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【13】 隣人ガチャで大ハズレ!「ついに入院!?」

この話は私と隣人(ガチャ)との生活を記録した、全てノンフィクションの日記です。
人物・地域特定ができないように氏名・名称などは一切掲載していません。
掲載する場合は全て仮名を使用します。
同じような悩みを抱えている方の参考になればと思います。


■登場人物


お隣さん = ガチャ
お隣さんの親族 = ガチャパパ

■前回のおさらい

通っていた病院が判明し、身内のガチャパパが訪問したのですが、守秘義務という壁で門前払い。
しかし、前に通っていた病院に入院させるために保健所が動いて転院させることに。
ついに入院になるのか。

■朗報

門前払いされてから2週間ほど経ち、ガチャパパから再び連絡が。

「入院させます」

ついに…
病院からも入院させた方がいいだろうということで、ベッドが空き次第入院させるとのこと。

「ベッドが空き次第」

いつになるんだろう…
これが長引いて半年とかだったら嫌だなぁ。
でも、やっと前に進み出したのでかなりの朗報

■いきなり

すぐに入院は決まらないだろうと思っていたら、1週間後にガチャパパから連絡が。

「来週入院です」

ここに来てこの迅速さ
これまで3年間悩まされてきた我々は何だったんだ。

ただ、問題はどうやって入院するかを伝えて説得するか。
前にも書いたが、ガチャパパはガチャとは会いたくないし、会っても話にならない。
そんなことあるのかぁ?

この段階では信じられなかった。

■奥の手

ガチャパパから当日の説明がされた。
病院から紹介された「移送専門業者」に依頼したとのこと。
俗にいう「移送屋」と呼ばれる方々だ。

精神病患者を病院へ移送する、名前の通りの業者だが、精神疾患を持つ人の人権が手厚く守られている原因というか発端となったのは、この手荒い移送方法にある。

今では本人の意思がなければ入院させることはできない。
それが任意入院
ちょっと前までは任意入院なんてなかった。
本人の意思に関係なく縛り上げて突然病院に入れる。
そんなことをしてはいけないということで現代ではほとんど行われていない。

でも、そんなことはないということを思い知る。

■移送前日

ガチャは以前にアパートの人とトラブルを起こして弁当をぶちまけて逃げ回ったことがある。
なりふり構わず行動することがあるので、もしもの時のために周辺の住人にお知らせすることに。

アパートの人のところに話に行くと、なんと今日も朝からトラブルを起こして警察が来ていた。
駐車場の車にコーラをぶちまけていた。
常習的に悪いことをするようになりつつある。

問題行動は多いけど、さすがに、そんな暴れることないだろう。
警察や役所の人とは静かに話しているから、話せば分かる…

まだ私はガチャの本性を知らない…

■移送当日

朝9時半到着とガチャパパから伝えてもらったので待機。
平日なので付近の人はほとんど留守。
私はリモートなので待機することができた。

そもそも、ガチャパパが当日もその場に居たくないということで病院待機していて、こっちを出発したかどうかの連絡を頼まれていた。
どっちにしろ見るしいいだろう。

あっさりと家の中で話して、そのまま車に乗って行ってしまうだろう。
そんなことを思いながら移送業者を待っていた。

私は本当に甘ちゃんだ…

■業者登場

移送アベンジャーズが大きなバンに乗って登場。
中から屈強な男性4人降車。
ガチャの家に直行したので間違いなくガチャ・サノスを狙いに来ている。
手慣れた感じで回りを軽く見回してさっそくガチャ宅へ訪問。

実はこの日も朝からガチャはふらふらで歩いていて、アパアートの人に何かやりそうな感じで物色していた。
たぶん、アベンジャーズが来なかったら何かしていたに間違いない。

ガチャは外出して徘徊していることが多いのでこの日もいなかったらどうするんだろうという心配はあった。
どうやらこの日は家に居たようでインターホン越しに話を始める。

玄関の前で話を始めて2分。

アッセンブル!

