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【読書記録・日記】めんどくさがり屋、休養のためにカンヅメになる

こんにちは。長尾早苗です。
自分が作家だってねえ、名乗らないといけない社会もあるみたいで。
カンヅメになったり(!)療養したり(!?)な一週間をふりかえります。


*今週の読書


今週はカンヅメ中のお供になってくれた作品をご紹介しようと思います。

江口穣『1998年からのラプソディ』hoshiboshi

穣さんの文章を読書灯の光で読むのは素敵だ。
いつかそういうことをしてみたいと思っていた夢がかないました。うつくしいものを愛してみたいと願ったカオリちゃんとその恋人の久慈君、長く豊かな時間を共に過ごしている雪絵とあーちゃん、旅人として生活しているマークと航也。誰しも、自分には身に覚えのない罪や孤独を恐ろしいほどに抱えている。でもその中でも、懸命にあがいてもがいて動いている。この人が家族であることを誇りに思います。

津村記久子『サキの忘れ物』新潮文庫

近所の書店で、黒猫ちゃんがお出迎えしてくれたので。
本当は下見だけして帰ろうと思っていたら、猫ちゃんが現れたので仕方なく買った本なのですが、ものすごくよかった。以前図書館で借りてその時はつらくてつらくて忘れていたけれど、もう一度つらいときに読み返してみたらとてもよかった。
自分を持つ、自分の価値基準で動くことの大切さ。
かみしめながら読みました。

西尾勝彦『のほほんと暮らす』七月堂

夕食を片付けに行った後歯を磨くまでの時間、毎日読んでいました。
わたしも、のほほんが、好きです。いそがしいグローバル社会にあっさり背を向けたいし、ストレスフルな人との別れはある程度は仕方のないことなのかもしれません。
今は昔と違う観点で考える知り合いがたくさんできた。わたしにはたくさんの選択肢がある。

*カンヅメ体験記

いやあ、ご心配をおかけしました!
先日の月曜日から持病が悪化して体調を壊し、某所でカンヅメ状態になっていました。いわゆる休養のための入院です。今は療養中(とはいえ休養)ですので、自宅から徒歩範囲の近くの場所までは歩けるのですが、遠くに外出したり誰かと会ったりすることについて、今月中は控えます。

こんなに意識的に寝て起きてトイレに行ってよく食べて眠ることが大変だったなんて思ってもみなかった!
いちどきにいろんなことが発生して、二時間に一回何かの検診や検査があって、Wi-Fiも使えずに好きなものを見るのも制限されるって思ってもみなかったです。
大変だったよう……
支えてくれる家族も大変だったと思うし、なによりこんなことにならないようにしようと本気で思いました。
気分のムラがあまりにも激しくて、病院に行ってみたら入院を言われて任意で入院していました。
入院してから二日で退院が一週間後に決まったときは安心したけれど、ぶり返さないようにしようということと、わたしの職業は作家と宣言することに非常に抵抗がありました。
なんでだろうね。詩人だとよくわからない人の方が多かったので、
「し……作家です」ということの方が多かった。(慣れた)
真剣に取り組みたい原稿ももちろんいくつかあったので、外出に制限がかかったインターネットなしの生活(あるとしてもiPhoneのデザリング機能を使う)を自分なりにエンジョイしまくりました。
自分と向き合う時間や執筆のために考える時間が当然のように長くなったので、執筆活動の時間も十時~十六時まででしたし、いろいろなことがありました。
売店のメモにどれだけ救われたかわからないし、退院してからまたラジオ体操などのコミュニティに戻ったらどういわれるのかなど気にしていました。平穏に暮らせてなによりです。

*コワーキング難民再び、それもいいかも

だいぶ前からここで発表できない仕事のいくつかを請け負っており、出勤できない日々が続いたので、バスで通勤するコワーキングスペースに通う頻度を落としています。
毎日行っていたけれど、今は月に一回あればいいかな程度。普段は自宅の仕事部屋、図書館、公民館で仕事をするような普通の執筆活動をしております。
別に人が嫌になったわけではなくて、なんらかの人の流れが少しストレスになっていた時期もありました。それはわたしにないものだろうなと思っていた人とのかかわりが非常に大きかったんですね。
でも、そこが永遠に続くとも思えないし、そこを職場とも思いたくなかった。
自分の選択肢は自分で管理して自分をしっかりと持つこと、そのことこそが勉強で読書だと自分の身をもって知っています。

そして、わたしの趣味は勉強でした。読書はもはや仕事。

*新詩集『暦の中を吹く風と』(私家版)BASEにて発売開始です!

文学フリマ東京では1時間で完売してしまった詩集『暦の中を吹く風と』、BASEにて販売開始となりました。
2023年のまとめのような詩集です。
発表していた日々の詩、詩誌に発表していた詩、新聞に発表していた詩、未発表の詩をまとめました。
文庫本サイズでできることはなんでもやってみよう!
と思って作りました。
どうぞよろしくお願いいたします。


*近況のようなもの

入院する前、原宿に友人と行っていました。
原宿は好きな町です。6年間そこをうろついて、13年たってまた今は「そんなもの着れない・買えない」が再び戻ってきたけれど、「そんなもの」をこよなく愛していたかつてのわたしは、「そんなもの着れない・買えない」を別の意味で持っていました。
わたしはきゃりーぱみゅぱみゅと同い年です。
憧れた読モさんも何人もいます。彼女たちが舞台に立つ、メディアに出ることは自分の「あこがれ」がその町にたくさん眠っているということ。

カンヅメになっていた日々は台風が来て去った日と時を同じくしました。
退院できないのではないかとハラハラしましたが、無事に帰ることができてよかったです。しばらくバタついたので、お手紙・ご著書送ってくださったみなさま、後で必ず読みます!!

これからも健やかに。

並んだけれどおいしかった!

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