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03【思いがけず、「りんご農家」になってみたらいろんなものが見えてきました】_永井温子

「りんごの未来への小さな一歩」プロジェクト

予定外だったけど、私が就農した理由。

 弘前市は、日本一のりんごの産地です。ただ、その担い手は減り続け、後継者不足も深刻です。そこで、これから就農したい人が挑戦しやすい環境をつくって、りんご産業が持続できる仕組みを作るのが、私が取り組んでいる「りんごプロジェクト」です。
 着任1年目にはNCL弘前のパートナー企業である弘前シードル工房kimoriさんで、りんごの畑仕事を学ばせてもらい、2年目からは自分で石川地区に畑を借りて「りんご農家」にチャレンジしています。
 実は就農するのは予定外だったんですが、いろんな方からお話をきいたり調べたりしているうちに、親元就農(親が農家でそれを子が継ぐケース)よりも、IターンやJターンでの就農の際に、いろんなハードルがあることに気づきました。じゃあ具体的に何がハードルなのかを知るために、自分でやってみよう、と考えたんです。

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やってみてわかった。畑仕事はフリーダム!

 畑仕事を学んだとはいえ、まだまだ素人同然の私。だからこそ失敗も含めた体験を発信することで、これから就農したいという人の参考になれば、と始めた「りんご農家」。実際にやってみて、いろんなことがわかりました。
 まず、畑仕事って、どう働くかを自分で決められるんだな、ということ。畑が草ボーボーでも「別にいっか」と思えばそれはそれで何とかなってて(笑)。拍子抜けな感じでしたが、とても気がラクになりました。
 ともすると、りんご農家はこうあるべきみたいな固定観念が先行しがちなんですが、もっと多様なやり方というかグラデーションがあってもいいのでは?と思うようにもなりましたね。自分がどういう生き方をしたいかが先にあって、その上で畑をどう作るかを考えればいいんじゃないかな、って。
 一方では、新規就農のハードルもいろいろわかってきました。具体的には地元の人のツテがないと用地を探すのが難しいとか、収穫したりんごを収める倉庫がないとか(まさにいま、私も倉庫がなくて困ってます…)。でもそういう相談窓口がないのが一番大変だ、とも思います。

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もっとカジュアルに就農できる未来へ。

 この経験を踏まえ、今後の目標としては、IターンやJターンの人が就農を気軽に相談できる会社を作ろうと考えています。就農後も貸倉庫をフォローしたり、販売手法の提案もしていくつもりです。
 あと、大変な話だけじゃなく、りんご畑での過ごし方が楽しいなと思ってたので、それをもっと発信していきたいですね。摘花とかの農作業そのものも面白いし、夏の作業の合間にアイス食べたり、時々みんなでモツ焼くとかも、とてもいい時間です。だからいずれ会社ができても、自分の畑も続けたいと思ってます。畑で過ごすのってほんと楽しいんですよー。

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【写真キャプション】
永井さんの畑では「千雪(ちゆき)」という品種を栽培。表面の点々模様が雪のよう、という可愛らしいりんごです。実を成らせすぎて枝が折れたりもしましたが収穫が楽しみ!

【プロフィール】
永井温子
福島県郡山市出身。弘前大学人文学部卒業後、地域密着系広告会社、総合広告代理店を経て、NCL弘前メンバーに。「りんごをもっと楽しもう」と題して配信サイトnoteに1日1投稿を続け、「りんごのある暮らし」の魅力を発信している。

(記事は2020年10月のものです)
Copywriter/川村伸 Photo/マスグラフィックス


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