一旦諦めたから見えたこと

白状しますと、院生なのに一回研究を諦めました。代わりに、ダンスを1ヶ月毎日18時間ぐらい練習しました。

知的好奇心は高い方なのに全く研究テーマも定まらず、本当にイギリス史の本を読む気も起きなくて大スランプ時代がやってきたのです。

せっかくの最後の学生期間なのに、決まらない研究テーマに鬱々としたらもったいない、もう修了できなくて留年でも退学でもいいやと振り切りました。

ダンスに明け暮れていたある日、小関隆先生の著書出版記念に茶話会がzoomで開かれるという知らせを受け取りました。

バイト先の書店に在庫あって安く買えるならこの茶話会にも参加しようかな〜ぐらいの気持ちでいたらなんと、ちっちゃい売り場に奇跡的に一冊有ったので自分との約束どおり、参加を申込みました。

当日の小関先生の話によると、労働者(ギグワーカーたち)が熱狂したのがビートルズ。生活費に余裕が出て余暇にもお金が使えることになったのが社会的背景にあるということでした。

え、労働者?しかも音楽文化とも関係あるの?とアンテナがぴこっと動き出しました。

(ちなみにとりあえず学部の卒論に関連して1900年代のイギリスで労働者でというのは決めていました。)

そしてまたある日、知り合いからマイケルジャクソンを勧められて私もハマりYouTubeを漁っていました。

マイケルはフレッド・アステアに憧れていたとのこと。

フレッド・アステアさんは1930年代ぐらいのアメリカの有名なダンサー。「雨に唄えば」が素敵です。

そして「雨に唄えば」を50回ほど観ていたところ、ふと他の昔のダンサーを見てみたいと知的好奇心が働きおぼろげにチャップリンが浮かびあがりました。

チャップリンさんは1889年イギリスの生まれ。

そしてなんと1914年にアメリカに行くまでロンドンで過ごしたとのことでした。

「独裁者」のような戦時も喜劇を通じて平和を訴えた偉人がどんな社会で幼少期を過ごし、それが反映されているのか、自分も踊って表現する身として知らなきゃいけないと強く感じました。

ダンスを踊る上で歴史を知っていることは長所になると思います。

例えば、バレエは上の方をぼんやり見るように視線を向けると良いと先生から教わりますが、これは貴族の娯楽だった歴史から二階に特等席があり、パトロンに向けて視線を送るところから来ていると考えられます。

そうやってひとつひとつの意味を考えながらだと踊りに厚みが生まれて見る人をより楽しませられると思うところであります。


〆〆〆篤姫







この記事が参加している募集

スキしてみて

サポートはダンスの発表会費用、レッスン代、書籍購入代、note有料記事購入代にあてて、noteでレポート記事書きます。