見出し画像

【南仏プロヴァンス暮らし】Arles / アルル

修士課程の1年目に在籍していた2019年、インターン(stage、スタージュ)のため初夏の2か月間をアルルという町で過ごしました。

↓ 前回記事でもちょこっと触れました。

アルフォンス・ドーデの短編『アルルの女(L'Arlésienne)』、その戯曲のために作られたジョルジュ・ビゼーによる音楽、あるいはゴッホの描いた町としても有名かと思います。

今日は、写真とともにそのアルルを振り返ってみます。

円形闘技場

まずは、町のシンボル古代ローマの円形闘技場(Arènes)。闘技場をはじめ、「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」はユネスコの世界遺産に登録されています。

アルルの歴史は古く、ギリシャ人によるマルセイユ建設(紀元前600年頃、マルセイユが「フランス最古の都市」と言われる所以)に続き、ローヌ川沿いに築かれた拠点が始まりとのこと(紀元前500年頃)。その約400年後にローマ人がプロヴァンスに入り、ユリウス・カエサル(Jules César、フランス語読みジュール・セザール)がポンペイウスを支援したマルセイユに敵対した際、アルルはカエサルを支持しローマ帝国の支配下となる。これが紀元前49年とされ、円形闘技場の建築はその約150年後。

修復されているとは言え紀元後1世紀の建築物が遺っているということ、青空の下のその姿に圧倒される。

街並みとヴァン・ゴッホ

町は小ぢんまりして人口は5万ほど。小路が多くプロヴァンスの優しい色合い、可愛くでも落ち着いた雰囲気が漂う。

左の黄色いお家は素敵なビストロ。

市庁舎とレピュブリック広場。


そして、ゴッホの絵「夜のカフェテラス(1888年)」のモデルとなったカフェ。左の黄色い建物です、分かりづらい写真しかなかった。

かろうじて店頭。観光客で賑わっている時間帯もありました。

サン=トロフィム教会

市庁舎前のサン=トロフィム教会(La cathédrale Saint-Trophime)。こちらも、アルルの世界遺産を構成する建造物の一つです。

町には何軒か教会がありましたが、閉まっている所が多く、入れたのはここだけでした。

人が少なくて静かなのですが、自然と寛げるような、訪れる者に優しい空間でした。

おまけ

最後に、インターン先の企業への道中。毎日ここを自転車で駆け抜けて通いました。南仏特有の強風ミストラルに吹かれながら、相当遅れて来た青春を感じ(てみ)た瞬間もあったし、悪天候で文字通り「雨ニモマケズ」の日、「道程」が浮かんでこの道を走る自分の後ろにできる道について考えた時間もあった。


早足になりましたが、3年と少し前のアルル。

観光で訪れたわけではないから、大変な思い出とも共にある町ですが、今の自分を確かに形成しているかけがえのない日々です。

この記事が参加している募集

世界史がすき