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日記#18義母を偲ぶ

主人の母の命日は2月14日

20年前のバレンタインデーに亡くなった


義理の私がみていても亡くなるまでの数年間とても寂しがりやだったと思う

主人の妹が病院に泊まり込んで毎日世話をしていた

義母が夜娘が帰るの寂しく思ったからなのか、妹が義母の事が心配でたまらなかったからなのかは尋ねたことはなかったが

毎日毎日…頭が下がった

きっと私が同じ立場ならさっさと看護師さんに「後はお願いします」と帰るに決まっている

もちろん病院側としても大抵は付き添いは出来ない事になっている

ましてや今はコロナの為面会すら出来ない


2月14日義母が亡くなった日、主人と妹、弟達は皆病室にいた


悲しくて悲しくて皆が途方に暮れていた

義母は間違いなく愛されていた


お通夜

葬儀

粛々と


最後のお別れ…


その寸前に妹達が

狂った様に

泣き叫んで

駆け寄る

「いゃぁだぁ…お母さんいかないで…」


私は立ち竦んだ

何も言えなかった


愛して愛されて今がある

間違いなくここには愛があふれていた


親戚から抱き抱えられながら

泣きじゃくった妹達は

ようやく最後のお別れをした


私にはそんな感情が湧くのだろうか

少なくとも父の最後にはなかった

ほっとした気持ちと

これでやっと父も楽になれたなと

若い頃に病魔に襲われ、何度も何度も身体を切り刻み死を覚悟してきただろう人生、これからはゆっくり休んでと祈った

なので

泣き叫んでのお別れは

私の辞書にはそれまでなかった


映画の様なワンシーン


冷めているのだと思うけれど

変わろうとは思わない

これが私


義母の葬儀が全て終わって

自分達の家に帰宅する道中

笑える出来事があった


私が上着を脱いだ時に

袖口だったかポケットだったかは忘れてしまったが…


陶器で出来ている爪楊枝入れがポロンと出てきた

えっー?なんで?なんで?なんで???

入れたつもりはもちろんないし

さわった記憶も無い

ただ実家にあったことは間違いなく記憶にある

主人と二人でニヤリと笑った


これはきっと…

義母のいたずら

義母の思い

嫁の私に、息子をよろしくと

そんなメッセージかもねと

寂しがりやの義母だったから

側に居たかったのか

真相は不明だが

もうすぐ義母の命日

きっと忘れられたくなくて

バレンタインデーが命日なんだろう


皆元気でやっていますと

手をあわせよう


読んでいただいてありがとうございます

今日も明日も良いことがありますように

(カサブランカ)