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【技】AIをうまく活用するためには自己開示が必要になる


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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2023年9月27日配信の書き起こしです。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ

読書と編集の千葉直樹です。

このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書きそろばんを中心に様々な話をしています。

今回のタイトルは 、

【技】AIをうまく活用するためには自己開示が必要になる

というものです。

生成型AIのもの足りないところ

水曜日はITを中心とした技術的な話をしています。

生成型AIが話題になり始めて1年くらい経ちました。

実験的な段階から、少しずつ実用的な段階に入ってきたようです。

現在のAIを使ってみると、もの足りないというか、ちょっと面倒だなと思うことがあります。

どういうところかというと、やってもらいたいことを全部説明しなければならないところです。

この感じはなんとなくプログラミングっぽい感じだなぁと思うのです。

チャットAIを使っていると、Linuxなどで使うシェルのコマンドラインインターフェースを使っている気分になります。

それがほんの少しだけ自然言語に近づいただけみたいな感覚です。

40年近く前のUnixで、ちょっと面白いシェルがありました。

シェルというのは、Unixのコマンドを使いやすくするために、コマンドラインインターフェースに被せるスクリプトのことです。

Linuxの世界では、自分の好みのコマンドラインインターフェースを選べるし、さらに自分好みにカスタマイズすることができるのです。

そういうカスタマイズされたシェルがフリーウェアとして配布されていたりもしました。

ま、今使われている一般的なシェルもそのうちのひとつなわけですが。

その中に「ぼうけんシェル」というものがありました。

これはRPG風の味付けをしたシェルでした。

例えば、ファイルを削除するコマンドを打ち込んだとしましょう。

これが簡単に削除できないのです。

ファイルにはHPがあって、それが0になるまでコマンドを打ち続けないといけません。

万事がこの調子でUnixの世界をRPG的に戦いながら進んでいくのです。

それで仕事になるのかといったらもちろんならないのですが、まぁそういう遊び心がUnixを使う人々の間にはあって、コンピューターとの会話を便利にする努力が続けられてきたわけです。

チャットAIはそういう世界を思い出させます。

AIが学習するデータはどこからくる?

もちろんAIシステムは「ぼうけんシェル」とは比較するのがおかしいくらい大規模で複雑なシステムなのですが、 つまるところどこかにある情報を見えるようにしたり操作したりするものなのだというふうにざっくりと抽象化することもできるわけですね。

では、その情報はどこから来るものでしょう?

今使われているAIは、インターネット上にある大量の情報を学習したものです。

大胆に言い換えると、これは一般常識みたいな知識を持っているということだと思います。

これはこれで普通の人を凌駕する知識の量なのですが、ちょっと残念なことがあります。

それはローカルな知識が不足していることです。

日本の常識は世界の非常識なんていうことがありますが、もっと狭い領域でも同じようなことがありますよね。

東京の常識は大阪の非常識だったり、役所の常識は企業の非常識だったり、僕の常識はあなたの非常識ということもよくあります。

今のAIは、こういうローカルな常識をどうやって学習するかが課題なのですね。

難しいことのひとつは、学習すべき情報をどうやって集めるかということになります。

何かするときに、毎回AIに同じことを説明するのは面倒ですよね。

前にやったことは覚えておいてほしいでしょう。

こういうのをちゃんと覚えてくれるようになったとしましょう。

でも、ひとつずつ覚えさせていくのもちょっと面倒じゃないですか。

これまでの社会でも同じようなことはありました。

職場の新人さんに仕事を覚えてもらうときに、ひとまずマニュアルを覚えてもらったりしますよね。

マニュアルのない職場もあるかもしれませんが、きちんと体系化はしていないけれど、何らかのマニュアルがあるのが普通でしょう。

マニュアルがあるおかげで学習速度を上げられるのですね。

これは教科書や参考書も同じです。

人間が持っている知識を外部化していると考えることができます。

マニュアルも教科書もなかったら、何かを覚えてもらうのは大変ですよね?

これはAIも同じことです。

あなたのことを手早く覚えてもらいたいなら、あなたの情報を外部化しておく必要があるのです。

AIが学習できる形になった情報が何もなかったら、AIはあなたのことをゼロから学習していくことになります。

自分の情報を外部化しておくこと

ま、これでもいいのかもしれませんが、まあまあ時間がかかるでしょうね。

多分、AIを使いこなすということは、自分を知ってもらうことと同義になっていきます。

これは自分に関する知識を何らかの形で外部化するということで、これをすでにやっている人とやっていない人では、AIの使いこなしに差が出てくるでしょう。

そんなわけで、コツコツ自分に関する情報を外部化しておくと、近い未来に便利なことがあるかもしれないと思うのです。

最近、GoogleのチャットAIであるバードに、Google Workspaceの情報を参照できるようになるという機能が追加されました。

マイクロソフトもCopilotという形で、ローカルに囲い込んだ情報を使えるようになってきています。

これは、AIが個別のローカルな情報を学習できるようになったということで、自分用のAIを作る第一歩ということができると思います。

自分用AIを作るには、自分の情報を外部化する必要があります。

それは自己開示みたいなものではないでしょうか?

まるで人付き合いの苦労みたいですよね。

AIとのお付き合い、あなたはどう思いますか?

今回は、AIをうまく活用するためには自己開示が必要になる という話をしました。

今日はここまで。

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今後配信の中でお返事をしていきたいと思います。

おわりに

読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。

ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。

詳しい内容については、概要欄のリンクから、または「読書と編集」と検索して、猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。

概要欄にリンクがありますので、フォローいただけると嬉しいです。

この配信の書き起こしをnoteで連載しています。

今日もワクワクする日でありますように。

千葉直樹でした。

ではまた。

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