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持家vs賃貸 (宅建士の独り言)

これは私の独り言です。

この手の記事は多く有り、定期的に見かけるような気がします。気になって見てみると、大体が広告主にとって有利な内容になっていて(ポジショントーク)、本質をついている記事は少なく何が本当なのかが分かりにくいと思います。

そして、その人の状況によってどちらが得かも変わってくるので、自分の状態に合ったアドバイスが見つかり難いかもしれません。

私は今まで5件の持家(実家含む)と4件の賃貸物件に住みました。また、アパート、戸建て、マンションの大家をしており住居を提供する側も経験しています。以前住んでいた持家の売却や賃貸も経験しています。

この経験をもとに、私なりに持家vs賃貸を考察してみました。

私は自分の資産を減らさない事に重点を置いて家を選んできましたので、資産を減らしたくない、または少しでも増やしたい人は参考になるかもしれません。

持家と賃貸を比較する上で、賃貸の仕組みを理解する事が大切だと思います。大家になった事がある人は少ないので、賃貸の仕組みを知っている人は少なく、この手の記事を書いているファイナンシャルプランナーでさえ大家の経験が有る人はほとんどいないと感じます。

賃貸に出ている物件は、大きく4つに分類が出来そうです。それは、地主系、投資家系、持家系、団地・社宅系です。どこに分類されるかで、賃貸で借りる場合の建物のグレードに差がでる傾向があります。

それぞれ、以下の式で家賃が決まり比率がこんな感じです。
(多そうなパターンで作りました)

❶地主系:建物の銀行ローン+運営費+大家の利益=家賃
30:10:60=100

❷投資家系:建物と土地の銀行ローン+運営費+大家の利益=家賃
60:10:30=100

❸持家系:建物と土地の銀行ローン+運営費=家賃
90:10=100

❹団地・社宅系:取り決め=家賃
世帯年収や会社の規定などで決まっており、通常の家賃相場の半額以下が多いイメージ。1〜2万円も有る。

地主はもともと土地を所有している為、建物のローンと運営費(固定資産税、管理費、修繕費等)を除くと全て利益になる。アパートの半分しか埋まっていなくても利益が出ている物件があるイメージ。投資家系は、土地もローンで賄う為その分建物にかけれる金額が少なくなる傾向が有る。持家はほぼほぼローン分位の金額で家賃を設定する事が多い。最後の団地や社宅はこの計算が当てはまらないケースが多く、利益度外視で家賃設定がなされている。

つまり、同じエリアの同じ家賃であっても、上記のどこに当てはまるかによって物件のグレードが変わってくる。借りる側としては、建物にお金が掛けている物件の方が快適に過ごせると思うので、重要なポイントだと思います。

もう少し具体的に書くと、同じ10万円の家賃でも、地主マンションは建物の建築費用が1,000万だとすると、投資家マンションは600万、持家マンションは2,000万位のイメージかもしれません。つまり、部屋を借りるときは同じ家賃なら持家の人が賃貸に出しているマンションの方が良い建物の可能性が高いです。

もう一つの要素として、土地値の割合と上記傾向は比例する傾向があります。土地値が高いと上記傾向が強く、低いと上記傾向も低くなります。

郊外で土地が安いとほぼ建物の価格になるので、地主も投資家マンションも同じ位のグレードになりそうです。

と、いう事で賃貸住宅を選ぶときは❸と❹が優先順位が高く次に❶で最後に❷を検討するのがお勧めです。

次に持家にするか賃貸にするかは、持家を買った場合に実質目減りする金額と家賃を比較する考え方があります。

実質目減りする金額を求めるには以下を参考にすると面白いです。

●持家の公式(木造住宅の場合)
建物の減価償却分(建物価格/22年)+土地の価格変動+固定資産税+ローン金利+修繕費(建物価格の1%)
例①)3,000万円の持家の場合
(建物1,500万円、土地1,500万円、土地は値上がりも値下がりもしないと仮定、35年ローン固定金利1% 年間の返済額は101万)
1,500万/22年+0+10万(概算)+28万(概算)+15万=121万

→121万円が年間で無くなります。

つまり、121万円の家賃の賃貸に住むのと同じです。

郊外の土地が安いエリアで建物割合が高い場合は↓になります。

例②)3,000万円の持家の場合
(建物2,500万円、土地500万円、土地は値上がりも値下がりもしないと仮定、35年ローン固定金利1%年間の返済額は101万)
2,500万/22年+0+10万(概算)+28万(概算)+25万=176万

