🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/1/20～26］

2020年1月27日 06:30

🤩今週のトップニュース

🤩赤字続きのウーバー、インドの料理宅配事業を売却

米ウーバーテクノロジーズはインドのフードデリバリー事業を地場の同業企業に売却したことを明らかにした。売却先は、米セコイア・キャピタルや中国のアリババ集団などが出資する「ゾマト・メディア」。

売却したのはフードのみで配車サービスは継続とのこと。
これでインドのフードデリバリーはZomatoとSwiggyの２強（両社でシェア約80%）となり、しばらくはこれで落ち着きそうです。

ここ最近Uber（UberEats）の撤退や売却が多いなぁと思いましたが、それ以上に展開している国（都市）が思った以上に多く、ざっくり調べてみるとUberEatsは約45の国・約600都市で展開していました。（Uberは約70の国・約700以上の都市）

UberEats展開国
アイルランド・アメリカ合衆国・アラブ首長国連邦・アルゼンチン・イギリス・イタリア・ウクライナ・ウルグアイ・エクアドル・エジプト・エルサルバドル・オーストラリア・オーストリア・オランダ・カナダ・グアテマラ・ケニア・コスタリカ・コロンビア・サウジアラビア・スイス・スウェーデン・スペイン・スリランカ・チェコ共和国・チリ・ドミニカ共和国・ニュージーランド・パナマ・バングラデシュ・ブラジル・フランス・ペルー・ベルギー・ポーランド・ボリビア・ポルトガル・ホンジュラス・メキシコ・ルーマニア・ロシア・香港・台湾（中華民国）・南アフリカ共和国・日本

日本にいるだけでは到底想像がつかないような国にまで進出しているスピードはさすがですね。

📰プレスリリース

📰フードデリバリー、ゴーストレストラン、クラウドキッチンに特化した専門メディアスタート！

飲食店の遊休時間シェアを手がける株式会社よじげんは、同社が運営する間借り物件情報サイト『よじげんスペース』をリニューアルし、フードデリバリー、ゴーストレストラン、クラウドキッチンを中心テーマとする飲食店のデジタルトランスフォーメーション専門メディア『よじげんスペース』を1月24日より開始。

なかなかピンポイントなメディアが登場しましたね。
「まずはフードデリバリー、ゴーストレストラン、クラウドキッチン、この３領域に関することはよじげんスペースをみる、又は荒木に聞けば正しい答えがわかるという辞書的なポジションを確立していきたい」とのことですので、私も存分に学んでいきたいと思います！

📰タベルテクノロジーズ、お弁当型社食サービス「greenデリバリー」を新たに開始。

“近くの飲食店が社員食堂に” をテーマに、社員の健康に配慮した全く新しい社食シェアリングサービス「green」を展開する株式会社タベルテクノロジーズは、新たに毎日の昼食で利用できるお弁当型社食サービス「green デリバリー」を開始した。

社食という切り口でイートイン割引を行うサービスからデリバリーへの横展開ということで、特に配送の部分はどうやって行っているのか、それにより顧客側の条件（１日の発注個数、配達時間、契約期間等）がどのようなものか、職業柄こういった部分がとても気になりますね。

🗾国内サイトの記事

🗾便利な出前代行サービスの裏でレストラン側が泣いているという証

利便性を武器に急速に拡大しつつあるフードデリバリーサービスだが、レストラン側からは「手ひどいやり口が横行している」との声が挙がっている。

Grubhub・DoorDash・Postmates等のフードデリバリーサービスが、レストラン側の申請や許可なく登録していたとのことで、当事者の憤りもさることながら、その企業姿勢に驚きですね…。
結局レストランはもちろん、ユーザも配達員も困るわけで、だれも幸せにならないと思うのですが、規模拡大を急いだ結果ということでしょうか。

🗾｢実質時給286円も実在｣急増するUber EATS配達員はワーキングプアか

アプリを通じて飲食店の料理を運ぶ「ウーバーイーツ」の自転車配達員の稼ぎはどれくらいか。ジャーナリストの溝上憲文氏は「配達員の報酬は完全歩合制。働き方次第では東京都の最低賃金（1013円）を下回ることもあり、配達員を保護する法整備が必要ではないか」という——。

毎度勃発する「配達員は個人事業主か？従業員か？」問題ですね。
カリフォルニア州では法的に保護されるようになりましたが、副業なのか専業なのか、稼働時間と実質的な稼ぎはどのくらいか、事故などの保障含めてまだまだ課題はあります。

そんな中、Uberの配車サービスで新たな施策が出てきました。

ドライバーに料金の裁量権を与えるもので、
　・ウーバーが設定した料金の最大5倍を請求できる
　・ウーバーが設定した料金の10分の1にまで引き下げることができる
というものです。

確かにこれなら、"ユーザとドライバーが双方で納得したマッチング"というイメージがより強くなり、結果的に"従業員"というよりも"個人事業主"という見え方ができますね。（ドライバーのモチベーションも上がりそうですが、使いこなせるかどうかでその成否が変わってきそうですが。）

