見出し画像

SNSのアンチは宝、宣伝部隊として利用価値は大きい


2015年8月26日に山口組が分裂したことで年内に引退する決意をした私は、ツイッターによる情報発信とマーケティングを開始しました。やがて世間は六代目山口組と神戸山口組の動向に固唾を飲んで見守るようになり、マスコミ報道も活発化してきます。

私のツイートも注目され「ツイッター組長」として有名になって行きました。ツイッターを再開して2ヶ月ほどでフォロワーも24,000人以上となり、マスコミ関係者からの接触も始まりました。同時に、ツイッターのアンチも急激に増えていきます。

ツイッターでマーケティングとセルフブランディングを始めた私は、ツイッターユーザーとフォロワーの特徴、ツイートの傾向、エンゲージメントの分析を徹底して行いました。どのようなツイートが拡散されやすいか、インプレッションに対するフォロワー獲得の割合など、他者のツイートも参考にしながら研究と実験を繰り返したのです。

そこで興味深い傾向を発見しました。肯定的なリプライが多いツイートよりも批判的なリプライが多いツイートの方が拡散されやすいという傾向です。特にアンチによる攻撃的なリプライや引用ツイートほど、拡散され反響も大きいことが分かりました。

この頃には、コアなアンチ、固定アンチも一定数ついて、私のツイートに過敏な反応を見せるようになります。ここで気付いたのが、アンチこそ熱心な宣伝員であるということです。純粋なファンや一般ユーザーは肯定的な反応しか示しません。ありがたいことですが”毒”が無いのです。一方、アンチは粘着質で執念深くツイートを追いかけて来ます。そして、それがとても効果的な宣伝になることが分かり、アンチは宝と考えるようになりました。

アンチにも使えるアンチと使えないアンチが存在します。フォロワー0でやる気のない適当なアンチ、一見の通りすがりアンチ、意味不明のアンチなどは存在価値を感じません。使えるアンチは、とにかくしつこく粘り強い「粘着質」なアンチです。彼らはに共通するのは、社会性と知能は低いけれども時間があること、ネガティブなエネルギーに溢れていることです。私のツイートに対する敵対心、私自身に対する憎悪や怒りが凄まじいのです。それはちょっとした発電ならできそうなほどのエネルギーでした。

そのエネルギーを利用しない手はありません。本の出版という目的があった私は、後に彼ら「熱狂的アンチ」を利用するべく、ブロックなどせず温存したのでした。

そしてついに、2015年12月13日、ヤクザの世界で事始めとされるこの日、私は引退となりました。神事とされる事始めはヤクザや花街での正月ですが、物事を新しく始めることという意味もあります。そこで、新しい人生を始める区切りの日、言わばメモリアルデーとしてこの日を選んだのでした。

こうして、ヤクザ世界から引退した私は、それまで「組長」だったツイッターのアカウント名を「猫組長」に改名したのです。


次は本の出版の前に週刊誌での連載を始めることになった経緯を書きます。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?