起業家のセカンド・グロースとは? コネクティ服部社長が語るスタートアップM&Aの未来
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起業家のセカンド・グロースとは? コネクティ服部社長が語るスタートアップM&Aの未来

こんにちは!NEXTユニコーン経営サロンです。

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起業家として事業創造を考えた時、IPOという選択肢が頭をよぎる人は多いのではないでしょうか。今回は、グロース・ステージ(創業期の試行錯誤を乗り越え、事業が成長して一定の規模を超え、次なる成長に向かう段階)の起業家として、IPOに向けた資金調達において複数の投資家から出資のオファーを受けながら、上場企業(エイジア社)とのM&Aを決断したコネクティ社代表・服部氏にその背景を伺いました。

ディールを終えてセカンド・ステージに向かういま、服部氏が感じている「起業家のセカンド・グロース(第二の成長)」とは?


___今回は「事業創造のためのM&A」という道を選んだ服部氏に、その決断に至るまでの思いを伺います。最初に、コネクティ社の事業概要を教えてください。

弊社の事業は大きく2つに分かれており、大企業向けのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)サービス事業と、WebのDXパートナー事業になります。

弊社CMSの特長は、国内で唯一大企業向けのCMSの運用をSaaS型でクラウド提供している点にあります。独自のCMSに加えて、大企業のWeb戦略をワンストップでソリューション提供しており、その事業の両輪を回しているところが弊社のユニークな部分と考えています。特に、自社のCMSは過去5年間の解約が極めて少なく、クライアントに弊社サービスの価値を認めて頂けているのではと考えています。

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__2005年に創業されて、今年で15年目となり、最初はビジネスコンペからのスタートだったと伺ったのですが、創業のきっかけを教えてください。

ワークスアプリケーションズ社主催の経営者発掘コンテスト(「一人シリコンバレー創業プロジェクト」)にて数百の応募の中を勝ち抜き、出資を受けて創業しました。創業時の株主は、大手ベンチャーキャピタルも含まれていました。

創業時はコミュニティサイトや企業の独自SNS等のポータルサイトの機能開発を行っていましたが、リーマンショックのあおりを受け、ポータルサイトの需要が激減、受注も大きく減少しました。その中で、同じWebサイトでも、企業のコーポレートサイト等のメインサイトは景気の波に左右されず、安定した需要が見込めるということで、大企業のコーポレートサイトやグローバルサイトで活用可能なエンタプライズCMSサービスの開発とサービス事業をスタートしました。


__事業を転換してみていかがでしたでしょうか?

当時は大規模サイト向けのCMSをやると決めたものの、企業のWebサイトは社内のポータルサイトとは違って、企業のサービスや扱っている製品によって設計や導線・デザインが大きく異なっており、どんな機能が必要か、作り方もわかっておらず、ポジショニングだけ決めて走り出したため、開発には非常に苦労しました。特に何万ページにも及ぶ大企業のWebページをクラウド化するのは、コストやメンテナンスの面で険しい道のりでしたが、何より利用者にとって価値あるサービスを提供したい、という想いでやり遂げました。


__無事に事業転換(ピボット)を果たし、クライアント数も順調に増え業績も安定してきましたが、ワークスアプリケーションズ社から独立するMBO(マネジメント・バイアウト)に至るまでの経緯を教えてください。

元々、外部からの資金調達を含め、事業成長の為に自由度の高いファイナンスをしたいという思いを持っていたものの、グループ全体の最適化の観点から新たな資金提供を受けにくい状況が続いていました。そして、会社の事業成長を考える中で、MBOも一つの選択肢として考えていました。折しも、ワークスアプリケーションズ社はファンドの傘下で経営立て直しを進める段階になったため、これを機会に親会社の事業における集中と選択にも貢献できればと思い、MBOを決意しました。


___ MBO前後において、DIプライベートキャピタルG(以下、DI-PCG)の提供したファイナンス面での助言はいかがでしたでしょうか?

DI-PCG には、フィナンシャル・アドバイザーとして、MBO検討前から相談し、MBO後にどんな選択肢があるか壁打ちして具体的なイメージが持てたので迷わずやり切れました。早い段階でディスカッションできて、スタートアップ界隈やVCファンド業界だけでなく、大企業やバイアウト・ファンドなど業界の垣根を超えたネットワークと知見を有するDI-PCGならではの客観的なコメントがもらえたのもよかったです。MBOしてから次の財務戦略を考えているのでは事業スピードも落ちてしまいますし、社員に対してMBO後の道筋を説明できたことは安心感につながったと思います。

