(再び夢殿にて) しばらくの時が過ぎ、山背が諦めかけていた時、重い扉が開いた。 奥の方から「お入りなさい」との声が響いた。 山背は、矢も楯もたまらず、小走りに中へ…
(神の誓約) 時を少し遡る。三国の者たちが、青河龍王のもとにて研鑽を積んでいる間、日美の神は、高天原と地球に纏わる神々についての情報を集めつつ、地球と本国に残し…
(~外伝~ 明日香の土地に) 時は、西暦538年、日本という国は欽明天皇が立っていた頃のことである。 この年、百済の聖明王の使いで使者が訪れ、経典や仏具、金銅の…
(迎え) 高次の世界では、瞬間移動というものがたやすくできるものではあるが、異星間の移動については、すべての魂が同じようにできるというわけではない。思ってもみな…
【プロローグ】 ほとんど灯りのない真っ暗な空間に映し出されたのは、あまねく星々が放つ輝きだった。 そこに集うことのできるのは、三国の「神」と名の付く存在のみなので…
ねこきち
2023年5月28日 15:29
(再び夢殿にて)しばらくの時が過ぎ、山背が諦めかけていた時、重い扉が開いた。奥の方から「お入りなさい」との声が響いた。山背は、矢も楯もたまらず、小走りに中へと急いだ。「父上・・・」と声をかけたところで、はっと気付いた。「父上、どうなされたのですか?かなりお疲れのご様子にございます。このような中にずっとおられては、お体に障ります。宮に戻りませんと・・・」厩戸王は、優しく微笑みかけながら、
2023年5月10日 15:00
(神の誓約)時を少し遡る。三国の者たちが、青河龍王のもとにて研鑽を積んでいる間、日美の神は、高天原と地球に纏わる神々についての情報を集めつつ、地球と本国に残している日見の神と、直接のコンタクトがとれるよう新たなルートづくりと、自らの神魂(かむたま)の半分を置いておくための別次元の場を設けていた。地球人として生まれ、死んだあと、共に地球に向かう者たちを置いていくわけにはいかない。自身が最後まで地球
2023年5月10日 14:57
(~外伝~ 明日香の土地に)時は、西暦538年、日本という国は欽明天皇が立っていた頃のことである。この年、百済の聖明王の使いで使者が訪れ、経典や仏具、金銅の釈迦如来像やなどを献上した。この国に仏教が伝わることとなってきっかけである。天皇は、初めて相まみえる仏像というものの扱いに、少々困っていた。敬い礼拝すべきかを臣下たちに問うたところ、大臣である蘇我稲目は、大陸の優れた文化である仏教を受け
2023年5月10日 14:47
(迎え)高次の世界では、瞬間移動というものがたやすくできるものではあるが、異星間の移動については、すべての魂が同じようにできるというわけではない。思ってもみなかった亜空間の存在によって、移動の途中で座標軸が捻じ曲げられ、変異空間に落ちてしまうことも起こるため、注意が必要になる。ネットワークの構築がされていない場同士で、いきなり座標を合わせて移動することは危険すぎる行為である。今回は移動する魂の
2023年5月10日 14:07
【プロローグ】ほとんど灯りのない真っ暗な空間に映し出されたのは、あまねく星々が放つ輝きだった。そこに集うことのできるのは、三国の「神」と名の付く存在のみなので、なぜ、若き彼がその場に参加していたのか、私にはわからない。ただ、その日、特別な通信を受けとったことで、四神と若き彼の五名が、その通信を送ってきた星の位置を確認していたのだ。通信の内容はこうだ。「このメッセージを受けとった方へ、どうか