「もう打つ手はない」のか?

■お久しぶりのご挨拶

ミーちゃん「ハイ、グッドアフタヌーンです。お久しぶりの方はお久しぶり、アシスタントのミーちゃんです。今回、特別に、ネコトクさんが久しぶりに何か言いたくなったので、ということで再び、二人で雁首揃えることになりました」
ネコトク「……いやー、何というか、お恥ずかしい限りですよ。案内役のネコトクです。下の記事を見たら、久々に少し頭に血が上ってしまいまして。基本的に私の戦略は、『必要最低限しか(ここぞというときでしか)干渉するべきではない』『過干渉こそが問題』というタレブさんのやり方に沿ったものですしね。とんだ予定外ですよ。……まあ、でもよくよく考えてみると、今の日本政府の現実ではそんなものかもしないな、とか思ったところもなきにしもあらずだった」

【絶望】政府関係者「もう打つ手がない」 ★5 [potato★]
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1627438141/-100

ミーちゃん「『もう打つ手がない』そうですよ。エヴァンゲリオン初号機でも発進させますか?」
ネコトク「まあ、シンエヴァに関して言えば、『興行収入100億円突破おめでとうございます』と言ったところですが」
ミーちゃん「うゎ、手の平返してきた。もう手遅れだと思いますけどね」
ネコトク「扇風機というか、最近はサーキュレーターか。そういう機械も季節的には必要でしょうね。電気代も安く上がるし。ただ、あり得なかった未来を想定しても意味がないと言えば意味がありませんが、シンエヴァに関して言えば、あのまま煮え切らない議論をグダグダグダグダいつまでも続けることになった訳でしょうし、そもそも、出版関係者の皆さんはそれ狙いの商売を考えていたんでしょうけど、結果的に、シンエヴァの基準が今後のアニメ映画のデファクトスタンダードになったら、中長期的には、日本のアニメ映画に対して良い影響は無かったと思いますけどね。したがって、私のかの映画の評価は今のところも変わっていません。記事を消したのは、スタジオカラーが「誹謗中傷に対して対応を行う」みたいなアナウンスをしたので、そういう余計なことに自分の頭のリソースを使いたくなかったので、さっさと消しただけです。臆病風に吹かれた訳では無い!……あー、でも、どう思われようが別に良いか、なんかどうでも良いです。どうせ、8/13には、Amazon Primeで皆見れますし、そこで判断されれば良いんじゃ無いでしょうか。8/13が楽しみですねえ。良かった。生きて行く上での楽しみがまた増えた。あと、おま国じゃなくて良かったですね。英断ですね。その上で、『ネコトクの感想は単なる言い掛かりだ』と言う方もいるでしょうけど……結構、肯定的な評価をしている人も私が思った以上にいましたし、現実はそんなものかな、とも思いましたが」
ミーちゃん「……ミーちゃんとしては、今日の夕飯の方が気になるくらいの話なので、たいした話はありませんよ。また、『前置きが長い!』とか言われそうなので、そろそろ本題に入りませんか?」
ネコトク「了解です。まあ、手短に私の案を2案書くかな」