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__今回のM&Aの経緯を教えてください。

MBO後、当初はIPOを目指すべく、VCファンドや事業会社も含め出資について協議をしていました。今回のM&Aの相手、エイジア社は出資候補先の一社で、初回面談からディール完了後まで、非常に誠実な対応で、一緒に手を携えて今後の事業成長を進めていきたいという力強い気持ちが伝わってきました。エイジア社の美濃社長を含め、議論を深めていく中で、事業成長とその先の事業創造を目的としたM&Aも一つの選択肢と思えました。


__日本のスタートアップ業界ではまだM&Aがマイナスの意味で語られやすい印象です。VCファンドからも出資のオファーを受けたとも聞きますが、M&Aに踏み出す決め手はなんだったのでしょうか?

M&Aは従来だとゴール、イグジット/出口という表現が多く、どちらかが取り込む、取り込まれるというイメージが強かったです。特に弊社自身はそのようなM&Aを望んでおらず、エイジア社とは、今後の事業成長に資する事業連携やシナジーがイメージしやすかったです。相互の顧客開拓の加速、資金・人材の交流等でメリットがあり、美濃社長からも共に会社を大きくしていこうというお話を頂き、私自身の起業家スピリットや弊社メンバーの能力と実績に対する強いリスペクトを感じて、最終的にM&Aに踏み出すことができました。


__今のコネクティにとっては、企業価値を(他の選択肢よりも)向上できると思ったからこそ、M&Aを決断したのですね。事業創造の手段としてのM&Aということでしょうか?

小さな会社が事業創造を目指す方法として、VCファンドから資金調達をし、IPOを目指すことが多く、1-2年おきに経営者は資金調達と財務戦略に多くの時間が取られます。既にグロース・ステージにあるコネクティが、今最もダイナミックに事業創造できる方法を考える中で出てきたのが、今回のM&Aだと思っています。

M&Aを契機として、エイジア社のもつメッセージ配信サービスとコネクティ社の企業のWebサイトという2つの大きなユーザーコミュニケーションツールを深化させ、大企業のDX推進をしながら、より大きな事業創造を両社で目指します。


__一緒に事業創造を目指すパートナーが見つかったのは大きいですね。今回のディールを終えて、コネクティの新たなスタートが始まったということでしょうか?

スタートアップM&Aは、買い手側もそうですが、参画した企業にとってもある意味セカンド・グロース(第二の成長)のスタートだと思っています。今回のケースでは、エイジア社の上場企業としての経営体制・ガバナンスのあり方、経営者の視点が見えることは大きいと感じています。そのような刺激を受けて、自社の意識が大きく変わり、結果として会社の成長に繋がるわけです。グロース・ステージで次なる成長の在り方について悩んでいる企業こそ、セカンド・グロースとして、M&Aを使って経営のギヤを上げることを狙ってもいいと思います。

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__セカンド・グロースのきっかけを掴むためのM&Aということでしょうか?

そうですね。起業家は、ある程度の規模の事業を作り上げることはできても、そこから一気にIPOできるほどの事業成長を継続することは狭き門です。いつの間にか事業継続がミッションになってしまっている創業から10年以上経過した起業家も多いと感じています。本当はもっと挑戦したいものの、社員や社員の家族、大切なクライアントを守るという責任が増すにつれて事業の勝負が徐々に難しくなり、キャッシュフローを保ちながら、現状維持の方向に舵をとることも多いです。そうした起業家に新たな成長の機会を与える起爆剤となるのが、セカンド・グロースを目指すM&Aなのではないでしょうか。


__事業創造に向けてセカンド・グロースを目指すM&Aは、多くの経営者、起業家に刺さるテーマなのではないでしょうか。最後にメッセージをお願いします。

起業家がセカンド・グロースを目指すM&A を検討するにあたり、フィナンシャル・アドバイザーの存在は欠かせません。今回のDI-PCGは単に会社と会社をマッチングするのではなく、コネクティを含めて一つのチームとして動いてくれました。当初はIPOを最優先で考えていたので、DI-PCGにエクイティストーリーと資本政策を助言してもらい、VCファンド、事業会社、PEファンドの全ての選択肢を実際に当たりながら、ありとあらゆる角度でディスカッションを重ねて、コネクティにとって本当にいい選択肢を一緒になって考えてくれたと感じています。


服部社長、ありがとうございました!


NEXTユニコーン経営サロンでは、VC/PEなどの投資家、大企業、様々な経営ノウハウやネットワークを有する先輩起業家や、著名な投資銀行家をはじめ、多彩な専門家との交流促進を目指すべく、紹介制のオンライン・オフラインのコミュニティをベースとして経験知の蓄積・共有・研鑽を推進してまいります。

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