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【詩人の料理日記】日々のパンについて―深夜のパン作り―

こんにちは。長尾早苗です。

パンを作れるようになりました!

今日はそのことについて書いていこうと思います。


パン作りのトラウマ

小さなころ、母に連れられてパン教室に行きました。

そこでは粉まみれになりながら泣きじゃくるわたし。

もう二度とパンなんて作らない

と母にもわたしにも約束しました。

どうしても超えられなかった母

母は娘であるわたしが言ってはなんだけど、

すごい人だと思います。

お手製料理もスイーツもみんなおいしくて

難しいわたしたち三兄妹を育て上げました。

そんな母はパン作りやクッキーづくりを

眠れない夜や日常的にしていて

幼かったわたしは

自分には絶対に作れないそのもろもろを

母が作る姿に羨望を抱いていました。

一言いっておきさえすれば

ちょうど昨日、パン作りの教室があり

わたしはスタッフけいとちゃんと楽しく参加していたのだけど

あんなに難しいと思っていたパン作りが

本当にあっけなくできてしまったことに

びっくりしてしまったし

わたしも普通のパンが焼けるんだ

ということにうれしさを抱いていました。

さっそく家族に食べてもらったのだけど

わたしは過去の母のトラウマや

自分がどれほど勇気を出してパン教室に行ったか

までは家族に伝えておらず

冬になってこわばった体も心もあり

些細な一言で傷ついて

ドライイーストと小さじ4分の1のスプーンを買いに行きました。

戻ってきてぶすっとした顔で残っていた薄力粉で「パンのようなもの」

を作り続けるわたし。

どうしたの?

とおろおろしながら聞く家族。

相当悪いことをしたなと思います。

ただでさえ忙しくて眠れなかった家族に

ひどいことばを何度もぶつけてしまって

家事もできなくなってしまった。

夕方に眠ってしまって

深夜に起きてしまったのだけど

家族はそれでも

家事と仕事をしていました。

家族のかたち

日常的に作るパンにはきっと

何か心が安らぐようなものがあるんだと思います。

それは一種陶芸に近いものがあり

粉をこねるただそれだけで

心にも体にも優しいと思う。

それでも

日常的に作るパンに

家族を敏感にならせてしまったのはわたしです。

よくストレス発散でお好み焼きを作る友人がいたことはあったけれど

あんなにひどいことばをわたしが家族にぶつけるとは思わなかった。

でも、それはわたしが記憶を失っているからだけで

そんなことは四六時中ありました。

日常茶飯事でした。

家族に自分の過去のトラウマや

詩人としてはよくある生きづらさが伝わってしまうと

結構もとの暮らしにもどるのは大変で。

昨日は家族に

わたしの作ったパンなんて絶対に食べさせない

と思っていましたが

今深夜に家族が仕事をしているのを見ると

なんだかとても申し訳ないし

お互いに遠慮しながら生活している気がしてなりません。

わたしは家族のことだけではなく

日々のちょっとしたストレスや

仕事で忘れたいことがあって

それだからパンを作っているだけなのになあ

と思うのですが

言ってしまったひどいことばは取り返せない。

繊細な家族がもとの穏やかなかたちにもどるまで

わたしは試行錯誤を続けるのだろうな

と思います。

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