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“明日から実践できる” 実践すれば月間売上を2倍にできる「売れる営業の仕組み」が分かるnote

初めまして、キーエンス出身で、現在は海外スタートアップで取締役をしているねぎと申します。

キーエンス退職〜現職の間に、1日だけ営業コンサルに入ったオフィス用品販売会社(以下A社)の月間売上が翌月2倍以上に伸び、コロナ環境下の現在も継続して伸び続けています。

このnoteは、A社に対して1日でレクチャーした「売れる営業の仕組み」を、読者の皆様が明日から実践できるようにまとめたものです。
1日でレクチャーしきれるくらいですから内容は非常に基本的です。
無料のnoteなので安心して最後までご覧下さい。

お時間がない方は「🔸まとめ」から先に読み、興味のある部分を詳細に読んでください。

🔸前提(一般論と自論の確認)

○法人営業の「共通のプロセス」の確認

法人(toB)営業は一般的に以下のプロセスに分けて考えることができます。
toCの営業でも似たプロセスになるはずです。
「アプローチ」→「認知」→「興味」→「案件」→「商談」→「受注」 

営業のプロセス

例えば、現状の各プロセスの成果を1とすれば、1×1×1×1×1×1=1。
各プロセスの成果が1.3まで改善したら、1.3×1.3×1.3×1.3×1.3×1.3≒4.8。
全体の成果は約4.8倍になります。

○公式の確認 「営業の成果」=「量」×「質」?

これは最も頻繁に聞く公式なのではないでしょうか。
私は、この公式だけだとまだ不十分というか、公式の意味を誰もが理解しきることはできず、更に以下の写真のように解釈できると考えています。

営業の公式

例えば「御社の人件費を1人分削減できる新商品が出ました」という情報を顧客企業に認知してもらうために、100人に電話でアプローチした場合(アプローチの量=100人)を考えると、
・100人×低い質(認知獲得率60%とする)=60人の認知獲得
・100人×高い質(認知獲得率90%とする)=90人の認知獲得
のようにアプローチの質が変数になって、「認知の量」が決まります。
同様にして「興味の量」が決まり、「案件の量」「商談の量」「受注の量」そして、「成果の量(成果額)」が決まります。

今回は「営業のアプローチの成果」( =「アプローチの量」×「アプローチの質」)を2倍以上にすることで、全体の成果2倍達成を実現しました。
ですのでこのnoteは「アプローチ」にフォーカスして書いていきます。
「アプローチ」以外の部分については別の機会にnoteに書こうと思います。

先の例で沿って言えば、「アプローチ」の成果を2にして2×1×1×1×1×1=2。
これにより全体の成果を2倍にしたということです。
これを繰り返して出来る限り最初の「アプローチの量」を減らさずに多くの受注を獲得する考え方こそ、私もキーエンスで実践していた【プロセス営業】という手法になります。

🔸売上を2倍にできる営業組織の3つのルール

①顧客との接触面積を最大化する

(※ 私は「アプローチの量」に「顧客との接触面積」という名前を付けています)

○社内日と社外日は分ける

当たり前のことかもしれませんが、私がコンサルしたA社はこれができていませんでした。念の為確認します。
以下がA社の1週間のスケジュールでした。(説明しやすいようにかなりざっくりにしています)

社内外混同

上記から、スケジュールを組み直して社内日と社外日を分けると以下のようになります。

社内外別

移動時間を削減できることが分かります。
社内日と社外日は可能であれば分けましょう。更に可能であれば、移動時間が最短になるようにアポを組みましょう。
ではいよいよ次からが本題です。

○お客様が働いている時間 = 電話の時間

ここが肝です。顧客との接触面積を最大化する方法をお伝えします。
「担当している企業のお客様の多くが働いている時間(一般的には9:00~17:00)は電話をかけ続けてください。」
シンプルですが、これを実施すれば、最大の人数に電話(接触)することが出来ます。

以下は先ほど社内日と社外日を分けた後のA社の1週間のスケジュールです。
電話営業を7時間、アポの準備を7時間、会議を7時間、雑務を2時間、行なっていることがわかります。

電話改善前

9:00~17:00に電話をかけ続けると、以下のようになります。

電話改善後

電話営業の時間が3倍になったことが分かります。
(A社の場合は電話営業1時間につきアポの準備に1時間の仕事が発生するため、アポの準備に必要な時間が21時間に増加します。)

しかしこれでは、アポの準備、会議、雑務がこなせないことが分かります。
今までの働き方では、もう月~金の17:00~18:00の5時間しか仕事ができる時間がありません。アポの準備を21時間、会議を7時間、雑務を2時間、これらをどのようにこなしていけば良いのでしょうか?

