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塩田武士『デルタの羊』を読んで

アニメって、私は20年前、30年前のものが好きなんですが、今は色々と事情が変わってきているようです。

「アルカディア」という小説に触発されて「アルカディア」をアニメにしようという制作会社。そこに中国のアニメ会社と合同で仕事をしようという話が持ち上がる。アルカディアをめぐるアニメの「ものづくり」の小説。

実際アニメの制作現場なんかをドラマで見ていたりドキュメンタリーで見ていると、彼ら彼女たちの仕事量の多さ、そして現場が一番ということがわかります。

多分、テレワークとか在宅ワークは、アニメの場合難しいのかもしれません。

私はスタジオジブリやサンライズのアニメ制作現場のドキュメンタリーが好きでよく見ているのですが、絵コンテを書いているときの監督の眼だったり、鉛筆やシャーペンで何枚も何枚も集中して動画を書き続けるスタッフだったり、が面白くて。最近はCGも使うようになりましたから、ぐっと幅が広がったように思います。

私は結構宮崎駿作品・高畑勲作品・富野由悠季作品・出崎統作品を見るのが好きで、ああいう詩を書きたいな、と思うと同時に、彼らのアニメに対する熱い思いを感じ取ったりします。

この作品ではCGを使うことについて、他の国の会社と一緒に創ることのためらいなど、アニメ制作ではよくある議論なんだろうなと思えるものがたくさん出てきます。

子ども、または青少年に向けて届けたいものを、大人たちは一生懸命考えて考えを重ねているんですね。

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