→176万円が年間で無くなります。

176万円の家賃の賃貸に住むのと同じです。

逆に中古の土地値物件を購入した場合は↓です。(築22年で土地値を想定しています。)

例③)3,000万円の持家の場合
(建物0万円(新築時は3,000万)、土地3,000万円、土地は値上がりも値下がりもしないと仮定、35年ローン固定金利1% 年間の返済額は101万)
0万/22年+0+10万(概算)+28万(概算)+30万=121万

→68万円が年間で無くなります。

同じ3,000万円の物件を購入するとしても、建物と土地にかける価格割合でここまで資産の増減に影響が有ります。一番最後のシュミレーションですと、68万円が実質的な住宅費と考えられます。その額を上回って支払った分は資産として増えていきます。真ん中のパターンはローンの返済額の方が少ないので、歳を重ねるごとに資産が減っていくようなイメージです。

ちなみに3,000万円の物件を賃貸で借りた場合はローン返済額+固定資産税+管理費は最低欲しいと貸主が考えるので、年間130万位の家賃になりそうです。そう考えると、建物の減価償却がある22年間は一番上のシュミレーションを参考にし、土地価格の割合が半分以上だと持家の方が資産が残り、半分以下だと賃貸の方が資産が残る計算となります。

また、築20年(マンションは25年)までは住宅ローン控除が使えるので、上記の事をふまえると築15〜20年位の中古住宅が狙い目かもしれません。

さらに会社から住宅補助がでる人はより賃貸が有利となります。私も会社から6万/月の補助が出ていた事がありますが、その場合は持家を買うよりも家賃補助をもらって浮いた分を投資に回す方が良いかもしれません。

少し見方を変えて、土地が値上がりしている場所は上記のシュミレーションがかなり変わります。例えば、上記の例①で土地が5%値上がりする場合、

例④)3,000万円の持家の場合
(建物1,500万円、土地1,500万円、土地値が5%値上がりすると仮定、35年ローン固定金利1% 年間の返済額は101万)
1,500万/22年−75万+10万(概算)+28万(概算)+15万=46万

→46万円が年間で無くなります。

つまり、3,000万円の物件に月々約4万円で住んでいるのと同じ事になります。

また、マンションだと減価償却が長くなるので、建物の割合が大きくても計算がかなり変わります。試しに例②で計算してみます。鉄筋コンクリートは減価償却47年で計算します。

例⑤)3,000万円の持家マンションの場合
(建物2,500万円、土地500万円、土地は値上がりも値下がりもしないと仮定、35年ローン固定金利1%年間の返済額は101万)
2,500万/47年+0+10万(概算)+28万(概算)+25万=116万

→116万円が年間で無くなります。

減価償却が長い分、資産形成を考えるとマンションが有利かもしれません。しかもマンションは値上がりが期待できそうな場所に多くあるため売却益が狙える可能性もあります。私がさいたま新都心で買ったマンションも築11年で売却した時に買値よりも1割高く売れました。都内だと倍以上になっているマンションもあります。

今回は省略しましたが、マンションの場合は管理費や修繕積立金が高いとか駐車場を別途で借りる必要があるなどの要素もありますね、、、

最後に私が住んでみた感想です。

分譲マンション
・騒音:窓を閉めていると静かだった
・ゴミ捨て:下まで行くのは面倒だが
 24時間捨てる事が出来た
・近所付き合い:ほぼないが、
 一度だけ組合の理事が回ってきた
・広さ:まあまあ
・駐車場:立体駐車場だと乗るまで
 時間がかかる
・セキュリティ:バッチリ
・利便性:バッチリ

木造戸建て
・騒音:たまに近所の人の叫び声や
 草刈りの音がうるさかった
・ゴミ捨て:当番が大変
・近所付き合い:挨拶をする程度だったが、
 町内会の当番が大変そうだった
・広さ:広い
・駐車場:敷地内で便利
・セキュリティ:少し心配
・利便性:まあまあ

別荘地の木造戸建て
・騒音:ほとんどなし
・ゴミ捨て:24時間捨てられる
・近所付き合い:ほどほど
・広さ:広い
・駐車場:敷地内で便利
・セキュリティ:甘いが別荘地だと
 知らない人が来るとすぐ分かる
・利便性:近くには何もない

以上、独り言でした笑

移住日記① 〜移住した背景〜
移住日記② 〜移住先を検索〜
移住日記③ 〜内覧その壱〜
移住日記④ 〜内覧その弐〜
移住日記⑤ 〜山中湖エリアの状況〜
移住日記⑥ 〜職場選び〜

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