■ネコトクの案1

ミーちゃん「2案も出るんですか?簡単に言ってますけど」
ネコトク「出ますよ。ニュースを見て、多少考えて、5chの該当スレをパラパラ眺めたら、2案浮かびましたね。大した話ではないです。別に私が頭が良いとか優秀とかそういう話では無いですよ。私より優秀なアイディアマンなんて在野にいくらでも埋もれていると思いますし。謙遜とかではなく。一見身近な普通のおばちゃんが凄い人だった、みたいなこともありますから。実際、いつだか、アイディアマン募集!みたいな公募があったときに、相当な応募があったらしいじゃないですか。諸葛孔明になりたい人は山ほどいるということですよ」
ミーちゃん「はぁ……で、ネコトクさんは今回もただ働きということですか?」
ネコトク「まあ、お金に繋げるための布石みたいなものですよ。……なんだか、いつも似たようなことを言っている気がすると自分でも思いますが。まあ、ともかく、まず、1案目!」
ミーちゃん「どうぞ」
ネコトク「まず、『給付金案』ですね。まあ、この時点で、政府関係者はほぼ全員顔をしかめたかも知れませんが。ただし、給付金は1人1万円です。日本の人口が1億2500万人だとすると、12兆5000億円くらいが目安ですかね。次世代への負担は最小限にした方が良いでしょうし、選挙を考えるならばバラ撒きしておいた方が良いですよね」
ミーちゃん「1人1万円ですか。……効果あるんですかそれ?」
ネコトク「ただし、『給付金を受け取るためには、オリンピックの競技を5種目以上見て、番組中にしゃべる5つのキーワードを集めて下さい。1万円を貰うためにはオリンピックを見なければいけません。自宅で、エアコンをかけながら試合を見てて下さい。選手も喜びますよ。ラジオを含めても良いな。テレビを捨てた人用に。ラジオ関係者も『(理由はどうあれ)ラジオを聞いてくれる人が増えた~!』ときっと大喜びですよ」
ミーちゃん「録画とかされるんじゃ無いですか?ネットにも転載されるだろうし」
ネコトク「スポーツは基本的に生中継じゃないと面白くないと思いますがね。早送り対策として、字幕スーパーは無しで、キーワードは言葉で発するのみ、とか嫌がらせもします。『ネットへの転載』に関しては、ダミー情報も大量に書かれるだろうから、ネット情報の信頼性の無さを逆手に取れます」
ミーちゃん「……また腹黒いことを考えますね」
ネコトク「まあ、私は、『(奇)策』とかあまり使いたくない訳ですよ。『策士策におぼれる』から。基本的に正当法で堂々とやる。……餌で釣ってどうこう、なんてあんまりやりたくない、ただ、生きてくためには策を弄する必要がある局面というのも存在するのも確かだと思っています。で、今はその時なんじゃ無いですか、ということです。そもそも、『今、虎の子のお金を使わずにいつ使うんだ?』という話にもなりますし、どうせ使うなら、コスパ良く、複利的な効果を考えた重層的打ち手を打った方が良いんじゃないか、という話です」
ミーちゃん「……抜け道を探し出す人はいると思いますけどね」
ネコトク「……要は、『外出する人が少なくなって、自宅で大人しくオリンピックを見てくれる人が増えれば良い』という話じゃ無いですか。割合としてはそういう人は増えるんじゃ無いですか?この際、多少のズルには目をつぶります。コスパも悪くないと思いますし。給付金を都民限定にしないのは、地方民の恨みを(さらに)買うからですね。あとは、リスクのバランスとか、想定される経済的被害の大きさなどを勘案して決めれば良いんじゃないですか?別に、もっと良い案があったら、どうぞどうぞ、という感じですよ。もっとも、そもそも完璧な政策も無いと思いますけどね。すでに『打ち手無し』とか言っている訳だし。さすがに案が何も無い状態だとは私も思いませんでしたが」

■ネコトクの案2

ミーちゃん「……まあ、1つの案としては分かりました。じゃあ、2つ目の案は?」
ネコトク「『懸賞金案』ですね」
ミーちゃん「またお金の話ですか」
ネコトク「単に、話が早いからですよ。こちらも話の内容は簡単です。『対策案募集します。良いアイディアには10万円差し上げます』。ハイ、暇人が殺到します。『1人1案、200字以内』とかにした方が良いかも知れませんね。今、日本で最も余っているリソースって、暇人じゃ無いですかね。じゃあ、有効利用した方が良いんじゃないですか、という話です。ましてや、『自称(?)アイディアマン』、『諸葛孔明が憧れ』、『それにつけても金の欲しさよ』みたいな人がワンサカいる訳じゃ無いですか。良いアイディアにはキチンと報酬を払えば良いと思うしね。『コロナ』『オリンピック』と関係無しに、省庁で困っていることがあったら、懸賞金付きで各省庁がアイディアを募集すれば良いだけの話だと思うんですけどね。無料でただ働きさせようとするからおかしな話になる訳です。毎年枠を取ってやればいいじゃないですか。それほどたいしたことの無いアイディアでも報酬頂けた、となったら、応募は殺到しますよ。『まず隗より始めよ』ですよ。大体、各官庁でFAQくらい用意しろ、とは思いますがね」
ミーちゃん「そのためのデジタル庁じゃないですか?」
ネコトク「……デジタル庁の話は、政府で議論が出てくる前に、私も5ch(2chだったかも知れない)に似たようなことを書いたことがありますが、何か最近はちょっと違うような気もしてきました」

