連載小説『ネアンデルタールの朝』⑰(第一部第4章-2)
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ソファーに横になりながら、民喜は改めて「**町災害復興計画(第二次)」に記された太字ゴシックの一文を読み直した。
早ければ、2017年(平成29年)4月の帰還開始を目指します。
再来年の4月と言えば、ちょうど自分が就職をして働き始めている時期だ。そう思い至ると、胸の内によく分からぬ不安が湧き上がってきた。
民喜は現在大学3年生、来年になると就活を始めなければならない。しかし就きたい職業について、民喜はまったく考えがまとまっていなかった。友人の中にはすでに就活対策を始