🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/11/9～15］

正木伸繁 @nbmasaki　🍣デリバリー事業会社マーケ担当

2020年11月16日 07:15

📰プレスリリース

📰『出前館』、LINEアカウント連携開始！

日本最大級の出前サービス『出前館』は、LINEアカウントとの連携を行った。これにより、『出前館』でLINEアカウントでのログインが可能となるほか、LINEアプリからお客さま一人ひとりに合ったお得な情報をお届けする。

早速紐付けをしましたが、すんなり実施することができました。
本リリースはLINEアカウントとの連携をメインとしていますが、LINEデリマが出前館に統合されることの方が大きなニュースですね。

ブランドとしては出前館に統合されますが、運営体制やLINEアプリ内での立ち位置を見ると、出前館側がLINE内に吸収・統合された、と言った方が正しいかもしれません。

📰TP東京「TAKE PACK」が北欧発フードデリバリー「Wolt」と連携

サステナブルパッケージのオンラインストア「TAKE PACK（テイクパック）」を展開する株式会社TP東京は、フードデリバリー事業「Wolt（ウォルト）」を展開するWolt Japan株式会社と連携し、全国の飲食店向けにサステナブルな素材を使ったテイクアウト・デリバリー用容器の導入を支援。

環境への配慮はもちろんのこと、そもそも容器としての質が高いので、届いた時の華やかさが想像できますね。

包材としての原価率として見ると、若干高いかもしれませんが、それに勝る満足度を演出できそうですし、何よりサステナブルを理念とするWoltが推進しているあたり、サービスとしての一体感は高そうです。

🗾国内のニュース

🗾ローソン、フードデリバリーサービス「foodpanda」導入　5店舗では同時に「Uber Eats」も

ローソンは、「foodpanda Japan」が運営するフードデリバリーサービス「foodpanda（フードパンダ）」の取り扱いを、札幌市と福岡市の直営店7店舗で11月17日に開始すると発表した。

UberEatsに続いてfoodpandaにも展開してきました。
このあたりのスピード感はセブンやファミマより早く、Woltやmenuなど他のプラットフォーマーにも声を掛けているのかもしれません。

🗾最新のフードテック・レストランテックを導入した「ラーメンWalkerキッチン」

角川アスキー総合研究所は、KADOKAWAが埼玉県所沢市に開業した日本最大級のポップカルチャー発信拠点「ところざわサクラタウン」の施設内にラーメン文化の発信基地を目指した“店主ブッキング型”のラーメン店「ラーメンWalkerキッチン」をオープンした。

「今回の店舗開業をきっかけにメディアとリアル店舗が連動した新しいマーケティングソリューションを展開」とあるように、コンテンツがリアル体験を伴って新しい価値を作り出す手法は、特にフードの分野では今後も増えてきそうです。

また、様々な最新機器も導入されているということで、既存商品だけでなく新たな商品が生まれる拠点として、調理側にとっても刺激のある場所だと思います。

🗾木曽路、千葉の焼肉店「大将軍」を買収　初のM&A

木曽路は焼き肉チェーンを運営する大将軍を完全子会社化すると発表。木曽路は冬期に売り上げが偏る一方、焼き肉は夏期の売り上げが比較的大きい。会社全体の業績の季節変動を小さくし、焼き肉事業をしゃぶしゃぶに次ぐ柱にする考えだ。

自社のポートフォリオ強化ということで、季節的な要因もそうですが、やはりコロナ禍における、しゃぶしゃぶというプロダクト特性も大きな影響があるのではと思います。

🌎海外のニュース

🌎ソフトバンク出資の日用品宅配GoPuff、360億円で酒屋チェーンを買収

日用品のデリバリー企業「GoPuff（ゴーパフ）」が、酒屋チェーンの「BevMo!（ベブモ）」を3億5000万ドル（約362億円）で買収すると宣言。GoPuffはカリフォルニア州などでのプレゼンスを急速に拡大しようとしている。

記事には、「日用品のデリバリー分野で最大の売れ筋となっているアルコールにおいて、現状では営業地域のほぼ半数のみでしか販売できていない。」とあるように今回の買収の大きなメリットは、「酒類の販売ライセンスを迅速に入手できる点」とのこと。

🌎チポトレが最初のゴーストキッチンを展開

Chipotleのデジタルキッチンは、ファストカジュアルチェーンが密集した都市部で拡大するためのより大きな柔軟性を与えるだろうと同社は述べた。

確かチポトレはDoordashが運営するゴーストキッチンに出店していましたが、ついに自社でも展開する、ということですね。

記事には、「この新しい店舗形態により、フルサイズのレストランを設置できない都市部への進出にも柔軟に対応できるようになるとしている。」とあるように、デリバリー需要増により出店ハードルが一気に下がったこのタイミングで、エリア拡大を狙ってきています。