■日本人とITの相性の悪さ

ミーちゃん「しかし、なんでここまで日本人ってITが苦手なんですかね?」
ネコトク「まあ、様々な要因はあるでしょうが、最近、なんかそれを考えてもどうにもならないような気もしてきたのも事実です」
ミーちゃん「というと?」
ネコトク「ふと、日本の歴史の上で、ITの受入と似たような事例が無かったか?と思った訳ですよ」
ミーちゃん「……仏教とか?」
ネコトク「あー、惜しいけど違うかな。別に焦らすつもりも無いので、(私なりの)回答を言うと、『漢字(漢文)』の受入です。

 漢字に出会うまで、ヤマト民族は、文字というものをもたなかった。 ヤマト民族は、文明化の入り口に立った二千年前の弥生時代に、やっと中国の漢字と出会った。それがヤマト民族にとって幸運だったのか、それとも不運だったのか。その点については、意見が分かれる。 不運だったという意見は、例えばこうである。
 ――古代日本の周辺に、文字と言えるものは、漢字しか存在しなかった。そのため、日本人は否応なく、漢字を取り入れた。これは、その後の日本語の発展を考えると、致命的なマイナスとなった。
 ヤマト民族が文明化の入り口に立った時点で、漢語はすでに高度に完成していた。そのためヤマト民族は、ちょっとでも難しく抽象的な概念は、漢語を借りてきて済ませるようになった。ヤマト民族固有の言葉である和語(やまと言葉)は、幼児のような未熟な段階で、成長するチャンスを奪われた。そして日本語は、和語と漢語が水と油のように分離したままの、世界でもまれに見る醜い言葉になってしまった。――
 幸運だったと主張する人の意見は、例えばこうである。
 ――古代ヤマト民族が漢字と出会い、これを吸収して自家薬籠中のものとしたことは、幸運であった。
 漢字や漢文の素養は、少なくとも、過去、二度にわたって、日本文明に奇跡的な高度成長をもたらした。一度目は、飛鳥時代から奈良時代にかけて、二度目は幕末から明治にかけての時期である。

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 遅くとも紀元前一世紀ごろには漢字に接していたヤマト民族は、六世紀ごろになって、ようやく漢字・漢文を本格的に使うようになった。なぜ、文字文化がこの国に定着するまで、五百年以上もの長い歳月を必要としたのか。
 さらに、漢字文化を吸収したヤマト民族は、わずか二百年間のうちに高度成長をとげ、八世紀には「日本人」となり、訓点による漢文訓読法を確立させた。漢字文化圏のなかで、漢文訓読や漢字の訓読みを発展させたのは、日本人だけである。そして、漢字から仮名文字という音節文字を作り、近代以前としては驚異的な識字率を達成した国も、日本だけである。なぜ日本だけが、このようなユニークな文字文化の形成に成功したのであろうか。

