の方が言ってくださるので、エゴサーチしていないんですね。
それでも、「ドラミ先生」にメールしてみたとき、わたしのゼミの先生がわたしのことを「すぐれた詩人」と周りの先生方に言ってくださったことが
とてもうれしかったですし
わたしのゼミの先生も詩論を研究している先生だったため
そんな、詩の読み手のプロから……と思うと同時に、たぶんわたしが継続して活動を続けているからそういわれるのだろうなと思いました。
その後、「ドラミ先生」に単著の詩集をすべて送り、先生から
「たくさんの元気をありがとう!」とメールが送られてきました。
そうだね、文学部がなくなることが寂しいのはOGであるわたしたちもそうだけど
先生たちだってそれは同じなんだなあ
と思いました。
◆「センセイ」になれなかったわたしができること
今ありがたいことに仕事が立て込んでいて、休みもなかなか取れない状態だったんですが
自分の詩をもっと昇華させたいということ
わたしの活動としてのPodcastを聞いてくださったり
noteを読んでくださったりしている方が多いということを含め
講義形式ではないのですが
昭和初期の詩人から海外の詩人まで勉強を広げ、
レポートにまとめて発表するのを2/22からやっていきたいと思っています。
わたしは詩人として活動しているけれど、まだ非常勤講師としての活動ができるまでには成長もしていないので
なるべくかみ砕いてみなさんにお届けできればと思っています。
仕事をしている頭とは違う頭を使うので
何かと夜はふらふらになってしまいますが、
勉強ってこんなに楽しかったんだな
と思っています。
◆終わりに
「わたしの大学から文学部がなくなるんだよね~」
と軽いネタのようにわたしの作業場所のアルバイトスタッフの学生さんに言ってみると
「大学は就職予備校じゃないし、僕らが勉強するのは仕事につくためじゃない。勉強の目的は違うところにある」
とわたしよりもその学生さんの方が怒ってくれて
とてもうれしかったです。
そういう若い人が一人でもいれば、将来は大丈夫だな
と思えました。
それでもわたし自身はどんどん大学から文学部がなくなっていって
文学というものが軽んじられる社会になっていくのはおかしいんじゃないか
と思います。それは不満というより確かな実感として
文学というものを読書というものを
みなさんがどのように感じているのか、ということに尽きると思っていて
だからこそ、わたし自身の活動の一つとして
どんどんみなさんの詩作にも
そしてわたし自身のためにも
勉強することをやめないでいこうと思っています。
世界はそれを元気と呼ぶんだぜ。
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