🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/5/25～31］

正木伸繁 @nbmasaki　🍣デリバリー事業会社マーケ担当

2020年6月1日 06:14

📰プレスリリース

📰デリバリー特化型クラウドキッチン「Our Kitchen」　2020年6月に東京・六本木にオープン

リノベーションのプロデュースとディレクションをメインに事業展開する株式会社建築商売は、デリバリーに特化したクラウドキッチン「Our Kitchen」を2020年6月に東京・六本木にオープンする。

色々な業界が参入し始め、クラウドキッチンはどんどんと増えてきている印象です。

個人的な見解ですが、今流行っている使い方は、

・1～3種類程度しかないコンセプト特化型（◯◯丼のみ、パワーサラダのみ、ドリンクのみ等）
・同じキッチン内で5～10程度の（コンセプトが被らない）ブランドを展開
・人気の無いブランドは2～3ヶ月で変更

というように、なかなか外食ではできなかったトライアンドエラー的な使い方＋飽きさせない（ブランド＝商品カテゴリ的な）使い方をしている印象です。

とはいえ、流行の揺り戻しと共に、良い意味でのレガシーなブランド追求、デリバリー特化ではなくリアル接点も重視、みたいな流れもまた来ると思います。

📰あのお店のこの料理が食べたい！そんなわがままを叶えます「AutoReserve」がデリバリーサービスを開始

AIによるレストラン予約代行サービス「AutoReserve」を運営する株式会社ハローが、飲食店に特化したデリバリーサービス "AutoReserveデリバリー" をリリース。従来のデリバリーサービスとは異なり、いわゆる "登録店" の枠に縛られず、ユーザーは好きなレストランのテイクアウト商品を自由にリクエストが可能。そのリクエストされた商品をAIサービスと連携した配達員が自宅までお届け。

つまりテイクアウト商品の配達代行ということで、単純に買い物代行とも言えますね。
UberEatsのようなプラットフォームだと、飲食店とユーザの両方から徴収できますが、当サービスだとユーザ側からしか手数料を徴収できません。
なので、公式店舗登録という窓口が用意され、サイト内の優先表示と引き換えに決済手数料を徴収する、という形になるのではと思います。

📰「＃〇〇エール飯“美味い”はコロナに負けない」まとめサイトを公開。SNSマーケティングツールOWNLY（オウンリー）

スマートシェア株式会社は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、各地域が始めた飲食店情報をSNSでシェアし応援するプロジェクト「＃〇〇エール飯“美味い”はコロナに負けない」に賛同し、『全国版＃〇〇エール飯まとめサイト』を公開。

当サイトを見ると、各ご当地のハッシュタグはすでに150個を超えていますね（驚
また、その一つ一つを見てみても、かなりの数の画像や動画が投稿されており、エール飯ハッシュタグの浸透度がうかがい知れます。

🗾国内のニュース

🗾「ヒトサラ」掲載のテイクアウトメニューをそのまま注文　ペイアプリ「Picks」と連携

USEN Mediaが運営するグルメメディア『ヒトサラ』と、DIRIGIOが運営するモバイルオーダー＆ペイアプリ『Picks』を連携し、『ヒトサラ』を通じて『Picks』掲載店舗のテイクアウト注文・決済を可能にする取り組みを開始。

中国において、美団が大衆点評という口コミサービスを買収し、そこにデリバリーをプラスしたことが餓了麼を超えるきっかけになったように、グルメ検索サービスとフードサービスの親和性は非常に高いのですが、できればテイクアウトだけでなくデリバリーもできるとより良いですね。

🗾タクシーの食品宅配、解禁検討

国土交通省は衆院国交委員会で、タクシーによる食品宅配の解禁を検討すると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、客の減ったタクシー業界の支援と宅配需要への対応を目的に、9月末までの特例として認めており、業界から継続を求める声が上がっていた。