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ミーちゃん「……日本人が漢字を受け容れるためには、『仏教』というきっかけが必要だった(500年以上も漢字を受け容れなかった)。後は、漢字を受け容れた後、さらに発展させた、みたいな話ですかね」
ネコトク「ITも似たようなものになる可能性もあるのではないかな。完全に自家薬籠中にするためにはきっかけと時間が必要なのではないか、と思った。とは言え、『現状維持』という訳にもいかないでしょう。『現状維持』はむしろ後退なので。世界は日進月歩で進歩しているから置いて行かれてしまう、一歩遅れでも良いからウオッチはしておいた方が良いだろうと思う。ボトムアップ的に改善していけるところは改善していくような地道で継続的な体質改善自体を続けていくしか無い気もする」
ミーちゃん「しかし、『世界最先端技術の日本』というイメージからは遠ざかりましたね」
ネコトク「……まあ、それがね。安倍さんだっけ?『日本を任天堂のような国にしていきたい』と言ったのは。多分そこら辺じゃないですかね、という話ですね」

■日本を任天堂化するとは?

ミーちゃん「『日本を任天堂化する』とか、単なる安易な言葉遊びじゃ無いですか?」
ネコトク「それがそうでも無いというか。やれ一部の界隈では、『新型Switchの性能が上がらなかった』と騒いでいますが、任天堂の基本は『枯れた技術の水平思考』だと思うしね。とは言え、そういう意見が出てくるのも分かりますけどね」
ミーちゃん「ネコトクさんは納得がいく説明が出来るんですか?」
ネコトク「多分、ある程度は。じゃあ、まず、『枯れた技術の水平思考』について語ろうか。まず思い出話を少々。昔々、インターネット黎明期に『ざるの会』というコワモテのゲームサークルがあった。当時の私にとっては雲の上の人達だったけど。当時の私はまさに猿山の猿だった。まず、2chが栄える前に一番栄えていたネット掲示板は、セガBBSだったのだ。セガ最後のCSゲームマシンであるドリームキャストはインターネットに繋ぐことが出来た。その結果、どういうことが起ったのか?『学級崩壊した学級』みたいな大騒ぎが毎日、毎日、来る日も、来る日も、セガBBS上で繰り広げられることとなったのだ。そして私もそこで元気よくダンスしていた、という訳だ」
ミーちゃん「何を言っているんですか?ひろゆきさんの手の平の上でも元気よくダンスしていたじゃないですか!」
ネコトク「まあ、あのころは元気があったからね。ミーちゃん、さすが若いね、よくご存じだ。まあ、それはちょっと脇に置いておくにしても、とにかくざるの会だ。ざるの会のメンバーは二人いた。滅茶苦茶切れ者のTTNMさんと、妙に味わいのある言葉や時々鋭いことを言うざる夫さん。そう言えば、ジオシティーズが無くなってしまったし、保存するのも忘れてしまったな~、とか思っていたんだけどね」
ミーちゃん「復活したんですか?」
ネコトク「いや、"GeoLog Project"に一部が残っているのを先日見つけた。で、TTNMさんの『枯れた技術の水平思考』に対する思索も残っていた。当時の私では、もちろん、彼の相手にはとてもならなかった訳だが、今の私ならば、それなりに面白い返しが出来るかも知れないと思ったのだ」
ミーちゃん「削除される可能性は?」
ネコトク「ある。だから、『枯れた技術の水平思考』の部分だけここに引用しておこう。議論はそこから始めよう」

