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【ショート集】草原と枕

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ショート小説集第一編
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#炎上

【ショート小説】僕の両肩の黒い星がそのまま

【ショート小説】僕の両肩の黒い星がそのまま

「子供には、まだわかりません。絶対にです。」
深い皺を刻んだほうれい線の内側から、祖母は普段より低く冷たい言葉を吐き出した。何よりも、いつも優しい祖母の、厳しく凍てついた顔と空気が私にはショックであった。何が起きたのかも分からず、台所へと歩いていった祖母の背中をいつまでも呆然と眺めていた。
いつの頃であろうか、聞いた事の無い肩書きを持つ若者達は、万人に向けて自分の主張を叫ぶ時代になっていた。そんな

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