見出し画像

人事担当が考えるゲーム会社に未経験から入るには?/プランナー編

どうも、ゲーム会社で人事やってるねじおです。

9月以降も週の半分くらい在宅勤務継続です、
そろそろ落ち着かないですかね…コロナ。

さて、noteを始めて、2日目に書いた記事、

▲人事担当が考えるゲーム会社に未経験から入るには?

デザイナー以外を放置していたので、それを書いておこうと思います。

「未経験からゲーム会社って入れるんですか?」という質問はよく聞かれる質問なので、職種に分けてお答えしていこうと思います。
※自分も未経験から20代後半のタイミングでこの業界に入ってこれたので結論出来ます。ただ、それには覚悟と注意してほしい点があるので、それを書いておきます。

とか書いておきながら、2ヶ月放置してました。
すいません。。。振り返りって大事。

※調子に乗って書き過ぎました。4000文字くらいあります。

●プランナーとは?

海外や、ゲーム会社によってはゲームデザイナーと呼びます。
コーディネーターと呼ぶ会社もあります。

▲コーディネーター キラ・ヤマト君

その名の通り、ゲーム内の企画やアイデアを考えて形にするお仕事。
ゲームの流れや遊び方、進め方はもちろん、画面の表示やカメラワークや演出の絵コンテ書いたり、なんやかんや色々します。

大まかに分けると、
ゲームを開発するプランナー/ゲームが出来てから運営するプランナー
に分かれます。

開発プランナーは、ゲームのルールやキャラクター、ステージなんかを考えて作ります。
プランナー職のイメージとして持たれるのはこちらでしょうか。

運営プランナーは、ゲームが完成してからそのゲームに追加する要素やイベントなどを企画して作っていきます。

入りやすさでいうと、運営プランナーの方が未経験から入りやすいです。
(簡単という訳ではありませんが、0→1の仕事よりは1→10の仕事の方が仕事を分割しやすかったり整理しやすいので)

なので、作るまでと、作ってからで結構仕事内容が異なります。
応募をする際は、どちら側のお仕事かは事前にチェックを。

●まったくの未経験でも入れる?

プランナー職はちゃんと準備をすればいけたりします。人手不足ですし。

ただし、まったく他業界や未経験からなった方は、よく辞めます(苦笑)

ゲームの専門学校出身の方や自分でゲームを作ったことのある方なら、仕事を始める前に嫌でも分かるのですが、
ゲームを作ることは大変です。
決めないといけないこといっぱいです。

かつ、「おもしろい」とか「かっこいい」という人によって指標の違うものを目指して作るので、色々なところがふわふわします。

▲剣と盾 どっちがいいかなんて不毛です。
(ねじおは盾買いました)

この辺が、入社後のギャップになります。
一般的な業務用システム開発や、工業製品を作る事と大きく違う点でしょうか。

一例ですがゲームのバトルシステムが決まらないまま、キャラクターやステージ作り始めたりすることもありました。
『いや、どう遊ぶねん』言いながら、作りますけど、こういうところは人によって非効率だと感じてストレスになるポイントだと思います。

おそらく面接でも確認されますが、事前にどんな仕事かはイメージをつけておくことが大切です。

●大半は応募時に作品・企画書が必須

何か出して、と言われるケースがまだまだ多いと思います。
これに関しては今週、別の記事で書いてあるのでそちら参照です。

▲過去記事

プランナーに近い仕事であっても、
デバックの仕事や、データ入力・スクリプターの仕事、カスタマーサポートのような仕事であれば、企画書が要らないケースも多々あります。

※プランナーの仕事の範囲や内容は会社や募集タイミングによって異なりますので、募集要項の仕事内容をよく見て頂ければと思います。

個人的には、デザイナーとプログラマーがしない仕事は、
全部プランナーの仕事?
とか思っています(笑)

例えば、カスタマーサポート(ゲームプレイヤーからの問い合わせ対応やHPへのお知らせ掲載など)の仕事だと、
「ゲーム運営スタッフ」という名前で募集していることもあれば、
「カスタマーサポート職」「運営プランナー」「プランナーアシスタント」みたいな職種名で求人が出ていることもあります。

プランナーと書いてあるから…と見ないでスルーすると、企画書要らずで未経験から挑戦できるチャンスを逃してしまったりします。

●いざ挑戦!大手企業にいきなり入れる?

