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川上未映子・村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読んで

川上未映子さんと村上春樹さん。

私、結構相対する二人じゃないかなと思っていたけど、全然!

川上未映子さんの鋭い切り口の質問に、飄々と答えていく春樹さん。最近私、よく思うんですけど、物語とか詩とかの本質的なところって、「余白」とか「デザイン」っていう要素が多いように思うんですよ。

私自身詩を書いてきて、「ああこれ書きすぎたな」って思ったらどんどん削る。それを見事に言い当てているのが、「一流のパーカッショニストは一番大事な音をたたかない」なんです。

大事なことは読者にゆだねる。あとは野となれ山となれ。

作者はそういった「余白」の要素をどれだけ持っているかがカギとなってくるように思うんです。

今、私自身第一詩集を出してから色んなご意見をいただく中で詩を書いて、そしてライフワークの読書感想文を書いて家事をほんの少しして一日を終えているのですが、最後のインタビューで川上さんが「(執筆のしすぎで)夕方になると目がかすんで……」と言っていたのを読んで少し安心しました。やっぱりみんなそうなっていくものなんだよね……。私もそうなっていけたらいいのかな(いいのか??)

作品というものはかたちが緊張感を持っていないと成り立たないものですが、それにはある種の「かっこよさ」や今でいう「抜け感」が必要になってくるものだと思います。

私も饒舌体の小説しか書けないので、もっと小説も詩もはうまくなりたいなと思うのですが、「うまい」と「いい」は別物なんですよね。

かっこいい作品と、「余白」のある作品。これって、似通っている、と発見した一冊でした。

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