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うめしごとを通して考えたこと

コロナの影響で外出自粛していた時期にふと思い立って、梅酒を漬けてみました。

6月に漬けて、3か月が経ったので最近飲み始めましたが、これがなかなか美味しい!1年近くとか、長期間つけた方が味がまろやかになって美味しいらしいので、まだ味見程度にしています。

初めてうめしごとに挑戦した時に、ぼんやり考えたことを思い出しながら書いてみようと思います。

おばあちゃんの梅干し

梅酒じゃないんかい・・・。すみません・・・。梅干しのお話です。

うめしごとに挑戦した時、母方の祖母が毎年美味しい梅干しを漬けてくれていたことを思い出しました。

味の記憶ってすごくて、今まさにどんな味やったか思い出せるという・・・。よだれが出そうです。(お昼ごはん前なので尚更・・・)

祖母の梅干し、梅は八百屋さんで買っていたのか、知人にもらっていたのかわかりませんが、ポイントは祖父の畑でとれた赤ジソ。赤ジソを贅沢に使った、酸っぱいけど爽やかな香りがめちゃくちゃ美味しい梅干しでした。

いつやったか、貰い物の”高級南高梅干し”を食べた時、申し訳ないけども「おばあちゃんの梅干しの方が断然美味しい」と感じました。どんな百貨店の高級梅干しも、祖母のあの味には敵わない、と思います。

祖母は足を悪くしてしまい、今はホームに入居しています。認知症もあり、「ちゃきちゃきとよく働き、ちょっとせっかちで世話焼きだった」以前の祖母とは別人のようです。ただ、認知症とはいえ昔のことは本当によく覚えていて、コロナ前に会いに行った時は、私の小さかった頃の話をしてくれました。

6月にうめしごとをしながら、ふと不思議な感覚に襲われました。梅の実を1つずつ洗って水気を拭き取り、ヘタを爪楊枝でとる、という作業を黙々としていると、自分の手が一瞬、祖母の手に変わったように感じました。シワがあってツヤツヤしていて爪が少し大きめの、祖母の手がそこにありました。

梅干しを祖母が作っているところを見たことはないのに、なぜか祖母の手つきをずっと見ていたような気がします。そして、祖母の手の特徴を鮮明に覚えていることにちょっと驚きましたが、なんだか幸せな気持ちになりました。

コロナのせいで、祖母にはもう半年以上会えていません。早く会いたいなあ、と祖母を思う日々です。

おかんの梅ジュース

母から子へ、子から孫へ・・・みたいなもんでしょうか。(またしても梅酒じゃないんかい・・・。すみません、梅ジュースの話です・・・)おかんもよくうめしごとをしていました。今年も作ったとか言うてたかな、そういえば。

昔からよく作ってくれたのは、お酢で漬けた梅ジュース。なかなか酸っぱかったですが、これが美味しかったんですよね。子どもの頃、炭酸が苦手やったので、いつもお水で割ってもらって飲んでいました。

暑い真夏は氷も入れて、冷たい梅ジュースにして飲むのが我が家の定番で、最後にグラスの底にちょっと溜まった原液と氷を、一緒にジャリジャリ食べるのが好きでした。おかんにはいつも、「氷全部食べたらあかんで!お腹冷えるから!」と注意されていましたが(笑)。

今年、梅酒漬けてみたよ、と母に電話すると、「あら、あんたそんなんまで自分でできるようになったんやねー!コロナで出られへんし退屈やもんねえ」と笑っていました。実家にいた時、ご飯を作るでもなく、洗濯も掃除も母に任せっきりだったことを反省する毎日です。たまにご飯を作るのを手伝うくらいだったので(その時におだしのとりかたやら野菜の切り方やら、料理の基本を教えてもらっていましたが)、家事って思ってたよりやることいっぱいあって大変やな、と今更実感しています。

昔から口うるさいおかんでしたが、おかんの優しいところは、これまで何もしてこなかった私を責めることなく、最近いろんな料理に挑戦していることを褒めてくれるところです。

うめしごとをしていて、祖母のこと、おかんのことを思い出しました。

今回は彼も私もお酒がそれなりに好きなので梅酒にしましたが、できれば梅干しも梅ジュースも、作ってみたいです。もし将来子どもが生まれたら、食べさせてあげたいなあ。祖母の味もおかんの味も、これだけ鮮明に記憶しているのに、同じものを再現できる気がしませんが。少なくとも、愛情たっぷり込めて作りたいものです。そこだけは、祖母やおかんに負けないように、頑張れそうです。

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