ゲームを作るときの「仕様書」についてゲーム会社人事が説明してみる話
インターン生の方向けに、ゲームの企画とは…仕様とは…
と説明をしているゲーム会社で研修もする人、ねじおです。
ゲームを作るときはまず企画を考えるのですが、
企画とアイデアだけでは全然ゲームとして作っていけなくて、
より細かく色々なことを決めていきます。
それが「仕様」と呼ばれるものです。
ゲーム会社にプランナーとして入ると、主にこれを考えたり形にしたり煮詰めたり燃えたり一周回ったりしていくのがお仕事になります。
その辺の話を、ゲーム業界を目指す方や、
ゲーム作りの内情に興味がある方向けに書いてみます。
※タイトル画像は㈱オーツーさんのブログから拝借しました。
▲ゲームの仕様書にご興味があれば是非ご覧ください♪
●仕様とは
IT業界やシステム設計の世界で良く出てきます。
ゲーム開発もシステム開発もチームで行うので、
色々な役割の人が共通認識で同じものを目指して作る必要があります。
その意思を正確に伝達するための「そうとしか受け取れない説明」とでも言うべき文章や数値が仕様です。
料理で例えて説明をすると、
「喫茶店で手軽に作れてお腹を満たせておいしいスパゲッティ」
→これが企画とかコンセプト
「ナポリタンスパゲッティ」
→これがタイトル
「材料:スパゲティ160g お湯 1000ml 塩 小さじ2 ウインナー4本
玉ねぎ1/4個 ピーマン2個 すりおろしニンニク小さじ1
ケチャップ大さじ4 サラダ油小さじ2
機材:包丁、まな板、鍋、皿×2、ガスコンロ、フライパン
準備:ピーマンはヘタを切り落としておきます。
1.玉ねぎは薄切りにします。
ピーマンは種を取り除き、5mm幅の輪切りにします。
ウインナーは斜め薄切りにします。
2.鍋にお湯を沸かし、塩とスパゲティを入れ、
パッケージの表記通りにゆで、お湯を切ります。
3.フライパンにサラダ油をひいて中火で熱し、
1の玉ねぎとウインナーを炒めます。
玉ねぎがしんなりしたら1のピーマンを加えてさっと炒めます。
4.にんにく・ケチャップ・塩を加えて中火で全体に味がなじむまで
中火のまま炒め、2を加えて全体を絡めたら火から下ろします。
5.器に盛り付けて完成。お客さんに熱いうちに提供します。」
→これが仕様です。
いかに仕様のウェイトが高いかが分かっていただけたでしょうか。
ゲームやシステムになると色々なものをプログラムで動かす必要が有るので、
「ウィンナーは●●製の◆◆ウインナーを用意
くの字方向に縦に置き、x軸120度の角度で包丁を構え垂直に下ろしてカット
3mm間隔を取り再度カット、これを繰り返す
3mm間隔でカット出来なくなった段階でカットを終了
次のウィンナーに進む
4本目のウィンナーのカットが終了すると次の工程に進む」
くらいまで指定してあげないと動けません。
誰が見ても分かる設計書であり、手順書であり、説明書。みたいな感じ?
あんまりコンシューマゲームの仕様書ってネットでも出て無いので、
ゲーム系の学校に行っている学生さんもイメージがついていないことが多くて、研修やインターンの最初に説明をしたりしています。
なので、noteでもある程度を書いてみます。
※以下に出てくる仕様はあくまで研修用の資料です。
会社によって違いますが、実際には数値を入れたり画像を入れるデータシートが別であったり、Wiki形式で書いて保存したりするのが一般的です。
●仕様書サンプル
今年はインターンを一部オンラインで行う必要が有り、
社内にある仕様書やExcelを見せて説明する事が出来なかったことから、
説明用の資料を作りました。
noteに載せていいかな?というところだけ画像で貼っておきます。
※業界の方が見たら分かると思いますが、
エネミーを作る際の一番最初の仕様概要的なものです。ここからより細かく、PGさん、DSさんと打ち合わせをして、移動値はモデルに依存するのかとか、当たり判定はデザイン優先でいいのかとか具体的な数値やフローをExcelだったり、エンジン上で作ったりします。
①どこかで見た中ボスの仕様
②コンセプト
③外観
④登場方法
⑤アクション
⑥アクション
⑦アクション
⑧説明
他にもう少し具体的なページが有るのですが、諸事情から割愛します。
あと、ねじおは任●堂の人では無いので、
仕様書内の数値は何となくゲームを見て書いた概算です。
この某ゲームをプレイした方ならお気づきかと思いますが、
大事な仕様「倒し方・倒され方」が抜けています。
それを学生さん・インターン生の方に考えて貰う、
というような研修にしました。
●さいごに
新卒採用ではプランナー志望の方に企画書を提出いただくことが多いですが、実務ではさらにそれを細かくゲーム上で実現可能な形にした仕様書の製作が中心になるんだよーという事を説明するためこんなものを作りました。
最後は数値とにらめっこしたりするのですが、
ユーザーさんにどんな感情を与えたいのか、が一番大事な項目であることを忘れないで欲しいなと思います。
社内のプランナーと一緒にゲームしながら作ってみた資料ですが、
結局、ゲーム会社によってこの仕様書の形式やプランナー間の役割分担が違うので、出来るだけ一般的にかつマイルドにしたつもりです。
あくまでつもり。
こんな感じで、好きなゲームの敵キャラや、マップ、画面構成なんかを要素でバラシてみると、とても勉強になったりしますので、プランナー志望の方にはオススメです。
今回の例なんかだと、たぶんこいつを作った人は、
こんなことをユーザーに体験させたい!と考えて作ったんじゃないかな~という事を思いながら資料にしてみました。
結構ね、ゲームの中身って、色々考えてるんすよ。
頑張って企画の人が皆さんに楽しんでほしいと思っていっぱいボツ食らって悩んで修正してPGさんやDSさんに無理言って、そのゲームに出てくるものになってるんす。
ちょっとだけそんなことを知ってもらえたらな~という形で締めておきます。
1人でも多くの方がゲーム業界の門を叩いてくれたらうれしい限りです!
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過去記事はそれぞれマガジンでまとめています、宜しければご覧ください♪
人事的な記事⇒https://note.com/negikojyo/m/mb13243fd1754
中途採用の記事⇒https://note.com/negikojyo/m/m065b4610a93e
新卒採用の記事⇒https://note.com/negikojyo/m/m2326398a03cd
note/Twitterの記事⇒https://note.com/negikojyo/m/mdbb149c98460
その他雑記⇒https://note.com/negikojyo/m/m438046a9fda7
ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。