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古典臨書のさんぽ道〜書道を教えたい人編〜

書の道は人それぞれ。
人それぞれにおすすめの古典臨書作品をご紹介するシリーズです。

4回目は「書道を教えられるようになりたい人」に向けて。

生徒さん一人いれば、教えてみよう

「いつか書道を教えられるようになりたい!」 と、思っている方。ぜひ、その思いを実現してください😊 書道が好きな人、人が大好きな人にとって、書道を教えることはとっても楽しいことです!  

「自分に教えられるのだろうか?」
きっと、そんな思いを抱えていると思います。私もそうでした。

大丈夫です。時間をかけて学んでいきましょう!
自分で学び、生徒さんとともに学んでいけばいいのです✨

「本当に上手くなってから教えよう」
そんな風に思っていたら、いつまで経っても教えられません!だって、書の世界は山よりも高く、海よりも深いのです。

「教えたい!」と思った時が始める時です。誰か一人でも、あなたから書道を習いたいという人が見つかれば、あなたの小さな教室を始めてみてください✨

五体と“かな”が書ける

とは言え、全く何も書けないのでは教えることはできませんね。最低限の知識、経験として「漢字五体と“かな”が書ける」を目安にすると良いと思います。
(ここではあくまでも、「書道」の話をしています。「習字」「書写」の先生になりたい場合は全く道が違うと思うので、こちらもご覧くださいね😊)

こちらは、書塾花紅で使っている「古典臨書リスト」です。まず、書いてみてほしい古典作品をまとめています。

古典臨書おすすめリスト

楷書、行書、草書、隷書、篆書、そして、“かな”。それぞれの書体の中で特に書いてほしいものに●をつけています。

書塾では、それぞれの古典を臨書したら右側の空欄にスタンプを押してスタンプラリーのように使っています。「部分」は「部分的に臨書した」の意味です。半紙5枚程度を丁寧に臨書すればOK、という感じです。「全臨」は「作品全部臨書した」ということです。

「五体と“かな”が書ける」と言えるようになるために、まずは全ての作品を部分的に臨書し、2つか3つの作品は全臨することをおすすめします😊これだけ書けば、書道の世界の全体感を掴むことができると思います。

全臨の経験が自信になる

作品の文字、全てを臨書することを「全臨」と言います。蘭亭序であれば、324文字、全てを書くということです。

慣れるまでは324文字と聞くと「ええ〜〜!」と思うかもしれません。でも、書道を教える人にはぜひ、是非是非!全臨の経験をしてほしいのです✨

全臨の達成感は格別です。「書き切った!」という爽快感、筆者(蘭亭であれば王羲之)と繋がれたという時空を超えた不思議な感覚は、自分の生命そのものを見直すことになります。

書道の本質は、臨書することで得られるこの「宇宙との一体感」にあると、私は信じています。「字がきれいになる」というのは付属的な効果に過ぎない。この経験をすると、自分が宇宙に生かされている気持ちになります✨そして、自信がついてくるのです✨

全臨するおすすめ作品としては、何と言ってもまず、「蘭亭序」。それから「風信帖」。このリストにはありませんが、「真草千字文」など「千字文」も一度はぜひ書き切ってほしい作品です。

結局は、信頼関係

生徒さんが一人いたら、ぜひ書道を教えてみてください。わからない、書けないときは素直に「わかりません、練習しておきます」と言えばいい。そしてたくさん練習すればいいのです。そんな風にしているうちに、誰よりもあなたが急速に上達していきます😊

生徒さんが残ってくれるか、増えていくのかは、結局は信頼関係だと思います。

書道の師範資格はたくさんたくさんありますが、なければならないという必須の資格は何もありません。私は2年間で取得できるという民間の資格を取りましたが、2年経っても全く「教えられる」という自信は得られませんでした😅 その後に、自分でたくさん臨書をして、デザインを専門とする先生に師事をして、自信がついたのはそれからずっと後のことです。

書塾を始めたときも、当初は「子ども向け」と書いて、地域の無料新聞広告に載せてもらいました。「子ども向け」と書いたのに、なぜか集まってくれた大人の生徒さんも3名くらいいて(今でも続けてくださっています🙏)、合計6名くらいでスタートして、今では80名を超える大所帯になっています。

私は決して書道はうまくありません。上手な方は他にたっくさんいます。ただ、皆さん、書塾花紅という場所をとても気に入って通い続けてくれています😊 そこにあるのは、ただ、信頼関係だけだと感じています✨

教えたい!と思ったら、ぜひ始めてください。書の道は人それぞれ。書道教室のあり方も、それぞれです(そういう時代を作っていきましょう!)

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