サービスをご提供するお客様を厳選する

以下が答えです。
仕事の全体時間を増やし、アポの準備のみに取り掛かってください。
(会議と雑務は朝早く来るか、お昼休みにやるか、夜残るか、土日に行いましょう。)

アポ準備追加

これでアポの準備に15時間取り組むことが出来ます。アポの準備とは、お客様専用のカスタマイズやお見積もり、最適な提案の準備など、お客様を訪問するにあたって行う準備のことです。企業によって必要な時間が異なります。

しかし、A社はアポの準備に21時間かける必要があります。6時間不足していますがどうすれば良いのでしょうか?

答えは、日本人の感覚に反するかもしれませんが、
「その6時間分のお客様へのサービスを切ってください」
優先度順にアポの準備を進めてください。そして終わらなかった仕事は切ってください。これを行うことで、重要度が高い仕事だけに絞ることができ、結果的に成果が向上します。
日本人はこの「切る」という判断が特段苦手だと私は感じますが、企業は利益をあげるために存在します。特に法人営業の場合はBtoB(企業と企業)の取引になるので、利益にならない仕事はしなくて良いのです。

ただし、私はキーエンスで7:30出社21:30退社で働いていましたが、これを毎日やるとかなり疲弊します。
管理者を1人以上設け、長くても8:00出社21:00退社くらいに収めて、8:00前の出社や21:00以降の残業は禁止など、従業員が働きすぎないようにマネジメントする人間を用意することを強くオススメします。

②接触する相手を選ぶ

①が本当に重要なのでかなり長文になったため、②③は極力簡潔に書きます。不明な点があればTwitterのDM等で気兼ねなく尋ねてください。
①では接触面積を広げる方法、つまり「アプローチの量」を増やす方法をお話しました。次は接触する相手の質、つまり「アプローチの質」を高める方法をお伝えします。

○認知獲得率を高める

営業のプロセス

「アプローチ」の次は「認知」なので、「アプローチの質が高い」とは「認知獲得率が高い」ことを意味します。
認知とは、「○○(商品名)といえばA社!」という状態を作ることです。

認知の状態は
A. 「既に知っている」 (例: デモの依頼が来ている)
B. 「知ろうとしている」(例: WEB資料のDL履歴がある)
C. 「他社類似製品を知っている」(例: 競合製品のことは認知している)
D. 「なんとなくイメージできる」(例: 自社の他事業部から商品購入履歴がある)
E. 「その他」(例: 特に接点がない)
などに分類できます。

電話の数を増やすと、電話の質が下がることが多々あります。電話をかける先があまり多くない場合がほとんどだからです。
そこで質を下げずに踏ん張って、A→B→C→D→Eの順番で電話をかけていき、出来ればEには電話しないような状態を作ることができれば、「アプローチの質」が向上します。
日頃からA,B,C,Dを増やせるようなアクションに会社全体で取り組み、豊富な電話のかけ先リストを用意してください。

③目標数値(KPI)を設定する

○目標数値を重み付けしていく

多くの会社では毎月、「電話○件」「訪問○件」「受注○件」「売上○円」など目標数値を設定していると思います。
例えば、「電話100件」だけだと、もしかすると先のA,B,C,D,Eの話で言うEに100件電話をかけても100件になってしまいます。

「Aに30件, Bに20件, Cに20件, Dに10件, Eに10件」など、目標数値にグラデーションをつけるイメージで重み付けをしてください。
これをやっていない会社は、これをするだけで成果が飛躍的に向上します。

○先行指標の達成度を評価に組み込む

目標数値は、実は「先行指標」「遅行指標」という2種類に分けることができます。
先行指標とは、個人の努力のみによってどうにでも増減させられる数字のことで、
遅行指標は、個人の努力のみでは増減させられない数字のことを言います。
例えば電話○件は先行指標で、売上○円は遅行指標です。
先行指標を追わせないと営業のモチベーションが下がることが分かっています。(下部にオススメ本)