■ 「枯れた技術の水平思考」の限界
・DSやレボの仕様(特に入力インターフェース)の「枯れた技術の水平思考」的な工夫に関して、
短期的には好感を持っているのですが、任天堂、ひいてはゲーム業界の閉塞状況に対しての対策としては、
やはり単なる小手先の工夫に過ぎないと考えています。
・そもそも、問題の本質は、ビデオゲームという「遊びの構造」全体が
コモディティ(一般消費財)化している事にあります。
これだけの年月が経ち、若者達にとっても物心ついた時から存在すれば、
もう在って当然の存在で、この「遊びの構造」から希少性は完全に無くなりました。
・この状況下に於いて、任天堂は危機意識自体は持っているように見られますが、
まだその捉え方の枠組みが小さ過ぎるように、僕は感じます。
それは、社長等のプレゼンテーションやインタビュー記事を見る限り、
彼らが「問題は入力インターフェースだ」と認識しているように見受けられ、
そして、そのために、DSやレボの仕様の工夫の主眼が、「構造」の一部に過ぎない、
入力インターフェースの工夫の仕切り直しに留まってしまっているからです。
(もちろん、他の工夫も盛り込まれていますが、それらはあくまで余禄の位置にいます。)
そして、これは、かつてよく見られた「シューティングが滅んだのは高難易度のせい」
という主張と非常によく似た枠組みです。
確かにそこにも問題点はありますが、それを包含する構造全体が問題の本質なのであり、
その部分を問題の全体像として捉えるのは「問題の卑小化」です。
そこは、確かに木ではないけれども、まだ林であり、いまだ森全体を見ていないのです。
今必要なのは、ビデオゲームという「遊びの構造」全体の根本的な見直しなのです。
そして、それには「枯れた技術の水平思考」(だけで)は限界があります。
・もっとも、この閉塞状況は市場の消滅を意味するのではなく、ある程度の縮小の後、
映画市場のように一定の範囲内で市場規模が拡大したり縮小したりする状態に移行するものと思われます。
株で言えば、一定の高値と底値の間を波状に往復する、ボックス型の市場変動です。
そこに於いては、大作だけでなく、低予算の隙間作品、それこそ「枯れた技術の水平思考」で作った
小粋なハードやソフト群が、スマッシュヒットを複数回出して、市場を盛り上げる事も可能でしょう。
しかし、あくまでそれは、ロングタームの観点ではボックス内の波に過ぎないのです。
「枯れた技術の水平思考」でハードやソフトの工夫をしても、ボックスの枠を上方に突き抜けるのは、
かなり難しい(力不足)と考えられます。
・何故なら、「枯れた技術の水平思考」は「点(商品)」の開発手法だからです。
穿った言い方をすれば、ビデオゲーム出現前の玩具開発的な発想法です。
元々「枯れた技術の水平思考」は「枯れ」ている訳ですから、その突破口から戦果を応用拡大していく
後続の流れ(展開)を想定していません。単発か、良くて数発の後続で途切れてしまいます。
一方、このボックス(閉塞)状況を突破するには、玩具(あるいは遊び全体)にビデオゲームが出現したぐらいの、
情報流通の在り方にインターネットが出現したぐらいの、先端部がブレイクスルーした後に、
成果の応用が拡大していく「流れとしての革新」が必要なのです。
(希少性を取り戻し、新しい奔流を作る……それはもう既にビデオゲームではない別物なのかもしれませんが。)
つまり「枯れた技術の水平思考」は戦術のための手法であって、戦略の手法ではないのです。
玩具の時代や、あるいはビデオゲームが成長中の時は、「枯れた技術の水平思考」も有効でしたが、
今となっては、それだけでは天井のブレイクスルーは極めて困難だと思われます。
・ではどうすれば良いのでしょうか?
僕は、「成長中の技術潮流での水平思考」だと考えます。
ここで言う「成長中の技術潮流」とは、「萌芽」では早過ぎるが、
軍用や純粋技術としてはこなれ、民生に於いても業務用から個人用への転換が見え始めており、
しかし完全に「枯れて」いる訳でもなく、更なる垂直的な進化発展の余地と、
水平思考による用途拡大の可能性と普遍性が広がっている、単体ではなく流れとしての技術です。
加えて、この「技術」概念には、単にハードウェア技術だけでなく、ソフトウェア技術も含まれるし、
もっと上位でコンセプチュアルな「遊びの技術」(人間にとっての新しい「快感」の発見・発明)も含まれます。
コアの部分にはこれを据えるべきなのです。
そして、その周辺部を「枯れた技術」で固める事で、商品として実現(コストダウン)するのです。
・何か、都合の良い条件ばかり並べているようですが、
よく考えて見れば、「枯れた技術の水平思考」の代表例として採り上げられがちな、
ファミコンもゲームボーイも、これの実例です。
コア技術は、ハード的には「マイクロコンピュータ(プロセッサ)」、
ソフト的には「ビデオゲーム」という当時としての「成長中の技術潮流」であり、
モノクロ液晶等の「枯れた技術」は商品として実現(コストダウン)するための「手段」として
脇を固める存在なのです。
(ちなみに、ゲームを持ち運ぶというゲームボーイのコンセプトの発生そのものは、
「使用状況の転換」という極めてマーケティング的に「垂直」な発想と言えます)
またゲームではありませんが、ipodも、大容量&小型化HD(FlashMemory)と、音声映像圧縮技術、
ネットによるDL販売システム等を、コアの「成長中の技術潮流」とみなせば、
新市場を作り出す爆発的商品発生の共通条件を含んでいると考える事ができるかもしれません。
・最初に述べたように残念ながら「ビデオゲーム」は構造全体として、
完全に「枯れた」遊びの技術になってしまいました。
ゆえに、任天堂は、入力インターフェースの変更によるユーザーのエントリー障壁の
仕切り直しばかりを気にしていないで、遊びの構造全体を再考するべきでしょう。
そしてそれには、松下電機が脱松下幸之助イズムの中村改革で息を吹き返したように、
岩田集団指導体制による脱山内体制だけでなく、脱横井イズムも必要なのではないかと考えます。

