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#13「自分がやりたかったのは、これだ」大手メーカーの開発職から敏腕キャリアアドバイザーへ。人生を変えた”コーチング”との出会い~寺本鷹隼さんのケース~

アート思考、システム思考、認知行動療法など、学術的アプローチで「本当のやりたいこと」「人生を通して追い続けたい問い」を見つけ、深め、広げるためのプログラム「NCS(Narrative Career School)」。NCSを卒業し、自分らしい人生を歩み始めた若者たちが語る過去の私、今の私。

寺本鷹隼(てらもとたかや)さん
兵庫県出身、東京都在住。コーチングとフィットネス事業を展開する会社で、新規事業であるキャリア事業のキャリアコーチと、事業開発を担当。

新卒で中学時代から憧れていたスポーツ用品メーカーに入社するも、仕事にやりがいを持てずもやもやとした日々を送っていたところNCSに出会う。NCSのワークで自分のやりたいことを見つけ転職し、並行してコーチングも学ぶ。転職後はキャリアアドバイザーとして、自身が悩んできた経験と、コーチングのスキルを活かして活躍。3か月間の社内成績が全社1位となり、MVPを獲得する。

複業ではNCSの関連団体である「高校生みらいラボ」にて高校生向けのキャリア教育に携わっている。
キャリアに悩んでいる人に向けて、転職活動のTipsや、キャリアに対する想いもTwitterで発信している。

仕事でのフラストレーションを抱える日々。目に留まったのは、Facebookのとある投稿

NCSとの出会いは社会人4年目、2019年の秋のことです。

僕は高校時代、3年間野球をやっていたいわゆる“高校球児”でした。「人に希望を与えられることをしたい」とスポーツ業界を志し、スポーツ用品メーカーでスポーツシューズの開発をしていたのですが、「自分の力で、人に希望を与えている」という実感が持てずにもやもやとした気持ちを抱えていました。夏の甲子園を見ると「あの時の自分のほうが頑張れてたよな」って毎年思っていましたね。

仕事での物足りない状況を打破するべく、終電まで働いてとにかく結果が出るようにもがいたり、就活セミナーの講師にチャレンジしたりと行動していたところに、Facebookに綴られている喜多さん(NCSの設立者)の投稿を見つけました。投稿から感じたのはものすごい熱量。すかさず1dayワークショップへの参加を決めました。

もともと親が教師だったり、学生時代にはインターンの支援やキャリアアドバイスをしたりする中で「人の夢を応援するのってすごくいいな」って思っていて、以前からキャリア教育を提供することに興味を持っていました。でも、色々な会社や団体を探してもなかなか「これだ!」と思えるところに出会えなかった。

一方で、喜多さんの発信は社会全体を見ているように感じられて信頼が持てました。年齢が近いこともあって、上の世代ではなく僕たちに近いマインドを持っていて、優しい言葉だけでなく時に厳しい言葉で警告も出してくれるし、すごく惹かれるものがあったんです。

1dayで開催されていた「本当にやりたいことを見つけるワークショップ」に参加し、そのワークがとても良かったので継続して他のワークも受講しました。見つけたやりたいことから具体的な職業を探したり、自分の過去や無意識な思い込み、トラウマと向き合ったりするワークにも取り組み、多くの変化を感じました。
また、講座を受講する中で出てきたコーチングにすっかりはまってしまい、NCS卒業後は喜多さんが主催しているコーチング講座も受講しました。

(スポーツ用品メーカー時代・NCS受講前)

過去の体験を深堀りして確信に変わった「人の希望を生み出す」という想い

ワークを受講してからは自分のことがわかって自信がついたし、他の参加者も熱量が高い人が多くて、「自分ももっと動かなきゃ」と刺激をもらいました。同時に自分のやりたいことがはっきり見えてきて、それは今の会社ではできないな、ということも確信しました。

ワークの中で衝撃的だったのが「やりたいことは名詞じゃなくていい」ということでした。例えばやりたいことを「医者」や「教師」という名詞ではなく、「人の命を助けること」や「人に教えること」といった動名詞で考えよう、ということなんです。

僕はこれまで「スポーツ業界」という名詞に囚われていたけれど、その奥にある「自分の本当にやりたいこと」と「それに紐づく過去」を深堀りしていくと「人の希望を生み出すこと」に繋がりました。

なぜスポーツかというと、高校生の頃に遡ります。

僕は兵庫県出身なので、記憶にはないけれど阪神淡路大震災を経験しています。高校生になってから東日本大震災が起こったときに「自分もあの時死んでいたかもしれない」と初めて臨場感を感じてとても怖かったのを覚えています。
当時の僕は自分に自信がなく、そんなところに震災が起こったので「このまま生きていて将来いいことあるか?いや、ないよな」と絶望していました。

そんな状況で、希望を与えてくれたのがチャリティマッチという復興支援のためのサッカーの試合でした。
当時40代後半の“キングカズ”こと三浦知良選手が、現役の日本代表選手を相手に素晴らしいゴールを決めたんです。そのシーンを見て、魂が震える感覚とともに「生きる希望」を感じました。テレビで見た被災者の人も「明日から生きていける気がしました」と言っていて、同じことを思ったんです。

被災者の人も僕も、人生への絶望を感じた瞬間があったけれど、三浦選手のゴールを見て希望をもらい、「そうじゃないよね」と思えた。その出来事が非常に大きな経験で、当時の自分は単純にやりたいことを「スポーツ業界」と考えてしまったけれど、NCSに参加してからは「希望を生み出すこと」という動名詞として、より本質的に、明確に認知できました。