ヒト・モノ・フード…"運ぶ"ということにおいて、各業界の壁がどんどんと無くなってきましたね。
（色々と規制があるものの）これからはアジアにあるようなバイクタクシーのように、小回りが利きつつ人や荷物も運べるような形態の需要が増えてきそうです。

🗾ウーバーイーツ配達員への保険サービス　損保ジャパンなどが商品化

利用が急増しているフードデリバリーサービス「ウーバーイーツ」の配達員がけがをしたり、入院したりした際、傷害や所得を補償する保険サービスが登場。損害保険ジャパンがフリーランス、個人事業者や副業を営む会社員らが加入する一般社団法人プロフェッショナル＆パラレルキャリア・フリーランス協会（フリーランス協会）と協力し、商品化。

「提供するプランは24時間365日補償で、配達員が待機中も対象とする。」とのこと。

デリバリーの急増に比例して配達員も増加したことで、相対的に事故も増えており、こちらの記事によれば死亡事故も起きている、とのことで、フードは特に即配が求められますが、まずは安全を第一に考えていただきたいですね。

🗾「ウーマーイーツ」で飲食店支援

新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した飲食店を支援のため富士吉田市でウマで弁当を配達するユニークなサービスが行われている。都内などで人気の配達代行サービスの名前をもじって「ウーマーイーツ」と名付けられたこのサービスで、配達する荷車を引くのは地元の神社で飼育されている馬の「ベートーヴェン」。

今週のトップニュースにしたいくらいですが（笑）
ご当地◯◯やマッチョ等様々な◯◯イーツを紹介してきましたが、インパクトはこれが一番ですね。遅れたって許しちゃう。

🗾トリドール／デリバリー専門「ゴーストレストラン」運営会社に出資

トリドールホールディングスは、実店舗を持たないデリバリー専門のゴーストレストラン「Ghost Kitchens」を運営するゴーストレストラン研究所に出資したと発表した。

🗾デニーズ　周到な計画でコロナ禍にゴーストキッチンを展開

新型コロナウイルスの感染症拡大によって飲食店が大きなダメージを受けるなか、デニーズはゴーストキッチン（食事スペースがない宅配専用店舗）で攻勢をかける。その決断の裏には、セントラルキッチンを持たず、店内調理にこだわってきた同社の強みを発揮するための周到な準備があった。

出資をする企業、自ら展開する企業、方向性はいろいろありますが、外食チェーンにおける食体験の模索が活発化してきています。

トリドールは出資に留まらず、何某かの業態の出店を狙っていると思っていますがいかがでしょうか。
デニーズはセントラルキッチン的な使い方で９店舗のデリバリーを受け持つようです。なるほど、こういった使い方もアリですね。

🗾即時配送「Prime Now」、アマゾンの直接販売を7月末で終了--「ライフ」の商品に変更へ

アマゾンジャパンは即時配送サービス「Prime Now」において、配送地域に渋谷区、世田谷区、目黒区を追加したと発表。これにより、対象エリアは東京20区に拡大。2020年夏までに残りの3区（大田区、品川区、港区）に加え、狛江市、調布市、三鷹市、武蔵野市（一部エリアを除く）の東京23区と4市が対象になるとしている。

「直接販売・配送を7月31日で終了し、8月1日よりライフ販売分に切り替える。」ということで、ライフのネットスーパー＝Prime Nowという形になり、ライフとしてはAmazonを媒介としてうまくデジタル化を推進させたことになりました。（Prime Nowという名前は継続なのかしら？）

完全移行ということで、商品内容や営業時間が変わりますが、これがどのように影響するのか、Prime Nowを使ってPC周辺機器やモバイルアクセサリを買うイメージが無いので、完全にネットスーパーに振り切った方がわかりやすいと思います。