ネコトク「ちなみに、文中にある『レボ』は、Wiiのコードネームである『レボリューション』のことです。『ビデオゲーム』が『枯れた』遊びの技術になった、というのはソシャゲやスマホゲ出現以前から言われていた、ということですね」
ミーちゃん「やはり、ちょっと難しい文章ですね。TTNMさんの予測していた『成長中の技術潮流での水平思考』については予測は当たったんですか?」
ネコトク「『筋の良い技術の目利きをする』みたいな話を故・岩田さんもおっしゃっていた記憶もあるが、基本的に、それは、『どこの会社でもやっている』基本技術みたいな話になったと思います、さすがの先見性と言わざるを得ない」
ミーちゃん「でも、『どこの会社でもやっている』んですよね?ポイントはそこなんですか?」
ネコトク「そうそう。結局はそこだよ。ゼルダBOWはまあ、任天堂の最高傑作(の一つ)と言われているが、『枯れた技術の水平思考』が最大のポイントの一つだと私は思っている。た・だ・し、この場合の、『水平思考して利用素する技術』は、『ハードウェア技術』では無く、『ソフトウェア技術(コンセプトを含む)』だった。例えば?『オープンワールド』というコンセプト。西洋のゲームでは、『オープンワールド』というコンセプトは、すでに使い古されて、行き詰まりも見えていた感じだったが、任天堂はさらにそれを磨き上げて、『オープンエアー』まで昇華させた。しかしながら最も後に続く者はいない、今のところは。任天堂の必殺技『オープンエアー』に唱和出来る者はいない、誰も真似出来ないのだ。もう一つ、物理エンジンの一つHavokを磨き上げて、『楽しい物理エンジン』に昇華させた。結局、『オーバークオリティ』だからこそ、任天堂のゲームは売れやすく、サードパーティのゲームは売れにくい、という現実は無いか、と思ったね(まあ、当たり前なのかも知れないけれど)、昨今、その傾向がさらに強まっている気もする。このことから、さらにもう一つ少し思いだしたことがあった」
ミーちゃん「何ですか、それは?」
ネコトク「『ファジィ論理』『ファジィ制御』という技術なのだが。これらは、一旦、米国からは見捨てられたような感じの技術だったのだ。『それを日本が拾って使い物にした』。多分、日本はそういうやり方で行った方が良いのではないか、というのが私の意見だ(もちろん、反対意見があるのは当然だと思います)。昨今の流行りの技術の一つ『IoT』もそう言うところを目指している、みたいな話も聞いたような。『捨てる神あれば拾う神あり』という訳だ。逆に、真の最先端技術は、米国に吸収されてしまう、というか、最先端技術で世界と戦おうとすると多分、必然的に米国市場に打って出る、そうならざるを得ないのだと思う。PlayStaytion5しかり」
ミーちゃん「うーん」
ネコトク「もう一点、中国の問題もあるかな、と思ったが、凄く分かり易く説明してくれた動画があった。有り難い話だ」

