子育て#19息子の事~やつれて帰省~
先月末に久しぶりに娘が帰省した。
息子にも会いたいとずっと思っていたが忙しいと聞いていたので諦めていた。
息子からLINEがきてやっと休みが貰えるから1泊しに帰って来ると。
良かった。
息子にも会える。
年末に会ったきりなのだが、新しい部署に昨年秋に移動すると決まった時に先輩から休み無くなるから覚悟した方が良いと有難い忠告を受けたと云っていた通り、春先から夏まで数ヶ月…実質3ヶ月以上休みが全く取れない毎日だったらしい。
どれだけブラックなんだと溜め息しかこちらは出ないし、なんと声をかけたら良いのかわからない。
そんな職場さっさと…と言ってしまいそうになる。
そこはぐっ…と我慢してこれまでの日常の話をする。食事とか、洗濯とか、給料とか彼女とか。
だいたい3年周期で部署の移動があるようであと2年は過酷すぎる仕事を続けなければならないはず。
休みが全く無いなんて…聞いたことがない。いったい何のどんな仕事なんだ。
ありえない。
ぶっ飛びそうになって時々ヤバかったとぽつりと息子は言っていた。
とにかく仕事量が多すぎて終わらないらしい。
私だったら…(そんな職場に勤務する事じたいありえないけれど)どうしてただろうか?辞める?倒れる?
多分続かない。
その部署に移動が決まった時点で"コイツならやってくれるだろう"と人事など誰かの推薦や思惑が見えているわけで。
それにまんまと引っ掛かってしまった哀れな息子。
身体を壊さないでいれるだろうか…心配なのだが、本人が辞めたいとは言ってない。ならこちらはどーんとおっきなおっきな愛を降り注いでいつでも待ってるよと伝えよう。
せっかく帰って来てくれたのだからと美味しい物を食べに。
私の認知症の母はちょうど2泊3日で自宅で過ごすスケジュール。息子の顔をみてもキョトンとしている。母の耳元で「孫の○○」と伝えてもキョトン。「大きくなったでしょう」と伝えると苦笑い。息子が小学生位の記憶で止まっているのかもしれない。
私の母が利用している看護小規模多機能送迎車が行ってしまってからの、ぽっかり空いた約6時間を有効に使う。
主人が張り切って息子を誘っていた。
過去1美味しいと思っている、アジフライを食べに2時間のドライブ。
途中海やら山やら 見ながら。
そのアジフライのお店とは、約2年前にコロナが少し落ち着き始め、母が腸閉塞で入院し医師から『暫く様子をみます』と連絡があって今ならと出掛けた所。
クチコミ評価はなんと4.4の高評価。
主人と二人で訪れ、アジフライとアジのお刺身定食を頼んで美味しくてペロリと食べたお店。
また来たいと思っていた。
息子のやつれた顔が痛々しかった。
美味しい物は元気にしてくれる筈。
店の入口にある順番待ちの紙に記名をしてから30分も待たずに席に。すぐにアジフライ定食を2つとアジの刺身定食1つ、アジフライ単品を注文。
暫くしてテーブルが溢れるほどの料理がやって来て、さあ、いただきます。
息子がまずアジの刺身を口に運ぶ。
ふわーっと息子の顔が高揚しうんうんとうなずきながらもう一口。更にアジフライにもかじりつく。
ごくりと飲み込んで「すごいね、びっくりした!」それからはパクパクと休まず食べ続けあっという間に完食。
私もやっぱり美味しくて無言で完食。肉厚で濃厚なアジフライだがフワッと柔らかく、でもサクッと歯ごたえ抜群。ソースもサラダもドレッシングもご飯もお味噌汁もお付け物も全部が美味しくて幸せだった。
息子の喜ぶ顔が見たかった。
大変な社会でくたびれて、お爺ちゃんの様にやつれた息子が少しでも元気になってくれたなら嬉しい。
数日休みが貰えたらしいがまた荒れ狂う職場に戻らないといけない。きっと行政が関わると完全にアウトの職場のはず。
帰りは最寄りの駅に送り「元気でね」と言うのが精一杯だった。
本当に元気でね…
大好きだよ…
ドライブ中に市民の森での迷子事件について聞いてみた。
覚えていた。
親達が何処にもいなくなった、おいていかれたと思ったらしい。
そんな筈は無いのにね。
生きていてくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
だからこそ元気でいてね。
読んで下さってありがとうございます
今日も明日も良いことがありますように(薔薇)