🌎Foodpandaがシンガポール、マレーシア、台湾、フィリピンでセブンイレブンを展開し、Qコマースを拡大

アジア太平洋地域をリードするデリバリープラットフォームであるfoodpandaは、アプリ上で2,500店舗以上のセブンイレブン店舗を表示させ、シンガポール、台湾、マレーシア、フィリピンでもコンビニエンスストアを利用できるようになった。

QコマースとはQuickの頭文字で、Eコマースの中でもオンデマンドで即時配送のカテゴリを差すようです。

記事には、「今回の提携により、ホットフード、インスタント食品、スナック、アルコール、プリペイド式携帯電話カードなど、セブン-イレブンの数百種類の商品を平均20分以内にお届けできる。」とあるように、コンビニ宅配が世界各地で増えてきています。

さらに「24時間365日いつでも配達が可能。」とあり、その本気度が窺えますね。

🌎配車グラブ、食品宅配走る　ネット需要が本業補完

東南アジア配車最大手のグラブが食品などの配送に乗り出している。インドネシアやタイなど8カ国で築いた配車網を生かし、提携する約1万3千店の小売店から商品を配達する「ネットスーパーの黒子」役を担う。少量でも注文から30分程度で届ける小回りの良さを武器に、新型コロナウイルス禍で急拡大するネット消費を取り込む。

こちらはGrab×日用品宅配の事例で、「タイ、マレーシア、インドネシアではファミリーマートと提携。」とのこと。

配車から始まったGrabもUberEats同様に配送のプライオリティが格段に高まっていますね。

🌎アマゾンはユーザのガレージに直接食料品を配達する

アマゾンは本日、拡大する「Key」サービスの一環として、食料品を人の車庫内に直接配送するサービスを開始すると発表した。

そしてこちらはAmazon×日用品宅配の事例で、ガレージ直配送のサービスを開始したとのこと。
車のトランク配送やウォルマートの冷蔵庫配送など、アメリカでは受け取り方が多様化してきており、逆に言うとそれだけ課題感がある、ということですね。

🌎米料理宅配DoorDash、12月上場へ　SBG系が筆頭株主

米料理宅配サービス最大手のドアダッシュは13日、ニューヨーク証券取引所に上場すると発表。上場時の時価総額は250億ドル（約2兆6000億円）を超えると見込まれ、ソフトバンクグループ傘下のファンドが筆頭株主であることも判明した。

年々拡大しつつも損失が減ってくる中で、2月に行っていたIPOがコロナ影響によって停滞してしまいましたが、逆にコロナにおける需要増で一気に存在感が増した結果、改めてIPOに向けての動いたということでしょうか。

こちらはおなじみSecondMeasureの内訳ですが、シェアがほぼ半分にまで増えてきたので、まさに好機といったところでしょうか。（コロナ前に比べて4～5%くらい上がっている印象です）

※出典：SecondMeasure

🌎「Uber Eats」で処方薬の配達サービス--まずテキサス州3都市で

Uberは「Uber Eats」アプリを使った処方薬の配達サービスを、テキサス州のダラス、オースティン、ヒューストンで開始することを明らかにした。このサービスは、Uberのユーザーと、大手チェーンに属さない地元の薬局とを結びつけるものだ。

処方薬デリバリーと言えば、ウォルマートが先行しているイメージですが、UberEatsも フード ⇒ 日用品 ⇒ 市販薬・処方薬 と、順調に取り扱いの幅を広げてきています。
果たして薬の次は何か？

🌎マクドナルドの新しいロイヤルティプログラムは、デジタル、ドライブスルーの機会を最適化します。

同チェーンは、来年の全国展開に先立ち、アリゾナ州フェニックスの一部のレストランで、すべてのデジタルタッチポイントでパーソナライズされた注文とお得な情報を提供するプログラムのパイロットを開始する予定。

こちらの記事にマクドナルドの成長戦略が詳細に載っています。

メインは、ユーザにに迅速で簡単な体験を提供し、ロイヤルティを強化するための強力な基盤を構築することで、3つのD（デジタル、デリバリー、ドライブスルー）という柱を掲げています。

デジタルは全てのベースになりつつ、特にパーソナライズという点を強化、デリバリー店舗を増やしつつ、ドライブスルーをアップデートさせることで体験価値を向上させ、ロイヤルティ向上を図っていくとのこと。

🌎マクドナルドが植物由来肉を独自開発する「McPlant」を準備中

McDonald’s（マクドナルド）は「McPlant」という植物性プラットフォームを開発中で、2021年前半に世界中の市場に提供する予定。同社の独自製法はバーガー、代替チキン、朝食のサンドイッチなど植物性製品全般に広がる可能性があるという。

以前、BLTならぬPLTとしてトライアル販売していましたが、ついに本格導入を視野に入れてきましたね。

各ニュースサイトでは「ビヨンド・ミートとの提携」というかたちで報じていますが、マクドナルド側としては公式見解として認めていないとのこと。

とはいえ、自社でイチから開発する必要は無いわけで、どこかの企業が技術提供しているのはもはや明らかですね。

以上。

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