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「特別支援教育支援員養成講座」を受講して得たこと

教員採用試験の勉強を1月から始めました。
教科の問題に苦戦しながら、過去問解いています(力尽きて寝落ちしてること多々あり・・・)。

そして、2月~3月は、「特別支援教育支援員(学習支援員)養成講座」なるものに通っていました。

7日間全14講座、子どもの発達障害への理解や支援の仕方について多角的に学べる講座です。
講師の先生方は、ここへ来なきゃきっと出会えなかったであろう、臨床経験豊富なスペシャリストばかり。
教科書的な説明だけでなく、様々なケースや知見についてわかりやすく語っていただき、惹き込まれました。
どの方も、お人柄豊かで、子どもに対する眼差しが、とびきりあたたかいのが印象的でした。

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子ども支援室カシオペア (kodomosien.nagoya)

発達障害とか、特別支援教育とか、私にとっては、未知の領域でした。
毎回の講座では、胸が締めつけられる思いがしたり、感動したり、いろんな感情が渦巻き、価値観が揺さぶられました。
リアルでの講座だったからこそ、得られたものも多かったと思います(リアル開催に感謝!)。
講座毎にレポート提出が必須なのですが、受けとめ消化するのにけっこうなエネルギーが必要で、なかなか大変でした。

▼7日間がっつり学び、立派な修了証書をいただきました(最新学習歴更新!)

貴重な学びの機会で、参加できて本当によかったと思える講座でした。
知識や必要な手立てを学ぶことで、勇気づけられ、人は前に進めるのだと改めて実感しました。
受講して感じたこと、学んだことを言語化して残したいと思います。

受講目的と成果

「これ絶対受けたい!」
この講座を見つけた時、ビビビっときました。
ちょうど、児童理解を深めたいと何冊かの本を手にとっていて、もっと実践的な学びができないかなぁと思っていたところでした。
私がこの講座を受けようと思った理由は大きく3つです。

①子どもの多様性を知りたい

教員って、わりと学校生活も馴染めて、学習面でもさほど困ることなく大人になった人がなっていることが多いんじゃないでしょうか。
そういう私も、勉強ができる子ではありませんでしたが、行動はいたって真面目、よい先生に恵まれ(変な先生もいましたが)、一度も休むことなく学校に通っていました。

教室で子どもと接する時、”自分”を基準にするのではなく、一人ひとりの子どもの目線で向き合いたいと思います。
担任の関わりひとつで、子どもの成長度合いは大きく変わります。
いかに個々の子どもの特性を見てとれるか、そのためのベースとなる知識を得たいと思いました。
知識がないと、支援が必要な子どもに気づけなかったり、子どものSOSを見過ごしたり、間違った指導をする危険があるからです。

通常学級にも6.5%くらいの割合で支援が必要な子どもがいると言われています。
発達障害に対する理解や、支援の手立てについて具体的に学べたことは、なんの経験もない私にとって有難い経験でした(むしろ全教員必須!)。

「普通」「当たり前」「常識」・・・
普段何気に使っている言葉ですが、安易に口にすべきではないなと。

人は、一人ひとり違うもの。
違いは、”違い” であって、”間違い” ではない。

感覚統合の回で教えていただいた、
上靴がはけない子、
服を脱いでしまう子、
そういう子が実際にいるのだ(しかもあるある)ということを知れただけでも価値があったとおもいました。

この講座を通じて、子どもの特性に気づけるアンテナの感度がグンと上昇した気がしています(大きな成果!)。

②子どもの関わり合いを知りたい

我が子(娘二人)のために、母親としてできる関わりのバリエーションを増やしたいという想いもありました。
実は、次女が中1から不登校で、まったく学習に向かえていない状態なのです。
この春から中3となり、進路のことも気にかかる時期、何か前に進むきっかけを得たいなぁという気持ちが大きくありました。

講座の中で、発達障害の子どもが持ってる困難さや困りごとについて触れた時、もしかして、次女も何かしらの難しさを抱えていたのかもしれない・・・(でも当時は気づいてあげられなかった・・・)と、胸が苦しくなりました。

特に、ディスレクシアについて知った時、漢字が覚えられない、書き間違いが多い等、次女について思い当たる節がいくつかあるように感じました。
いろんな種類の検査やアセスメントがあることを知り、次女についてもっとちゃんと知りたいなぁという思いが湧いてきました。

何ができて何が苦手なのかを、客観的に知ることが第一歩。
診断を受けることは、悲観的なことではなく、適切な支援につなげる重要なプロセスであることを学びました。

③子どもを支援する人と知り合いたい

この時期のリアル講座でしたが、受講生は27名も。
特別支援教育支援員養成講座という名前から、これから支援員になる人や、すでに現場に出ている教員がほとんどなのかなと思いきや、当事者の母親だと言う方がたくさんみえました。

それぞれの子育てに難しさや葛藤を抱えており、お子さんが不登校を経験している方も何名かいらっしゃいました。
講座の中で、状況を共有いただいたり、お子さんのリアルな姿を教えてくださって有難かったです。
我が子のために学ぶ母の姿は尊いなぁと思ったし、なにより前向きで意欲的で、そんな方々と一緒だったからこそ、深い学びの場がつくられたのだと思います。

本当は、同じ市に勤務する小学校の先生と人脈ができたらいいなぁと思っていたのですが、それは叶いませんでした(残念・・・)。
でも、別の市に勤める小学校の先生とお友達になれました。
ちょうど今回45歳で教員採用試験に合格したとのこと!
私もがんばろうと励みになりました。

価値観の変容

さて、この講座で学んだこと。
たくさんありすぎて、テーマが深すぎて、まだ消化しきれていないのか、この記事にまとめようにも、なんだかとても時間がかかってしまいました。。
それだけ感情が揺さぶられ、価値観が変わる経験だったんだなと(言語化するの大変・・・)。