デザイナーと一緒で、いきなり大手さんは難しいかも知れません。

大手企業は年間何百人という入社希望のプランナー志望者が新卒・中途合わせて応募してきます。ライバルも強いです。

まずは自分のスキルレベルや何が出来るのかを見直して、戦略的に臨むべきです。
(独学や他業界からの転職でも、すごい実績や近しい経験を持ってたら採用されたりするので可能性が無いわけではありません。)

●狙うべきはライバルが少ないところ

(デザイナー職の時とほぼ同内容なので、飛ばして貰っても大丈夫です)
この3点を覚悟して門を叩いていただけるのであればチャンスは広いです。

①会社としての規模やゲーム内容にこだわらない
ベンチャー企業やエロゲ会社も含めたら、面接になる可能性は高まります。決してベンチャー企業やエロゲ会社を下に見ているわけではありません。

あくまで受験するライバルが少ない会社の例として挙げています。

他にもできたばかりの会社や、ハローワークでしか募集をしていない会社とかもライバルが少ないです。
カジュアルゲームを中心に作っている会社さんなんかもねらい目かも知れません。

②人気の仕事にこだわらない
シナリオやキャラクター設定に関わるプランナーは応募者が多い=ライバルが多くなります。

何となく、簡単そうに見えるんでしょうか?
シナリオライターさんの仕事って…大変ですよ?

なので、他業界・他業種での経験を生かせるポジションを狙うと入りやすくなります。
これは会社や家庭用かスマホゲームかによっても多少違いはありますが、

・KPI分析など、数字に強い人
・ゲームエンジンを実際に触って動きやギミックを作れる人
・プログラム知識のある人
・絵心のある人・デザイン知識のある人

・渉外折衝とか工数管理してた人

この辺の知識やスキルをお持ちであれば、
他業界からでも挑戦しやすくなります。

Excel・Word、もしくはGoogleのスプレッドシートを多用するので、
VBA出来ます!とかマクロで自動化出来ます!とかは重宝されます。

是非、IT業界やWeb業界で組んでた方はPRしてください。
現場スタッフが喜びます(笑)

③雇用形態にもこだわらない
これは、契約社員・派遣社員とかアルバイトとかの求人も含めて検討するって意味です。今現在、正社員で働いている方には酷な提案かもしれませんが、正直効果は高いです。

アルバイトから社員に、という話は結構業界内でも聞きます。

有名プロデューサーさんや、敏腕デザイナーさんが実は業界キャリアの最初はアルバイトだった、という話も聞こえてきます。

最近は契約社員/派遣社員/アルバイトであっても同一労働同一賃金の法律改定により、正社員と同じように交通費も出ますし、会社によっては賞与もあったりするなど、待遇改善がされています。

実績もスキルも足りないのであれば、アルバイトや派遣社員から潜り込んで実務で経験を積んで、徐々にプランナーとしての守備範囲を広げていくとかがお勧めです。

●ねらい目のお仕事「データ入力」

データ入力と聞くと、事務員みたいなイメージを持たれるかもしれませんが、デバック作業とともに、新人プランナーさんとかがまず担当するお仕事でもあります。
正確にゲーム用のデータが作れる人って重宝されるんです。

アイテム、装備、キャラクター、敵などの各種パラメータ数値をExcelなどに作っていきます。

例えば、キャラクターデータの場合、

▲FEヒーローズ 仮面マルスちゃんの成長テーブル

レベルが上がるといくつ能力が上がるか、みたいなものを作ります。

具体的な数字や目安などは、メインプランナーさんが作ってくれたりしますが、実際にExcelやスプレッドシートのテーブルに当てはめてみて、他のキャラクターと大きく乖離していないかとか、実際にゲームに反映してみてテストプレイしてみたりします。

あとはスクリプト作成といって、
会話シーンなんかの進行に合わせて動きを設定するデータの作成もあります。

▲キャラの動きや表情をお芝居に合わせて設定する
(カプコンさんの逆転裁判より)

男:「●●についてどう思う?」
<画面右からカットイン 立ち絵③使用>

みたいな。
(ほんとはコマンドというHTMLタグみたいなので設定します。)

ソーシャルゲームの運用や、RPG・シュミレーションゲームの開発では作業量が多く、時間がかかるので、派遣社員さんやアルバイトスタッフを雇って対応することがあります。

デバックや雑用よりはゲームの中身に近く、業界への入口としてやるには個人的にはアリだと思います。

●まとめ:入るまえの覚悟はしっかり

デザイナー職では入ることを優先しようと書きましたが、
プランナー職の場合は、下積みの期間や雑用が多かったりするので、
何も考えずゲームが作れると思って入ると、痛い目を見たりします。

事前に、プランナーの仕事について調べるとか、
ゲーム業界の漫画もあるので、何となく見ておくといいかと思います。

▲やしろあずきさんの漫画「ゲーム飯」

▲サーバーコネクトツーさんの漫画

▲プラチナゲームズさんのインターン漫画

あえて、「NEWGAME!」ではなく体育会系のやつを薦めておきます(笑)
全部無料で読めます。

大変なポイントもあえて書きましたが、
企画が通ったり、イベントがうまくいくとすげえ嬉しかったりするお仕事です。最近は成果も詳細に見れるようになっているので、みんなめっちゃ遊んでくれてるーとかすぐ分かります。

デザイナーのところでも書きましたが、
業界的に転職は割と出来る業界なので、入ってしまえばこっちのもんだったりします。

本当にゲームが作りたい!と思ったら是非飛び込んできてください。

一人でも多くの方がゲーム業界の門を叩いてくださるとうれしいです。

ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。