そのために健康でいることや努力すること、成長することが自分にとって非常に重要なんだとわかり、ワークを通して、それを実現するにはどんな仕事があるのか、というところまで辿り着けました。

(NCS受講後)

確信を持って、キャリアアドバイザーの道へ

参加後は、半年かけてキャリアコンサルタントの資格を取得しました。並行して転職活動も行い、キャリアコンサルタントの試験にもうすぐ合格しそうな段階でキャリアアドバイザーの求人に応募し、内定をもらいました。

「希望を生み出すこと」とキャリアアドバイザーがどう繋がるか。
僕は「希望」が出てくるまでにはプロセスがあると思っています。まずベースとして身体・精神ともに健康であること。そこから努力して成長し、自分や周りの環境、未来が良くなっていくことこそが「希望」に繋がると考えています。

大学で健康科学を専攻していたので、健康にはメソッドがあることを知っています。朝起きて散歩をすることや、食事をちゃんと摂ること、周りの人と仲良くするといった基本的なことです。なのにほとんどの人がそれらをできていない。
その原因の多くは、仕事やお金に関する悩み、不安などによるもので、それらはキャリアに関わることなんじゃないかと考えました。キャリアが最高なものであれば、希望を生み出すことができるのではないか、と。
前職のスポーツメーカーは「身体と精神の健康」をコンセプトに創業された会社で、今となっては自分が大切にしていることとつながっていたんだと感じます。そこからもっと自分がやりたい、得意な領域という点で考えると「キャリアアドバイザー」という職業が見えてきて転職したのが2020年1月のことです。

実際にキャリアアドバイザーとして働いてみた感覚としては、「めちゃくちゃいい」の一言。「自分はこれがやりたかったんだ!」と、とてもやりがいをもって働いています。特に相手と本音でぶつかり合えること、相手の人生が良くなっていくと思えた瞬間が最高に嬉しいですし、価値のある仕事だと感じています。

「人生の全方位が良くなる」仕事でも私生活でもコーチングの偉力を実感

転職後も、NCSのコーチングスクールを受講し、仕事でも私生活でも多くの変化がありました。
仕事の面では、3か月間の社内成績が全社1位となり、MVPを獲得することもできました。
コーチングスクールで学んだことを実践して、相手とより深くつながることを意識し、他のキャリアアドバイザーが聞かないくらい、相手の本当にやりたいことを掘り下げ、それに対しての提案がしっかりできた結果だと思っています。
ただがむしゃらに頑張るのではなく、自分のコンディションを整えることも意識していたので、無理なく長期的に成果を出せるようになりました。

(コーチング講座受講後)

私生活では、人との関わり方が変わっていきました。幼少期の体験や家族との関わりが、その後の将来の選択肢に影響を与えることを身をもって実感しています。
自分の実体験でいえば、父との関係です。父は子供との関わり方があまり上手くなく、口数も少なかったので、正直父のことを怖いなとずっと思っていました。父から愛情を感じたことがほとんどなかった。その影響で、「厳しい・怖いのは良くないことで人には優しくしないといけない」と思い込み、周囲に対して過剰に尽くしてしまったり、それで自分が疲弊してしまうことが多かったんです。

コーチングを学んでからは、思い込みに気づいて解放することで、厳しさや強さも愛だということや、父からも愛をもらってきていたことに気づくことができました。

そして相手のために愛を持って接するとはどういうことかを理解して、人との関わり方も少しずつ変わっていき、過剰に人に尽くすこともなくなりました。まず自分を整えて、周りの人を大事にできるようになり、結果として仕事にも私生活にもたくさんの良い影響がありました。

今後やりたいこと:「20代・未経験」の転職支援に注力。転職業界に光を灯すべく覚悟をもって行動していく

まずは、現職でのキャリア支援に力を入れていきたいと思います。
転職業界ってハイキャリア層に向けた支援の方が儲かるので、20代への転職支援はどうしても手薄になってしまうんですね。なので20代向け、特に未経験でも本当にやりたいことへの転職支援をしっかりやって、自分がやりたいことに向かって突き進める人を増やしたいです。

キャリアアドバイザーの働き方についても改善の余地があると思っていて、キャリアアドバイザーがコーチングを取り入れてその価値を発揮していけば、利用者も自分の可能性を最大化できる人が増えるし、そうすることでキャリアアドバイザーはもっと働き甲斐を持てると思っています。結果的に転職業界自体ももっとよくなっていきますし、稼ぎづらいと言われる業界だからこそ、覚悟をもって積極的に行動していくことが必要だと感じています。

メッセージ:もう一回参加したいと思えるほど、価値のある講座です

僕にとってコーチングとは「自分の人生を生きるための時間」。自分の本当の感情を見つけて、自分の人生を生きるための時間です。

僕はこれまでNCSやコーチング関連に100万円以上投資しているんですが、また自己投資をするとしたらもう一回講座に参加してもいいと思えるくらい価値があると思っています。

自分と向き合うこと、日常生活・仕事などに影響を及ぼしている根本の思い込みに触れていくことで、仕事、趣味、人間関係など人生におけるあらゆる事柄が良い方向に向かっていることを実感しています。「人にコーチングをやってあげたい」と思って学んだのですが、一番恩恵を受けているのは自分かもしれません。

そんなコーチングに出会えたのも、NCSに参加したおかげだと思っています。今より人生を良くしたい、もやもやしている状態を抜け出したいと思っている人は、ぜひNCSに参加してほしいです。

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4時間で「本当にやりたいことを見つける」ワークショップの詳細はこちら↓

インタビュアー:伊佐間梨華
ライター:mika( https://note.com/mika316/n/n72b4c3dbe18e )


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