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【201811】おもしろい本を紹介しよう【読書記録】

『先月何冊本を読み、どんな本が面白かったか』

先月から自分の読書記録を毎月書くことにしました。
10月の読書記録は、はてなブログに書きました。

今月からはnoteに書くことにしました。

もっと言えばブログは今後更新するつもりはありません。
これからはあらゆる記事を全部noteに書いていきます。

今回の目次は以下の通りです。

1. 11月はこれだけ読みました!
2. 特に面白かった本を3冊紹介します!
3. むすび~新しくはじめたこと

1. 11月はこれだけ読みました!

11月に読み終えた本の数は36冊
体調の問題で部屋に引きこもる時間が多かったことや、以前から読み続けていた本が多かったことをふまえても出来すぎな1か月でした。
読んだ本の一覧は下のリンク先をチェック。

2. 特に面白かった本を3冊紹介します!

・維新と戦った男 大鳥圭介(伊東潤)

われ、薩長の明治に恭順せず──。幕府歩兵奉行・大鳥圭介は異色の幕臣だった。全身にみなぎる反骨の気概、若き日に適塾で身に着けた合理的知性、そしてフランス式軍学の圧倒的知識。大政奉還後、右往左往する朋輩を横目に、江戸から五稜郭まで戦っていく。勝海舟や土方歳三に信頼された大鳥は、なぜ戦い続け、何を信じていたのか。武士の最後の戦を描ききる傑作長編。

主人公である大鳥圭介は、漢学・儒学の基礎があり、医師として漢方・西洋どちらの医学知識もあります。またオランダ語と英語が堪能であり、西洋兵学の専門家としてわざわざ幕府に雇われています。当時(幕末)の日本ではトップレベルの教養人かつエリート軍人だったと思います。

しかし「新政府に最後まで抵抗し続けた陸軍指揮官」という共通点のせいか、圧倒的知名度を誇る新選組副長・土方歳三の陰に隠れがちです。

この作品では大鳥も土方もそれぞれ異なる個性を持ちながら共に能力の高い軍人として、武士の時代の最後をそれぞれのやり方で戦いぬく魅力的な人物として描かれています。

「燃えよ剣」での大鳥・土方のイメージで止まっている方はぜひこの本を読んでほしいです。大鳥のイメージががらりと変わります。土方はどの作品でも変わらずかっこいいです。

ちなみに大河ドラマ「新撰組!」では吹越満が大鳥を、山本耕史が土方を演じています。二人をイメージしながら読んでみるとまた違った楽しみ方ができると思います。

【あわせて読むとすれば・・・?】
・燃えよ剣(司馬遼太郎)

・武士の碑(伊東潤)

・幕府軍艦「回天」始末(吉村昭)

・シベリア出兵(麻田雅文)

1917年11月に勃発したロシア革命。共産主義勢力拡大に対して翌年8月、反革命軍救出を名目に、日本は極東ロシアへ派兵、シベリア中部のバイカル湖畔まで占領する。だがロシア人の傀儡政権は機能せず、パルチザンや赤軍に敗退を重ねる。日本人虐殺事件の代償を求め、北サハリンを占領するなど、単独で出兵を続行するが……。
本書は、増派と撤兵に揺れる内政、酷寒の地での7年間にわたる戦争の全貌を描く。

この時代の日本は、日清戦争・日露戦争を経て世界の主要国の一つとして扱われるようになりました。まさに近代国家として大きな自信をつけた状態です。

そんな自信満々な日本が『(ほとんど)何の成果も得られず』終わってしまった戦争がシベリア出兵です。世が世なればしくじり先生として出演していてもおかしくありません。知名度は低いですが多くの教訓を学ぶことができます。

特に面白かったのは、原敬(首相)と田中義一(陸軍大臣)という近代日本でも屈指の政治力とリーダーシップを持つ二人でさえ、タイミングを見失いこの戦争から撤退することができなくなるところです。損切りの難しさを思い知らされます。

【あわせて読むとすれば・・・?】
・日露近代史(麻田雅文)

・政党政治と天皇(伊藤之雄)

・失敗の本質(戸部良一など)

・近代日本の官僚(清水唯一朗)

明治維新後、新政府の急務は近代国家を支える官僚の確保・育成だった。当初は旧幕臣、藩閥出身者が集められたが、高等教育の確立後、全国の有能な人材が集まり、官僚は「立身出世」の一つの到達点となる。本書は、官僚の誕生から学歴エリートたちが次官に上り詰める時代まで、官僚の人材・役割・実態を明らかにする。激動の近代日本の中、官僚たちの活躍・苦悩と制度の変遷を追うことによって、日本の統治内部を描き出す。

日本史の教科書を読むと、議会や首相・大臣の視点で政治の動きを追っていくことになると思います。

では内閣制や議会が誕生するまではその役割はどんな機能で担われていたのか。内閣制誕生後は、官僚はどのような働きをしていったのか。『官僚』をキーワードにすると、こういった観点で近代日本を眺めることができます。

行政とは国を運営する上で議会以上に絶対必要な機能です。行政を動かす官僚の視点でみていくと実は歴史の流れがよくわかります。

本筋からは外れますが、明治時代でも官僚採用試験のための対策本が出回ったり、いい大学に入れるために教育熱心な親向けの本が発売されたりと今も昔も変わらない光景が本で確認でき少しクスリとしました。

【あわせて読むとすれば・・・?】
・日本史の論点(中公新書編集部・編)の第4章(近代)

・日本の近代とは何であったか(三谷太一郎)

・明治史講義【人物編】(筒井清忠・編)

3. むすび~新しくはじめたこと

先月の読書記録とちょっと違うことを試してみました。

『【あわせて読むとすれば・・・?】』と称して、紹介した本を読むのが楽しみになったり、紹介した本がもう一度読みたくなるような関連本をタイトルだけ各3冊ずつ紹介しています。

『関連』はサッカーだろうが読書だろうがあらゆる趣味をもっと楽しく、もっと彩るキーワードだと思います。

ちょっとかっこつけた表現では『化学反応』と言えるかもしれません。

それはまったく違うジャンルとの『化学反応』かもしれません。

もっと知識が深まるような『化学反応』かもしれません。

「この本とこの本のこの部分がつながった!」
そんな感覚を味わってもらえるような試みの一つとして、おすすめの本の紹介に加えて関連本もさらっと紹介するのはおもしろいかなと思っています。

おしまい

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