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『糖尿病の治し方』5-2 冬眠

昼。 いつものようにベッドでくたばっていたら、
主治医のO森先生が来られた。
 
O森先生いわく、「このまま寝たきりでいたら、体が弱りきって
衰弱死してしまうので、廊下に出て歩く運動をしましょう」とのこと。
動かないと本当にヤバいんだそうだ。
 
今は、いろいろ体がガタガタなので、横になっていたいんだけれども。
横になったままだと、体が弱ってデスゾーンに近づいていくらしい。
 
何でも、人間の脳は人体がある一定限界以上に弱ると、勝手に
『今は休む時期なのだ』と認識するようになり、「横になったまま
永久に休み続けてしまう」んだそうで。
「生物としてやっていけなくなって死んでしまう」んだそうだ。
 
O森先生いわく、この現象を『冬眠現象』というらしい。 (冬眠て…)
 
だから、このまま横になっていると、『歩こうにも歩けない体』に
なってしまうんだそうだ。
 
とりあえず、立ち上がらないとヤバイということが分かった。
リモコンを使って上半身を起き上がらせる。 ウイイイイイイイイイ。
 
(ヴーーーーーーーーーーーーーーー……)頭の中で音がする。
 
前から感じてたんだけれど、右耳の奥がおかしい。
上半身を起こすと、必ず右耳の奥が水中にいる時のようになる。
(右耳に水が入ったようになるというか…)
自分の声や外部の音が反響したようにもなる。(なぜ…?)
 
(ヴーーーーーーーーーーーーーーー……)何なのだろうかこの音は…。
 
(かなり精神にくるんだけれど…)(脳がどうにかなってたりして…?)
まだ、原因がよく分からない。(大丈夫かな……?)
 
O森先生は、「ネコさんは、運動をする習慣が必要だから、トレーニングの
先生を呼びましょう」といってくれた。
 
何だかとてもせわしない。(できればずっと寝ていたいんだけどなぁ…)

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