映画雑談『RRR』
ナートゥをご存知か?
シビレるッッッ!!! なんというアツさ、かっこよさ!
2022年、最もシビレた映画は、文句なく『RRR』です。3時間の上映時間なんて、あっという間に感じました。むしろ永遠に終わらないでほしかったです。本編後はエンドロールを観ながら、心の中で「もっとくれ! もっとくれ!」と叫びました。マサラ上映だったなら、リアルに叫んでいたでしょう。まさに電撃のような映画でした。
主人公は、ラーマとビームという二人の男です。強大な権力、圧倒的な暴力、そして絶体絶命の窮地が二人に襲いかかってきます。それはもう、これでもかと襲ってきます。しかし二人の心は折れません。ときに助け合い、ときに敵対しながらも、二人の心が理不尽な運命に屈することはないのです。二人ともマッチョな肉体以上に、とにかく心が強い。熱い友情と尊厳に満ちた魂が、劇場を突き破る勢いでほとばしります。圧巻です。
汗と砂にまみれて戦い抜く二人を観たあとは、些細なことやどうでもいいことでいちいちマウントを取ってきたり見栄を張ったりイライラしたりする人が、ちっちゃいちっちゃい小物に見えるでしょう。もう本当に、ひたすら気の毒なレベルに思えてくるに違いありません。(もちろん自戒の念を込めて)
私のような英雄でもなんでもない一般人は、日常生活を過ごす中で喜怒哀楽の感情が心の内に埋没しがちです。本当は声に出したい怒りや悲しみを無理にでも押し殺し、大人として振る舞わなければこの社会で生きてはゆけないのです。しかしそんな感情を、忘れたわけではありません。ラーマとビームは、私のような何者でもない者の秘めた怒りや悲しみを背負って戦ってくれたとしか思えません。ありがとう、ラーマ、ビーム。あなたたちは私の心の姿であり、私の心にもあなたたちがいます。私は小市民であっても小賢しくなんかならず、誇りを持って生きてゆきたいと思います。
ああ、『RRR』を観たあとの、私の中で無駄に燃えるこの情熱をどうしたものでしょう。とりあえず映画館からは自転車を立ちこぎして帰りました。ファンの皆さま、いつかマサラ上映でお会いしましょう。