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組織作りは「適材適所」から「適時適役」にシフトする。

ランサーズの根岸です。

コロナによって「オンライン前提時代」に一気に突入しましたね。前提が変わるので、様々なことを変えざるを得ない状況です。組織内の運営だけでなく、組織の作り方そのものもアップデートできると、ウィズコロナを乗り切る糸口が見えるかも? 誰かの役に立ったり、ヒントになったらいいなと思って、書いてみました。

これまでの企業成長モデルの崩壊

企業は、事業と組織の掛け算によって成長します。事業戦略だけ優れていても組織が機能しなければ成長しないし、その逆もまたしかり。事業と組織の両輪がうまくかみ合ってこそ、企業は飛躍していくのです。

では、優れた事業戦略と優れた組織作りをうまく融合させるポイントは何か。適材適所。究極、これにつきるのではないでしょうか。

誰をどの部署に配置するか。誰と誰を組み合わせるか。”組織の中”で最適化を図ります。もしも適材がいなければ新規採用を考える。採用活動をして、新たに仲間を雇用する。そうやって、事業を伸ばしていきました。

ところが、そのやり方は、もう通用しづらくなってきました。

プロダクトライフサイクルの劇的なスピードアップ

コメント 2020-04-26 110944


従来は「成熟期」が長かった。特にインターネットが登場する前は、一度軌道に乗れば、当面の未来予測がしやすくなった。

ところがインターネット時代。テクノロジーは日々進化を続けており、社会の環境も当然日進月歩。仮に今この瞬間は事業が絶好調でも、3年はもちろん1年持つかも分かりません。下手をすると、数ヶ月で無意味な計画になってしまいます。コロナのようなことが重なると、昨日決めた計画でさえ変更を余儀なくされるでしょう。

じっくり時間をかけて考えて、じっくり時間をかけて計画を練りに練って、じっくり時間をかけて準備して、さぁついに! では、誰もそんなことを待ってくれません。石橋を叩いている間に、石橋が消えてなくなっている。

事業戦略の在り方をアップデートし、常に「導入期」に該当する何かを市場にアウトプットすることが求められています。「成長期」に入るコトやモノを生み出さないと、早々にサヨウナラかも。そして、新しいことは1勝9敗だから、チャレンジし続けないといけません。

「長期独占拘束型」での人材探しの限界

「社内でいつもどおりブレストしてても、どうもアイデアが出てこなくて…」というフレーズは、誰でも一度は聞いたことがないでしょうか?

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それもそのはず。同じメンバーで短期間のうちにそんなに出てくるわけがありません。新しいチャレンジを数多く実行し続けるには、常に、新しい仲間が不可欠です。新しい”血”を注入することで刺激が生まれるからです。

にも関わらず、人材探しのやり方は古典的。細かい理由や個別事情はいろいろありますが、抽象化したときの共通項は、「フルタイム×出勤×専業を前提とした思考」です。

・9~18時まで必ず働く(日中9時間稼働できる人のみ対象)
・会社のある場所に出勤する(通える範囲の人のみ対象)
・専属で働く(他のやりたいことを諦めてくれる人のみ対象)


もちろん、フルタイム×出勤×専業を否定するわけではありません。いずれゼロになるかもしれませんが、そういう働き方も選択肢としてあり続けたっていい。ただ、「フルタイム×出勤×専業を前提とした思考」によって、企業は自ら、自社の選択肢と可能性を狭めているのは間違いありません。

●プロダクトライフサイクルの劇的なスピードアップ
●フルタイム×出勤×専業という前提思考

この背景を踏まえて、その結果起きていること。
①急いで事業をアップデートしないといけない
②そのためには新しいことができる人を増やさないといけない
③でも、採用難だからすぐに見つからない
④見つかった頃には、当初の事業計画は無価値かもしれない
⑤当初計画前提で見つかった適材は、不適材かもしれない

企業の成長には「適材適所」が重要なのですが、皮肉なことに「不適材不適所」のために一生懸命頑張っていることになりかねません。時代にフィットした考え方にアップデートしないと、個人も企業も、不幸のはじまりはじまり~となってしまいます。

これからは「適時適役」へ

これまでは、基本的に雇用によって組織を最適化を考え、その範囲で「適材適所」を目指してきました。しかし、それでは、”社会の変化スピード”と”採用難”という時代にフィットしなくなるのは前述のとおりです。

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これからは、固定的な雇用ありきの適材適所をやめる。変化の激しい時代の中で、都度「したに、した割を担う人」を集める考え方へシフトする。雇用を前提としないことで、実現可能性がぐっと上がります。

”プロダクトライフサイクルのスピードアップ” という時代の変化にあわせて、必要なときに必要なプロジェクトをつくる。必要の中身が変わったら変化させる。場合によりその瞬間は解散もあり。でもまた必要なら集合もあり。しかも、仲間集めの制限が少ない(フルタイム×出勤×専業ではない)から、仲間集めの選択肢が広がるため、スピーディーに組成できる。

「適時適役」による組織づくりは、時代にフィットしているのです。

適材適所と適時適役の一番の違いは、雇用関係です。
・時代の変化 → 高速流動的
・雇用関係 → 固定的
このミスマッチを解消できる考え方です。

「適時適役」のもうひとつのメリット

コメント 2020-04-26 122258

▼適材適所型(旧来型)
費用/約3.5億円、固定比率/77%、人員数/50名 
▼適時適役の組織(最適化ver.)
費用/約2.1億円、固定比率/33%、人員数/50名 
▼適時適役の組織(最大化ver.)
費用/約3.5億円、固定比率/20%、人員数/88名 

※数字は一定の基準によるモデルです。

直接雇用は固定費です。業績や事業の状態とは関係なく、費用であり続けます。だからNGということではもちろんないのですが、少なくとも流動性はありません。プロダクトライフサイクルがスピードアップし続ける時代において「流動性」は、重要度も緊急度も上がっているので、無視できない観点です。

「適時適役」は雇用関係を問わないので、流動性があります。さらに、福利厚生費などの派生固定費も緩和しますし、働く場所も問わないので、増員してもオフィスを増床する必要もありません。問答無用の固定費を最小限に抑えるができます。

流動性のある「適時適役」は、あるときは効率化、あるときは最大化、と状況に応じて柔軟に企業運営することができます。この考え方での新しい組織運営手法をスマート経営とし、導入支援サービスを開始しました。
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インターネット時代はただでさえ先が読みづらい時代。そこにコロナが登場し、予測の難易度はさらに高まりました。しかも、実行をオンライン前提で行なう必要までついてきていますが、それでも、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえて、チャレンジはし続けないといけません。

とはいえ、固定的になる投資がしづらいはもの。流動性のある状態づくりとして「適時適役」は好都合です。よかったら考えてみてください。気になるのでもっと話したいと思っていただけたら、ぜひご連絡ください。

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