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恋する相手は

夢を見た。いきなりお金もないのに旅に出ていた。チケット代足りるかな。そんなことを考えながら、船に乗っていた。

まったく知らない場所に自分から足を運んだことは初めてで、とっても新鮮だった。お金がなくてもなんとかなる!歩いていけばきっとどこかへたどり着く。

そんなことを考えていた。気づいたらら隣にはには女の子。夢の中だから、気づいたら先へ先へと進んでいる。

いつもの自分のマインドとは、ぜんぜん違くて。楽しそうにその子と手を繋いで歩いていた。楽しかった。


知らない土地でわくわくするようなウエディングのお店、色素が薄めのグレーな道路、日本を代表する大きな庭園。

どこにでも行けるんだ、わたしは自由だ。
そして恋愛は、デートはもっと楽しいものだ!

そんなことを思い出した。

目が覚めてからもずっと、見た景色を忘れたくなくて、何度も何度も、刻み込むように思い出している。

以前好きだった子に片想いしていた時、
わたしはわたしを持っていた。

わたしがいて、あなたがいた。

わたしがいない世界は始まらなかった。

自分で自分を作っていた。
好きな自分でいるために、自分が見る情報は
自分で選んでいた。触れる回数が多いもので
自分が構成されていくことを知っていた。

わくわくを優先していた。
足が向く方は、いつも美しい季節の景色だった。

自分が好きだった。

そんなことを、思い出していた。
好きだった感情も、どうして好きだったのかも
すべて思い出したような気がした。

わたしだった。わたしがいた。
あの時、確かにわたしはいたんだ。

あの時の恋は、何度思い出しても美しくて、
思い出しては幸せな気分をあめ玉みたいに
ころころ、舌の上で転がしている

いつかあなたを励ます時に好きだったよって
言うのかな。それであなたが元気が出るかな
それでいい。

いまは変わってしまった関係でも、
思い出は消えないから。

大切な感情と、思い出。

あの時みたいに、自由に生きよう。
自由で楽しい恋愛をしよう。


 


その次に、今のあなたと付き合う前、
付き合ってまだすこしだった時を思い出した。

あの時も、まだわたしがいた。

わたしの世界の主役は、わたしだった。
わたしはわたしを愛していた。

わたしの書く文章も、考え方も、
発する言葉も、すべて好きだった。

だけど気づけば、自分の誇る部分を好きになってほしいという気持ちが強くなっていた。

少し寂しかった。そばにいるのにわたしのことを知ってもらえていないような、

わたしの好きなものを知ってもらえていないのがこころに傷をつけていた。

目をつぶれる範囲だったのに、
気づけばつぶれなくなってしまった。
そんなことも、思い出した。

弱ってしまった時のできごとだった。
気づけば後戻りはできなくなっていて、 
わたしは他のものをもとめて自分を失った。

だけどもうやめよう。

こんなことに意味はない。

わたしはだれよりも、わたし自身を愛していたいしわたし自身に恋をしていたい。

そうやって自分で世界に色をつけて
自分の歩いたあとにはお花が咲くような、
そんな素敵な人で、そんな素敵な人生を
歩みたい。

きっと思ってるよりも、わたしの時間が
必要だったんだね。

気づくのにずいぶん遅れてしまったね。
これからは、わたしと一緒に歩もう

他のだれでもない、わたしと。

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