A社は、これらのうち「遅行指標」のみを追っていました。
しかし、「先行指標」も追うように評価制度の改革を行いました。

例えば、X,Yの2人の営業が先の重み付けされた電話の目標数値100件を追い、
営業X: 電話100件で、売上100万円
営業Y: 電話50件で、売上200万円

という結果を残したとします。

多くの会社では営業Yが営業Xよりも良い評価を受けます(たくさん売り上げているため)。
しかし、営業Xも評価されるように評価制度を改革します。

最初は先行指標の達成率 : 売上(or利益)目標の達成率 = 1:1 ...(※)
で評価することが始めやすいです。

今回の例なら、営業Xは電話目標達成度100%(pt)、営業Yは電話目標達成度50%(pt)。(ptはポイント)
売上目標が400万円だった場合、営業Xは売上目標達成度25%(pt)、営業Yは売上目標達成度50%(pt)。
つまり両者の評価は以下のようになります。以下(1/2)は(※)より。
営業X: 100pt×(1/2) + 25pt×(1/2) = 62.5pt
営業Y: 25pt×(1/2) + 50pt×(1/2) = 37.5pt


このように遅行指標のみではなく、先行指標も追うことで、営業のモチベーションを保つことができます。
より詳しくは、本当は教えたくない本ですが、以下の本に書いてあります。

🔸まとめ

簡潔にA社が実践したことをまとめます。このnoteのまとめになります。

⑴まず、以下の状態から

社内外混同

以下の状態にスケジュールを改善しました。

アポ準備追加

これ以外の業務には、朝早く来るか、土曜日に取り組みました。

⑵電話のかけ先には、重み付けをしました。

上記のかけ先に電話を掛け続けられるように、営業全体のモチベーションを維持する必要がありました。

⑶そのために、評価制度を一新。評価制度には先行指標を組み込みました。

⑴~⑶を実践した結果、翌月売上が2倍になり、今も売上が伸び続けています。


🔸さいごに

○管理職ではない営業の方へ

このnoteは基本的に管理職をイメージして書いていました。
しかし、営業個人が上記施策を個人で取り入れて実行し、売上が伸びれば、必ず「私はこんな施策に個人で取り組んだため、売上を伸ばすことができました」と施策をチームに共有する機会を得られます。

個人の施策が部署の施策になり、会社の施策になります。
是非実践してみてください。

○このnoteに書いてある内容は既に完璧にできていると感じた方へ

それは嘘です!
このnoteでお話した内容を実践しようとすると、「あと1本電話を多くかけることはできないか?」「認知のC(他社類似製品を知っている)リストをあと1人でも増やす方法はないか?」など、常に改善出来ることが残り続けます。
法人営業は天井の無いお仕事です。

逆に、「こんなの絶対にできない」と感じた方の感覚が正しいです。
このnoteに書かれていることを100%完璧にこなせる人間はいないので、20%→50%→70%→90%と、少しずつ現在の仕事のやり方に織り交ぜていくイメージで実践して頂けたら嬉しいです。

○年齢の差よりも偉大な「仕組みの力」

私の年齢は20代後半です。A社で今回私に相談を下さった方は30代後半の優秀なベテラン営業部長です。決して小さい会社ではありません。

私と会う前のその方は同僚と毎日22時ごろまで会社に残っていました。売上が少しずつ下がっている恐怖感から頑張らないことに不安があり、それを拭うために会社に残って自分たちに対して「頑張ってるよ」というポーズを取るためだったそうです。しかし何の仕事をしたら良いか分からず、ぼーっとしていることが多かったそうです。

私がこのnoteに書いた話をレクチャーした翌日、その方は稟議書を会社に提出し、翌月から新しい仕組みで会社全体で営業に取り組みました。
結果、売上を2倍にし、今では仕事中1分もぼーっとする暇がないと仰っています。

どんなにベテランで優秀な営業がいたとしても、その人が持っているのは「個」の力です。その人が辞めてしまうと会社には何も残りません。

しかし、「仕組み」の力は偉大です。とりわけ優秀でない若者だったとしても、優秀なベテラン営業と同じ成果を出すことができます。再現性があるのです。

「仕組み」はゴリゴリの営業をするだけでは手に入りません。本を読んで得た「知識」、優れた仕組みを持つ企業で実際に働いて得た「経験」、それらを使いこなす「スキル」を持つ人しか、手に入れることができないものです。

私は残念ながら営業の分野において「個」の力にはとりわけ優れていません。
しかし、このnoteでご紹介した「仕組み」には絶対の自信があります。
実践するのは簡単ではないですが、実践すれば必ず売上に良い効果をもたらすことをお約束します。


ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。

次回のnoteが完成した際は、こちらのTwitterで発信します。
もしこのnoteを実践して売上が改善されることがあれば、是非DMにてお教えください。大変励みになります!



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