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tohode15
西加奈子『うつくしい人』を読んで
ものすごく、嫌なことがあったとき。
後から考えてみたら、その時自分は途方もなく傷ついていたんだと思う時。
私にもあります、誰にだってあります。
事件が起こっている最中は、そのことを「事件」として認識できない、というのが私の持論です。
その「事件」が終わった後、なんだか苦しい気持ちになって、ずーん、と、どよーん、とした気分になる。
その心を晴れ渡らせるきっかけになったのがこの本です。
会社でハラスメントをされて逃げ出した女性、冴えないバーテンダー、そしてうつくしい日本語を話すマティアス。
彼らの瀬戸内海での日々は、本当にそういった「悲しみのはぐれもの」の日々だったようにさえ、思うんです。
そんなはぐれものだって、いいんですよ。
悲しみはいつか結晶化して、思い出となってきれいなかたちになります。
いつか笑える時が、来ますよ。
きれいに風化していく時が、来ますよ。
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