【注意喚起】開発費110億のゲームが日本のゲームを破壊してしまった件【原神】

ミーちゃん「日本のゲームは中国のゲームに対してどう対抗していけば良いんですか?」
ネコトク「動画主のナカイドさんも対策案を出しているが、補足するならば、『IPを軸にしながら、機動力と連動力を活かしてリスクヘッジしながら細かくフットワーク軽めで動いていく』べきだと思う。だから、私は今の日本のサードパーティの動きもそれほどピント外れだと思っていない。『結局、軸となるIPをどう作ってどう展開していくか』という話になるし、アニメ・ゲーム・漫画のうちで、一番機動力の高いのは漫画だ。だから、集英社がさらにぐっと出てくる可能性も高いと思う。ただし、『アニメ・ゲーム・漫画』では、原作としての最適解はそれぞれ違うと思うんですよ(業界人は常識だろうけど)。そこに各社の個性が出てくるのではないかと思う」
ミーちゃん「なんだか、ネコトクさんは反対意見を前提に議論を進めていますよね」
ネコトク「その通り。例えば、下にひろゆきの切り抜き動画を貼ってみた。」

学校教育(教科書通り)で稼げたのは昭和まで。【ひろゆき 切り抜き】

ネコトク「まず、別に反論では無いし、私自身の心情としてはひろゆきに近い。た・だ・し、「ひろゆきの言葉を完全に真に受けて行動するのは人によって『向き・不向き』があるので、そのことは頭の片隅に置いて聞くべき」だと思う。ある人にとっての真実が別の人にとっての真実とは限らない(逆に同じ場合もある)。私自身の経験から言えば、『何かが上手く行っていない場合、逆のことをやっている』と思っている。この場合の『逆』は状況によるのでそれは自分で判断するしか無い感じだったが。『教科書通りに生きた方が良い人種』というのも世の中にはいるのだ(そういう人は分かりにくい教科書の記述通りのことをいともたやすく実行出来る場合も多い)。そして、その割合は昔から変わっていないのではないか、と思う。もちろん、時代の情勢や社会システムによって、有利不利も変わってくるだろうけど、自分の正義(テーゼ)に対してかならず別の正義(アンチテーゼ)があると思った方が謙虚に生きられるのではないか、と思うのだが。ラインハルトとヤン・ウェンリーの対話ではないが。『逆もまた真なり』ですよ」
ミーちゃん「なんか、しみったれた話になっていますね。年寄り臭いですよ」
ネコトク「ゴメン。ミーちゃん若いからね。だから、『IPを軸にしながら、機動力と連動力を活かしてリスクヘッジしながら細かくフットワーク軽めで動いていく』のではなく、『オリジナルのアニメ超大作映画を垂直立ち上げする』という方が、人によっては正しい解の場合もある、という話。もちろん、アニメに限らず、ゲーム、漫画にも拘らず、どんなジャンルであれ。『いや、俺は世界一流の技術を日本のソニーで作るんだ』という人もいるだろうし、それはそれでやりたければやればいいんじゃないですか、という話」
ミーちゃん「結局、ゲームの話になっちゃいましたね」
ネコトク「まあまあ、それくらいの役得が無ければ記事を書く気になれなかった、という部分もあるね」
ミーちゃん「じゃあ、また気が向いたら、ということで。最後まで読んで頂いてありがとうね」

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