【史】WWWがインターネット?/IT全史を読む(22)
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年9月10日配信の書き起こしです。
読んでみよう
にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
WWWがインターネット?/IT全史を読む(22)
インターネットアプリの決め手
前回は現在僕たちが使っているインターネットが始まる過程を話しました。
インターネットで世界の各地がつながり始め、商用インターネットが始まる頃にインターネットの方向性を決定的にするアプリケーションが生まれました。
それはワールドワイドウェブというものです。
「何それ?」
という人も今は多いかもしれませんね。
でも大抵の人が毎日のように使っているものです。
よくホームページっていますよね?
ブラウザから見るページをホームページっていう言い方は実はちょっと変なんです。
ある情報を集めたサイトの一番最初のページのことをホームページっていうのです。
それ以外のページを一般化して言うならウェブページということになるでしょうか。
World Wide Webが生まれた背景
ウェブといのは蜘蛛の巣のことです。
世界中の様々な情報が蜘蛛の巣のようにつながり合うことから、 Web ページを構成するアプリケーション全体をワールドワイドウェブ(World Wide Web)というのです。
これを略して"w"3 文字で表すことがあります。
URL の最初にwwwとついているのを見たことがあると思いますが、これはワールドワイドウェブを表しているのです。
このアプリケーションは欧州原子核研究機構(CERN)で作られました。
そもそもは研究者が持つ文書の閲覧をスムーズにするために作られたシステムです。
ポイントは文章の中に埋め込まれるリンクです。
ウェブページで青の下線が引かれた文字をクリックすると、その情報のページにジャンプするやつですね。
こういう繋がりを文章に記述するために、 HTML という言語が作られたのです。
そして、そうやって文書と文書が繋がっている様子をウェブといったわけです。
World Wide Webの仕組み
その構成のごく基本的な仕組みを表現すると、
Web サーバーに HTML で書かれた文書がたくさんあり
その文書には決められたルールで世界中で一意に定まるアドレスがついていて
リンク先としてそのアドレスを書くことができ
アドレスを指定すると、その文書をウェブサーバからダウンロードして表示してくれるのがウェブブラウザ
ということになります。
この仕組みによってインターネット上にある様々な情報に簡単にアクセスできるようになりました。
当初は文字情報だけでしたが、画像が表示できるようになり、音も再生できるようになり、さらには動画も表示できるように拡張されていきました。
今は大半の人がこのワールドワイドウェブがインターネットだと思い込んでいるのではないでしょうか。
実はここで起きた大きな変化があります。
メディアの大きな転換点
文字も画像も音楽も動画も全てがデジタル情報として表現されていて、インターネット上ではそれがやり取りされているということです。
インターネット以前はこれらの情報は別々の手段で表現され、それぞれ独自のネットワークを通じて送受信されていました。
例えば、
文字情報は本とか新聞
音声情報はラジオ
動画情報はテレビ
といった具合です。
これらをデジタルに置き換えることで、インターネット上でこれらを混合して表現することができるようになったのです。
逆に言うと、それぞれのメディアが別々の手段で送られていた名残がラジオやテレビということになります。
このようなデジタルによる統合的な表現が可能になったことで、ネットワークを汎用的に使うことができるようになり、伝送する情報量あたりの通信原価が劇的に下がりました。
発信手段とコンテンツがはっきり分離された結果、昔はある程度の資金力を持つ人しかできなかった出版や放送などを誰もができるようになりました。
新しい表現手段を手に入れて、昔とは比べ物にならない数の人々が優れたコンテンツを生み出すようになりました。
僕たちはそういう変化の延長線上にいるわけです。
誰もが使えるようになるには?
ちょっと話を戻しましょう。
最初のウェブサイトがCERNのティム・バーナーズ・リーによって稼働したのが 1991 年です。
この頃はまだ誰もがインターネットを使えるようにはなっていませんでした。
大学や研究所・企業とマニアックな個人が使い始めた段階です。
それはインターネットへの接続手段がまだ限られていたからです。
次回はこの接続手段の変遷について話してみようと思います。
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おわりに
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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