ねこきち

香術師・お香作家・詩人・御歌うたい・・・etc 魂の物語や絵本なども書いています。 1…

ねこきち

香術師・お香作家・詩人・御歌うたい・・・etc 魂の物語や絵本なども書いています。 1992年2月2日より、日本国内津々浦々、ご神託によるご神事祈りの旅を続けながら、 魂世界の理をお伝えしております。https://nekota-nekokichi.hatenablog.com/

最近の記事

魂たちのものがたり其の五

(再び夢殿にて) しばらくの時が過ぎ、山背が諦めかけていた時、重い扉が開いた。 奥の方から「お入りなさい」との声が響いた。 山背は、矢も楯もたまらず、小走りに中へと急いだ。 「父上・・・」と声をかけたところで、はっと気付いた。 「父上、どうなされたのですか?かなりお疲れのご様子にございます。このような中にずっとおられては、お体に障ります。宮に戻りませんと・・・」 厩戸王は、優しく微笑みかけながら、こちらに来るよう手招きをした。 「わたくしは大丈夫です。やらねばならぬことをして

    • 魂たちのものがたり~地球に生まれて~其の四

      (神の誓約) 時を少し遡る。三国の者たちが、青河龍王のもとにて研鑽を積んでいる間、日美の神は、高天原と地球に纏わる神々についての情報を集めつつ、地球と本国に残している日見の神と、直接のコンタクトがとれるよう新たなルートづくりと、自らの神魂(かむたま)の半分を置いておくための別次元の場を設けていた。地球人として生まれ、死んだあと、共に地球に向かう者たちを置いていくわけにはいかない。自身が最後まで地球に残っていられればよいが、そもそものミッションを考えると、たぶんそうはいかないこ

      • 魂たちのものがたり~地球に生まれて~其のⅢ

        (~外伝~ 明日香の土地に) 時は、西暦538年、日本という国は欽明天皇が立っていた頃のことである。 この年、百済の聖明王の使いで使者が訪れ、経典や仏具、金銅の釈迦如来像やなどを献上した。この国に仏教が伝わることとなってきっかけである。 天皇は、初めて相まみえる仏像というものの扱いに、少々困っていた。敬い礼拝すべきかを臣下たちに問うたところ、大臣である蘇我稲目は、大陸の優れた文化である仏教を受け入れるべきであると主張した。それに対し、大連・物部尾輿や中臣鎌子らは外国の神を受

        • 魂たちのものがたり~地球に生まれて~其のⅡ

          (迎え) 高次の世界では、瞬間移動というものがたやすくできるものではあるが、異星間の移動については、すべての魂が同じようにできるというわけではない。思ってもみなかった亜空間の存在によって、移動の途中で座標軸が捻じ曲げられ、変異空間に落ちてしまうことも起こるため、注意が必要になる。ネットワークの構築がされていない場同士で、いきなり座標を合わせて移動することは危険すぎる行為である。 今回は移動する魂の数も多い。すべての存在が同じだけの速度や正確性を持って飛行できるわけではない。そ

        魂たちのものがたり其の五

          魂たちのものがたり~地球に生まれて

          【プロローグ】 ほとんど灯りのない真っ暗な空間に映し出されたのは、あまねく星々が放つ輝きだった。 そこに集うことのできるのは、三国の「神」と名の付く存在のみなので、なぜ、若き彼がその場に参加していたのか、私にはわからない。 ただ、その日、特別な通信を受けとったことで、四神と若き彼の五名が、その通信を送ってきた星の位置を確認していたのだ。 通信の内容はこうだ。「このメッセージを受けとった方へ、どうかお力をお貸しください。われらの神の光が奪われました。わたくし達は、今、見知らぬ脅

          魂たちのものがたり~地球に生まれて