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へんしん願望

いつも優の域を出ることはなかった。

出来ないことをできるようになっても、優止まりで特別秀でるようなことはなくて、

“私って普通なんだ。”

普段は別にそれに対してすごく不満を持っているとかではないけど、ふとした時に落ち込む。

学生のころ、ちょっとやんちゃな人が羨ましくもあった。周りに迷惑をかけながらも、なんだかんだ気にしてもらえる立場の人達。そういう人たちが何かしらいいことをするとすぐに評価される。

目立ちたいわけではないけど、特徴がある人は少し羨ましい。

“だから時々、変身したくなる”

思い切って髪を切ったり、服装やメイクを変えたり。今までの自分をリセットするみたいに。

気持ちが落ち込んでいるときは特に、変身願望が強くなる。その感情に比例して物欲も増える。

見た目を変えても、上手くできなかったときはまた落ち込む。理想の自分には程遠いから。

でも、そんな気持ちはベトナムに来てから少し変わった。

よくわからない自信みたいなものを持ってて、自己肯定感が強い。似合うに似合わない関わらず、着たいものを着て、したいようにメイクも髪型もセットする。喜怒哀楽がはっきりしていて、良し悪しに関わらず自分の意見を真っ直ぐ言う。

たまたまなのか、出会うベトナムの人たちがそうだった。

自分が大好きな彼ら。携帯の待ち受け画面も自分の写真だったりする。

そんな彼らと接して、だんだんと自分を認められるようになってきた。

今までは自分をリセットしたい

“今までとは違う私になる”

だったけど、今は違う。

自分の魅力を最大限に活かせるように、自分という素材を磨こうという意識に変わった。自分ではない何かになろうとするのではなく、凸凹だった自分をツルツルに磨き上げようと思うようになった。

自分は結局自分以外にはなれない。でも、自分で自分を磨き輝きを増すことはできる。欠点ばかりに目がいっていたけど、秀でたものはないと思ってたけど、それはずっと自分を過小評価していたのかもしれないと感じた。

しばらくしてから、周りからはなんだか雰囲気変わったね。前よりいい感じ。と言われることが増えた。

結局は、気持ちの持ちようなのかもしれない。

同じものでも、そのときの気持ち次第で見方も、見え方も変わるから。


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