🗾テイクアウト・デリバリーの容器はどう選ぶ？失敗しない容器の選び方、4つのポイント

本記事では中食サービスで使用する容器の選び方について解説する。失敗のない容器の選び方とはいったいどのようなものなのだろうか。今回はテイクアウト用の容器を販売・製造する株式会社シモジマに飲食店に必要な容器の選び方について伺った。

こちらはコラム記事ですが、実際にテイクアウトを導入・導入検討している飲食店はとても参考になる記事ですね。

容器選定における4つのポイントがこちら↓

① まずは用意すべき備品の種類とその特性を知る
② 客層に合わせた容器選びで他店と差別化を
③ 容器コストを知って適正に収益を立てよう
④ まずは小ロットからスタート

取り扱っている料理との相性やコストは大前提として、やはり顧客側としては②に気を配ってほしく、コンビニやお弁当屋さんでは無い食事体験を街のレストランには求めているはずなので。

🌎海外のニュース

🌎配送ロボがシリコンバレーの街中を快走、非接触経済の要に（有料会員限定記事）

人との接触を避ける「コンタクトレス」配送や省人化に向けて、シリコンバレーやサンフランシスコのスタートアップが、自動運転による配送サービスを本格化している。人件費の削減が大きな目的を占めていたが、コロナ禍とそれに伴う外出制限による食料品や医薬品などの配送需要の急激な高まりで、活発化している。

ロボット系の記事はよくあるものの、実働映像があまり出てきませんが、当記事にはリアルな映像があって参考になります。
丸っこいフォルムのロボットが一生懸命運んでいるような、何とも言えない愛嬌のある姿は見てて飽きないですね。

日本ではZMP社がこの分野で先行しています。デリバリーだけでなく、警備ロボットというのは面白い取り組みですね。

🌎フードデリバリの「最適ルート」を探せ！ーー需要高まる“物流A/Bテスト”に商機あり

配達プラットフォーム企業が物流事業を運営する場合、その事業がどのように機能するかについて、細かくルールを決める意思決定アルゴリズムを構築する必要が出てくるが、最終的にこの意思決定モデルは、規模が大きくなるとかなり複雑になり、コントロールできなくなる可能性が出てくる。

早い話が「デリバリープラットフォームにおける配車や配達時間算出の仕組みは非常に複雑→専用のサービスを提供するスタートアップ（nextmv）を紹介」ということですね。

逆に各プラットフォーマーはここの精度が１つの差別化ポイントだと思いますが、そのためにUberのように多くのエンジニアを抱えないで他に費用を投下していく、という判断もありそうですね。
実際に以前取り上げたことのある南米のデリバリーサービスRappiも同社サービスを使っているようです。

🌎DoorDash、独立系レストラン向けのEコマース注文プラットフォームを追加

DoorDashは製品ラインを拡大し、COVID-19の次の時代に向けてレストランを支援するEコマース・ソリューションを提供。DoorDash Storefrontと名付けられたこの新しいプラットフォームは、現在ウェブサイトでのオンライン注文を提供していないDoorDashのレストラン・パートナーの約40%を対象としている。

いわゆるレストランにおけるWEB注文のホワイトラベル提供ですね。
配達自体はDoorDashの配達員を使うので手数料は発生しますが、顧客データは自分たちのものになり、よりレストランの自立（時代への適応→新規・売上の増加）を促せるということのようです。

🌎Takeout For Good and Menus Go Tech

6月2日に行われるテイクアウト・フォー・グッド・エフォートと、レストランが再開する際にゲストやスタッフをより安全に保つために設計された製品の数々を特集。

GroupRaiseという飲食店向けのコミュニティ団体におけるTAKEOUT FOR GOODという取り組みと新型コロナに対する様々な企業の取り組みについて解説していますが、冒頭に「31 Min Read」とあるように相当なボリュームです。

ハンドスキャナーやパーテーション、フェイスシールド等のプロダクトや、非接触注文や受注管理等のソフトウェアに至るまで様々な企業のサービスを紹介しているので、非常に参考になります。

以上。

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