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小学校のキャリア教育で何を伝えたいのか


「小学校でキャリアの授業をするのが夢です。」

CDA(キャリアカウンセラー資格)の二次試験口頭試問で、何度も口にした言葉。
今では、国家資格キャリアコンサルタントとなりましたが、私がCDAの資格を取得したのは2014年。
二次試験がなかなか受からなくて、5回も受験したのだけど(よくあきらめなかったな)、「この資格を取得したら何に活かしたいですか?」の問いに対して、私は「キャリア教育」だと答えていました。


なぜ小学生にキャリア教育をと思ったのか

採用担当として、学生さんと日々接する中で感じたことが大きかったのだと思います。

・挨拶ができない
・自分の名前を名乗らない
・書類の向きを揃えて渡せない
・目が合わない
・無表情
・返事がない
・お礼が言えない

受付に立って学生さんを案内する、ほんの30秒でわかってしまいます。
基本的な立ち振る舞いができず、第一印象でマイナスなのはもったいないですよね。

・自分の頭で考えようとしない
・自分の考えを発信できない
・自分で決められない
・自分のよさがわからない
・自分に自信がもてない
・楽しもうとしない
・他の人と協働できない

企業の採用選考では、面接だけでなく、グループワークという手法も取り入れ、いろんな状況下での学生さんの行動を見ています。
また、選考官だけではなく、採用担当が1対1で学生さんに寄り添いながら、本音を探ることもあります。

これまで小・中・高・大と、教育を受け育ってきた学生達。
もちろんいろんな子がいますが、難しいと感じる学生さんもたくさん見てきました(大学のレベルに関係なくです)。
その差は何なのだろうと・・・。

採用選考では、その時点での人物を評価するわけですが、就活が始まれば、就活にふさわしい自分になれるというわけではありません(そりゃそうです)。

今までの積み重ねの先に、今の自分がかたちづくられているのですから。

キャリアは、大人になってからスタートするわけではなく、子どもの頃からすでに始っているのです。
キャリアは日々の積み重ねなのだから。
このことを、まず伝えたいと思いました。

一方で、就活支援のワークを実施する中で、真剣に自分と向き合い、気づきを得た学生さんの、顔つき・態度が変わる瞬間もたくさん見てきました。
気づきを得て、自分のありたい姿を描くことができると、行動が変わります

人は、いつからでも、いくらでも変われる。

そう思いますが、それは、いかにきっかけを得られるかにかかっています。
もっと小さいころから、様々なきっかけに恵まれ、いろんな経験を積むことができたら、いったいどんなふうに育つのか・・・。
当時、娘二人が小学生だったこともあり、妄想していました。

なぜ小学生にキャリア教育を!と思ったのかをまとめると、
キャリアは日々の積み重ねだからこそ、子ども達へ伝えたい。
子ども達に、新たな気づきを得られるきっかけを与えたい。
根底にあるのは、この2つです。

そもそもキャリア教育って?

キャリアとは、実にふわふわした概念だなぁと感じてしまいます。
キャリアの語源は、ラテン語で轍。
車輪が通った跡を意味しますが、キャリアの定義については、いろんな専門家がいろんな言葉で表現しています。

では、キャリア教育の定義は何でしょうか?
文科省はこのように示しています。

一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育
【文部科学省 平成22年度第二次審議経過報告】


また、キャリア教育の実践については、こう書かれています。

児童が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。
【小学校学習指導要領(平成29年告示)総則編より】


よかった!学習指導要領でもキャリア教育を推進している!!
はじめて学習指導要領を読んだ時、キャリア教育についての記述を見つけて嬉しかったのを覚えています(笑)。


私がやりたいキャリア教育

キャリア教育の充実を図ることは、学習指導要領が掲げている「生きる力」を育むことにつながります。

キャリアとは、生き方そのもの。
キャリア教育とは、よりよく生きるための学びなのだと思います。

様々な視点を提供し、ものの見方・考え方を広げます。
気づきを得て、自分自身と向き合い、行動につなげていく。

キャリア教育には、未来の視点が欠かせません。
未来の社会はどうなっていくのか。自分はどうなりたいのか。
子ども達と一緒に、未来について想像することを楽しみたい。
自分の将来を楽しみに思う感覚を育てたいと思います。

過去ー現在ー未来はつながっている。
今、学んでいることと、将来の在りたい姿とのつながりを見出すことができれば、子ども達の学習意欲や学校生活にプラスにはたらくと思うのです。

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日々の積み重ねが、未来の自分をつくるということに気づき、自分を成長させる営みを楽しんでいけるように。
もっとよくなる。よりよくすることができる。
そう思える人生でありたいです。

「自分と未来に 希望の持てる 子どもを育てる」

私が子ども達へのキャリア教育(というより教育全般)を通じて、目指したい信念です。


◎キャリア教育の話、まだまだつづきます。。。
漠然と想い続けて4年…
2018年の6月に、キャリア教育授業の夢が叶いました。
どうやって小学校での授業を実現できたのか、どんな授業をしたのか、また次回書きたいと思います。

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