人事担当が考えるゲーム会社に未経験から入るには?/サウンドデザイナー編
連休中、実家に帰省をしているので、
ローリングごろごろ真っただ中のゲーム業界の人、ねじおです。
早くスーパードンキーコング2追加されないかな~
(Swichで出来る無料タイトルに明日から追加されます。)
さて、今日はゲーム業界でもちょっと変わったお仕事、サウンド職についてです。
過去のゲーム業界に未経験から~のお話は以下参照。
▲過去記事
「未経験からゲーム会社って入れるんですか?」という質問はよく聞かれる質問なので、職種に分けてお答えしていこうと思います。
※自分も未経験から20代後半のタイミングでこの業界に入ってこれたので結論出来ます。ただ、それには覚悟と注意してほしい点があるので、それを書いておきます。
と、いうシリーズです。
ゲーム業界を目指す方や、転職をお考えの方の参考になれば幸いです。
●サウンドデザイナーとは?
ゲームの「音」を作るお仕事ですが、
大きく分けると、BGMを作る仕事と、SE(効果音)を作る仕事に分かれます。
会社によっては、
・ミュージックコンポーザー(BGM)
・サウンドデザイナー(SE)
と明確に職種名から分けている会社さんもあれば、
まとめて「サウンドデザイナー」とか「サウンドスタッフ」と呼んでいるケースもあります。
今回はまとめて「サウンドデザイナー」として説明します。
基本的に、BGM担当の方は作曲、SE担当の方は効果音制作を行います。
ゲーム制作の工程の中では後半に忙しくなる傾向です。(キャラクターの動きやお芝居が決まってから音を乗せるため)
CubaseなどのDAWソフトで打ち込んだり、レコーディングをしたり、時には外に出て素材音を収録しに行ったりもします。
ゲーム業界の場合は、作曲をするだけでなくて、
ミドルウェアを使って実際のゲームに反映させて調整をしたり、レベルを組んだり(どの距離からこの音を聞こえさせるのか、とか)、プログラマーさんとメモリを管理したりするテクニカルな作業も伴います。
なので、楽器が弾けたり、DAWソフトが使えたらOK!
という訳ではありません。
●まったくの未経験でも入れる?
そもそもですが、かなり採用人数が少ない職種です。
レア度はSR~SSRです。
▲これはSSR(ホイールメーカー)ロゴ
実はゲーム音楽を制作されている方の大半がフリーの作曲家さんや、外部のサウンド制作会社の方だったりするので、
ゲーム会社でサウンドデザイナーとして正規雇用で採用されている人数は少なく、大手ゲームメーカーや有名開発会社にしか採用ポジションが無かったりします。
ただ、ねじおは転職コンサルタント時代に、2人だけですが、業界未経験から内定が出るまでお手伝いしたことが有るので、決して無理では無いとお伝えしておきます。
※新卒採用の場合は、無論、業界未経験でOKです。
※中途採用の場合は、上記の通り募集する会社と人数が少ないので、定期的にゲーム会社の採用ページや人材サービス会社のHPをチェックすることをオススメします。
●大半は応募時に作品が必須
多職種と同様に応募時に作品提出が求められます。
業界経験のある方は実績や参加したサントラを提出したりします。
この作品制作が未経験から挑戦する場合は、とても重要です。
ゲーム会社で自社でスタッフを抱えてサウンド制作をしている会社さんは、
言い換えれば、こだわりを持って自社社員が音作りをしている会社という事になります。
音楽やSE、演出にその会社の個性や好みや特徴あるので、
出来るだけそれを踏まえた作品が有ることが好ましいです。
※迎合してほしいと言いたいわけではありません。
例えるなら、テクノポップのPerfumeに歌ってほしい曲を売り込むときに、ゴリゴリのデスメタルロックサウンドを売り込んでも、相手の興味を引けないでしょう。そういう話です。
▲Perfumeさん
(デスメタルは程遠いという例え)
●いざ挑戦!大手企業にいきなり入れる?
むしろ大手にしか募集が無いので、ゲーム業界の音に携わる仕事をするためには必然的に大手会社や有名会社に応募をしていくことになります。
ゲーム業界から攻めていく場合は、
ゲーム会社から依頼を受けてサウンドのみを制作する、サウンド制作会社を視野に入れるのも選択肢の一つです。
この場合はゲーム以外の音を制作することもあるので、事前にその会社の実績やメインクライアントがどんな所かを良くご覧ください。
「サウンド制作会社」とか「サウンド 外注」などのキーワードで調べると、検索で引っ掛かりやすいです。
もし就活がうまくいかなくて、それでもゲームサウンドに携わりたいとお考えの場合は、
テレビや映画、ラジオなどのサウンドを制作する会社もありますので、業界を広げて、サウンド制作の実績が詰める会社を目指したり、
レコーディングスタジオやライブハウスなどでミキサーやPAスタッフとしてキャリアを積んでいき、改めてタイミングを見て挑戦するという方法もあります。
サウンド制作に仕事としてしっかり関わっている方であれば、基礎知識や編集知識はお持ちだと判断してくれますので、改めて挑戦できます。
●まとめ:むやみやたらに受けると落ちます
会社の数が限られるので、しっかり準備をして臨むことをオススメします。
特に他職種よりも作品での判断になる度合が強い傾向があると見ます。
ゲームは専門職の集まりで作っていきますが、その中でもより専門性の高い仕事だからです。
余談ですが、ゲームサウンドの作曲家で最も有名であろう、
ドラクエのすぎやまこういち先生は元テレビ局のディレクターから作曲家に転身されています。テレビ局の給与より作曲収入が多くなったのでフリーになった伝説をお持ち。
もともとは他業界でお仕事をされていた方ですが、ゲームがお好きだったのでゲーム業界との縁が出来て、燦燦たる実績につながった方です。
サガシリーズでおなじみの伊藤 賢治さんは新卒でスクウェアに入社し、2001年からはフリーとして活動。就活で唯一面接に進んだのがスクウェアだったから入社したという逸話もお持ちです。
イトケンさんでも、バンバン書類で落とされたんです。たぶん。
(過去インタビュー記事からの抜粋です)
ゲーム機やスマホ端末のスペックが上がるにつれて、
今までハードの問題で制限されていた音の表現が出来る様になったり、
VR対応で360度からサラウンド音響で没入感をユーザーに味わってもらえたり、実写以上の演出が出来るのもゲーム音楽の特徴です。
本当にゲームの音楽や効果音、演出に携わりたい!と思ったら是非飛び込んできてください。
一人でも多くの方がゲーム業界の門を叩いてくださるとうれしいです。
ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。