認知症と言う病と関わる日々
11月17日
コロナの感染が止まりません。北海道は6日振りに200人割れをしましたが依然高い水準で経過中。
さて今回は
"やさしさは伝わるか?"
の考察です。
認知症入居者と接して
いつもいらいらしているAさん
イライラの原因は様々ありますが、
ここではトイレが原因とします。
認知症の方に限らず、高齢になるにつれお通じが出にくくなります。理由は
①新陳代謝が低下する
②水分摂取量が低下する
③内服している薬の副作用
④便意が上手くキャッチ出来ない など
Aさんも上記に該当し、自然排便(お食事中の方ご免なさい)自体が難しい状態です。
そこで登場が下剤です。
種類も豊富で、医師の診断後の処方に成りますが、私が勤める施設でもほぼ全員が何らかの下剤等を処方されています。
下剤について多きく分けて3種類有りまして
①腸内環境を整える薬
②固くなったお通じを柔らかくする薬
③腸の動きを良くする薬
はじめは①から始める方が多いです。次第に①だけでは出づらくなり①プラス②へと薬が変わります。
薬は徐々に耐性が付き、効きにくくなり①②③などの複合処方だったり、処方変更や薬量増などになり、便秘者はダークネスな世界へと誘われます。
認知症の方の心情を推し量ると
何だか分からないけど、
「お腹ーいたーい」と内服後、言葉や表情が固く不快感が続きます。
みなさん想像してください
常に原因不明の腹痛が容赦なく有る日常
更にトイレの場所が分からないとか、いきなり知らない人がやってきて、トイレに拉致られた後その場から離れず
「うんこでたの?」など
何でそんな事を他人に話さなければならないのかと、理不尽極まりない日常。
そんなことが当たり前にあるのが、介護の現場です。
そこにはもはや羞恥心、尊厳などは無くなり過酷な現実があります。
そんなことを踏まえて、今Aさんの最大の問題は謎の腹痛の中、トイレに行くこと、そして早くこの腹痛からの解放が至上目標となります。
行けど行けど終わらない地獄
Aさん1分おきに行くトイレ。座れども出てこない。
職員に
「トイレ行きたーい」と懇願するAさん
職員:「さっきもトイレ行きましたよ」と話すが出ない
Aさん:
余りにトイレに行く為、お通じが出たか出なかったかを忘れてしまい、更にどつぼにはまっていきます。
大抵の職員は同じ行動でも5回~10回位までは甲斐甲斐しく介助しますが、10回を越える頃にはぞんざいに(Aさんの行動は常に見守ります)なっていきます。
Aさん段々気持ちが不安になり、怒りやら、悲しいやら、恐ろしいなどの感情が入り交じり益々混乱していき「助けてー助けてー!!!」となっていきます。
接し方一つで更なる地獄?天国?
認知症に接する職員には様々なタイプの人がいます
①始め丁寧後に雑に
②初めから雑
③寄り添いやさしく接する(神)
私は①に分類されます😅
認知症の方と言えど、相性は有ります。双方に言い分は有ります。ただプロとしては本来は有ってならないですが、現実問題としてぞんざいな対応になったり、それらが発展していきますと、介護虐待に至ります。
そうならないよう、相性が悪い方については別の職員に対応してもらったり、夜勤などどうしても一人で対応しなければならない時は、必要最小限の対応していきます。
Aさんの対応(トイレ内での声掛け、対応)
①の場合
職員:「お通じ出れば良いですね☺️...(1回目)」
10回目以降
職員:「はいはい さっきも行ったよねー
今行っても出ませんよ😒」
②の場合
職員;「いやーまたトイレ!もういい加減にしてちょうだい😡」と無視するようなる
③の場合
職員:「Aさん大丈夫ですよ お腹痛いのですね。お腹さすりますね😊...」などやさしさ一杯の対応が続く
みなさんはどの職員に対応してもらいたいですか?
"やさしさは伝わるか?"
私は残念ながら③の職員にはなれません😅
だけど、接し方をちょっとだけ変えるだけで劇的に変わることが有ります。
それは、ただ側にいるだけ。これで今日のAさんは落ち着きが戻りました。
Aさん:「あーどうなっているの?😡」
私:何も言わず側でニコニコしています
Aさん:「あなたいい人...😄」
さっきまでは混乱してどんな声掛けにも拒否反応でしたが、側にいるだけ、そして笑顔をAさんに見せる、これだけでAさんの不安が和らいだのでしょう。
やさしさは、言葉掛けの他、眼差し、何気なく手を取る、肩や髪の毛をなでる、背中をさするなど
実は非言語的なコミュニケーションが有効な場合が案外多いのです。
ただ、これにはある程度相手との信頼関係が必要になります。(初対面の人がこれをやると逆効果になることがありますので、注意が必要です😅)
結論
やさしさについての考察でしたが、如何でしたでしょうか?
認知症の方々は、私の経験上ですが、
相手の言動、仕草など介護者本人が意図していない事でも直感的に察します。
これはどんなに認知症が進んだ方にでも感じる人間本来の能力だと思います。
なので、ぞんざいな対応を常日頃から行っていたり、介助者の気分で対応を変える介護だとすぐに見破り、心を開かないようになります。
相性が有るので、無理はせずに苦手な人は別の職員に任せ、何より介助する人の精神状態が安定し穏やかな対応が求められます。
決して介助者は神様でも崇高なボランティアなどでなく、未熟な人間であることを再度意識しながら関わっていくことが必要です。
今回はここまで
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは次の記事でお会いしましょう。
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