<講座を受ける前>

発達障害については、前に、教職教養テキストの教育心理のところで学習しました。
自閉症、高機能自閉症、学習障害(LD)、注意欠如多動性障害(ADHD)等の言葉とその特徴について。
原因は、中枢神経の機能障害とあります。
書いてあることを暗記する。試験にでるかもしれないから。
そこには、障害を持つ子どもの困り感や、子育ての困難さ、適切な対応や支援の仕方について、知るよしもありません。
テキストの字面を追うだけでは、わかろうとする、向き合おうとする、寄り添おうとする、意欲は芽生えないのです。

<講座を受けた後>

◆支援が得られないことが障害

講座では、いつも発達障害の子ども達と真摯に向き合っている講師の先生方から、臨場感たっぷりなお話を伺うことができました。
そこで、まず"障害"という言葉のとらえ方が変わりました。

発達障害とは、困難さを抱えながら発達していくということ。

それは特性であって、傾向としては大なり小なり誰しも持っているということ。

障害とは、理解されない人や支援されない環境がつくり出すものだということ。

逆にいうと、その子の特性が周りの人に理解され、その子にとっての適切な支援が得られていれば、それは障害にはなりえないということ。

理解や支援が得られないことこそが障害なんだということが、胸に刺さりました。

欠点も含めたあるがままの自分を受け入れてくれる環境が大事なのであって、そのままの自分で大丈夫でいられる環境を整えることが、私達大人の務めなのだと心に刻みました。

◆必要なのは公平

合理的配慮という言葉も、講座の中ではじめて知りました。
学校現場では、みんな同じである”平等”が求められるきらいがあると思います。
必要なのは、平等ではなく「公平」なんです。
みんなと同じスタートラインに立てるよう、環境を整えることが合理的配慮です。
そして、その子の特性を理解し、さりげなく環境を整えていくことが支援なのです。
失敗しないように、恥をかかせないように、いかに支援するか、多様な子ども達と接する私達は、その技術を学び続けなければならないと思うのです。

▼合理的配慮のわかりやすい例

引用元:【図表でわかる!】発達障害 × 合理的配慮 |「タブレットの利用はズルい」? 合理的配慮を”不平等”だと感じる人へ

◆二次障害

適切な支援が受けられないと、二次障害をつくりだす場合があると…

子どもに対するレッテル、不適切な関わり、過度な指導・・・

なにげにやってしまっているケースが、多々あるのではないか…
二次障害という言葉が重くのしかかります。

理解されない子どもは、おこられてばっかりで、自尊感情が下がります。
自尊感情が下がると、SOSを出すことは難しいです。
マイナス感情に苛まれ自暴自棄となり、負のスパイラルに陥ってしまいます。

子ども自身が傷む前に、周りの大人が気づき、相談・診察を通して、適切な支援につなげることが重要なのです。
そのためには、偏見のない正しい知識と、あたたかな心構えがなくてはなりません。
自己肯定感の低い子を人為的につくりだすことのないよう、愛と智慧をもって対応するスキルを磨いていく必要があるのです。

今の自分にできることから行動

この講座を受けての感想を一言であらわすと、
無知は罪
なのだと実感しました。
知っていれば、理解があれば、必要な手立てを考えることができる。
だから常に学ぶ必要があるのだと肯定することができました。

私が、「無知は罪」という言葉をつぶやいた時、
無知は罪ではないよ。「既知の放置が罪」
と教えてくれた方がいました。
ああ、確かにそうだよなぁとハッとしました。
講座で学んだことを活かすために、具体的なアクションを記しておきます。

①本を読んで深める

講座を受ける前は、自分の範疇ではない(通常学級より特別支学級の担任の方が上級)と思っていましたが、特別支援教育が身近に感じられるようになりました。
視野がひらけて、もっと知りたい気持ちが湧いてきました。
教室での対応や支援に役立つ本を紹介いただきました。
読んで、引き出しを増やします。

▼私の課題図書たち

②イラストを描いて練習する

わかりやすいことは誰にとっても必要!
視覚支援のユニバーサルデザインについて学んだ時、イラストや絵の威力を実感しました。
以前から、伝える手段として、イラストが描けるようになったらいいなぁと思っていました。
説明したり、指示をする時、黒板にささっとイラストが描けたら素敵だなぁと。

講座で、視覚支援の実例を知り、イラストを描くスキルは強力な武器となると、その想いを強くしました。
手帳や日記にイラストを添える等、日常的にイラストを描いて練習します。

③ほめる感覚を養う

・よい行いをほめる
・価値ある行動の意味づけをする
・変化に気づいてさり気なく伝える
・感謝の気持ちを表す
・問題行動が起きていない時にちゃんとほめる

なにも学校現場でなくても、日常のコミュニケーションの中でほめるチャンスはたくさんあります。
ほめポイントにたくさん気づくことができるよう、人を見る感性を高めたいです。
そして、肯定的なフィードバックは、惜しみなく、即言葉にして伝えるよう実践していきます。

「教科の達人にはなれなくても、強化の達人にはなれるかも!」

ふと、こんな言葉が降りてきました。
子どもに要求するばかりでなく、その子の中にある素敵なこと、できること、適切な行動を強化する働きかけをしていきます。
自分のよさを、子ども自身にわかるかたちで伝えてあげたいです。

▼いつか教壇に立った時に、忘れないよう自作したチェックリスト

この講座で、子どもの多様性について学び、合理的配慮とは何か、いかに支援するかの手立てを教えていただくことができたので、教室で子ども達と過ごす日々が、とても楽しみになりました ♪

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