■大捕り物

最初は普通に話しているようだが、突然大声が聞こえてきた。
これは説得が難航しそうだと思ったら大声がさらに大きくなる。
死角で何が起きているのか見えないが、どうやら4人で玄関の前で取り押さえている模様。

どうしてこうなった…

大声で怒鳴るガチャ。

何を言っているのかは意味不明。
聞き取れるのは

「おかしいですよ!」
「悪いことしてません!」
「なんだてめぇ!」
「犯罪者!」
「ひゃくとうばん!」

基本的にこんなようなことを無限ループで叫んでいる。
一方的にやっているように見えるが、この間もアベンジャーズはずっと優しく話しかけている。

「何をしたか心当たりはあるでしょう?」
「名前を教えてもらえる?」
「怪我したら大変だから暴れないでね」

優しく聞いても一切答えないガチャ。
しかもこの期に及んで意味の分からない嘘をつく。

「年齢教えてくれる?」
「中学生!」

やっぱり誰が話しても会話にならない。
この状態でどうやって説得して連れていくのか。

■最終手段

暴れて叫び狂うガチャ。
このままどうするのかと思ったら、見たこともないデカい結束バンドをバンから取り出してくる。
そもそも、こうなるのを分かっていたかのように業者は全員手袋をして、腰には結束用の道具を下げていた。
まるで西部劇。

ガチャパパの言っていた、会うと暴れるというのは、このことだったのかもしれない。
それを業者にも説明していたので事前に準備をしていたよう。
そんな人物を一人暮らしで放置するのは問題だと思うが。

業者は手際よく結束バンドで縛り上げていく。

その間もずっと抵抗を続けているガチャ。
玄関前の地面に思いっきり取り押さえられる異様な光景。
ガチャのことを知っている私でも「これは合法なのか?」と心配になるくらい異常な状態。

縛り上げられて地面に寝転ぶガチャ。
人権とは何なのか、人間であろう人が人間ではない扱いをされている姿はガチャであっても違和感を感じる。

でも、こんなに騒いでも誰も出てこないご近所さんたち。
平日なので留守なのが多いので仕方ないが、何が起きているのか、もうすべて分かっているのもある。
子供が学校でいなかったのは救いだ。
こんなのは子供には見せてはいけない。
大人でも一歩間違うとトラウマになる。

■乗車

4人で何とか抑えながら持ち上げて車に乗せる。
その間もずっと暴れ続けるガチャ。
車に乗り込んでも業者さんを蹴り飛ばして吹っ飛ぶ業者さん。

ずっと名前などを聞いても何も答えようとしないガチャ。
色んな事が認識できていない、病識もあるかどうか怪しい。

もしも住人だけで対話をしに行っていたら、どうなっていたのか考えると恐ろしい。
きっとこの姿がガチャの本来の姿だったのかもしれない。

そして、車の中から怒鳴り声が聞こえるまま、うるさく走り去って行った。

■ガチャパパに連絡

家を出たら一報を欲しいと言っていたので連絡をする。

ガチャパパ「相当暴れたたようで…」

知ってんのかい!

もしかしたら想定よりも暴れたから追加料金とか、危険手当とか請求されたのかな?
それでも「縛られて運ばれました」とは言えないかった。
どんなことがあっても我が子。
私も子供のいる身。
こんな息子の姿は、確かに見ない方がよかった。

いつもあっけらかんとしていたガチャパパも少し元気がなかった。

■病院で

夕方になって、ガチャパパから連絡が入った。

「さっき無事に入院しました」

6時間くらいかかっている…
そんなにかかるんだ。

病院でも暴れなかったのか心配していたが、病院では鎮痛剤を打たれたのか、あきらめたのか、そんなに騒いではいなかったらしい。
これで当分は静かになるだろう。

今回はここまで
やっぱり次はこれしかないよね。
次回「退院」
お楽しみに。

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