そして国内ではChompyという新しいフードデリバリーサービスが登場するとのことで、まだその詳細はわかりませんが、ドライバー募集について問い合わせた以下の記事が参考になります。

面白いのが「ベテラン配達クルーWelcomeキャンペーン」というもので、他フードデリバリーサービスでの配達回数×5円がお祝い金として支給されるとのこと。（配達員にとっては同じ仕事内容であればより稼げる方が良いですからね。）

ここまでコストをかけて配達員を確保し、本当に利益が出るのかはわかりませんが、今後は、配達員も配達回数や顧客満足度、配達スピード等でスコア化され、それこそ個人事業主として逆に各サービスからオファーがかかる、みたいな世界も出てくるのかもしれませんね。

🗾インドネシア「Go-jek」の宅配にサブスクプラン登場、30分以内配達のオプションも

インドネシア発のユニコーン企業Go-jekは、自社フードデリバリーサービス「GoFood」の新機能の提供を開始。同機能にはサブスクリプションプラン・ピックアップオプション・保証付き配達時間サービスが含まれる。

Go-jekが運営するGoFoodに３つの新機能が追加とのこと。

GoFood Plus：サブスクリプションサービス（期間内の全ての注文に対して割引を受ける）
GoFood Pickup：テイクアウト注文
GoFood Turbo：30分以内のフード配達を保証

Foodは正統な進化を続けていますね。
特に配達保証のTruboは、スポットで容易に配達員をアサインできるデリバリープラットフォーマーならではの機能で、自社配送をしている店舗にとってはとても導入しづらい優良な機能です。

🗾作りたての料理を注文できる「インスタカート・ミールズ」、米パブリックスが導入

米買い物代行サービス大手のインスタカートは、スーパーマーケットで作りたての料理を注文できる新サービス「インスタカート・ミールズ」を米大手のパブリックス・スーパーマーケットが導入したと発表した。

インスタカートはそもそも買い物代行なので、スーパーにある出来合いの総菜も注文できると思いますが、サンドイッチ等カスタマイズ性の高い商品を注文が入ってから調理するので、フードデリバリー＆テイクアウトの分野になりますね。
それにしても「数週間でフロリダ州内の約800店舗でインスタカート・ミールズに対応、数ヵ月以内に全約1200店舗に広げる。」と記事内になるので、相当力を入れた施策のようです。

🥩代替肉関連

🥩インポッシブル・フーズがマクドナルドとの提携を断念か

植物由来の代替肉を製造販売する米インポッシブル・フーズは、大手ファーストフードチェーンの次なる顧客として狙っていたマクドナルドの説得を断念したと伝えられている。協議が物別れに終わったのは、不安材料が多かったためだという。インポッシブル・フーズ側が十分な代替肉バーガーを生産できず、うまくいかないのではないかと懸念されたのだ。

供給力の問題とのことですね。
すでに競合のビヨンド・ミートがトライアル販売で商品供給を始めているので、今のところは分が悪そうです。

また記事の２ページ目には、以下の内容が書かれています。

代替肉の本当の利点
アフリカ系アメリカ人男性の44%近く、アフリカ系アメリカ人女性の48%が、心疾患を含む何らかの循環器疾患にかかっている。そうした病気を予防するひとつの手段として挙げているのが、健康的な食生活。したがって、植物由来の代替肉は、アフリカ系アメリカ人における循環器疾患の割合を下げてくれる可能性がある。

そもそも代替肉が実質的に健康に良いのかは議論の余地ありですが、ハンバーガーのパテが代替肉になったからと言って改善するものか？という疑問もあります。
ただこちらの記事を見ると、アメリカ人は2～3日に１度はハンバーガーを食べている計算なので、その影響度は相当なものかもしれません。

アメリカでは1人当たり年間150個を食している。これは年間7個の日本人の消費量の20倍以上。

こちらはマクドナルドの代替肉バーガー（PLT）の試食動画。

🥩スタバ、朝食メニューに代替肉検討－ビヨンド・ミート株急騰

世界最大のコーヒーチェーン、米スターバックスは朝食メニューの見直しで代替肉の採用を検討していることを明らかにした。これを受け、植物由来の代替肉を手掛けるビヨンド・ミートに注目が集まり、21日の米市場で同社株は一時19％高となった。

この記事の元になったものがこちらのCEOのメッセージです。

5つの環境戦略
1. 植物ベースのオプションを拡大し、より環境に優しいメニューに移行する。
2. 使い捨てから再利用可能なパッケージに移行する。
3. サプライチェーンにおける革新的かつ再生的な農業慣行、再植林、森林保全、水補給に投資する。
4. 店舗と地域社会の両方で廃棄物を管理するためのより良い方法に投資し、食品廃棄物の再利用、リサイクル、排除を促進する。
5. 私たちは、より環境に優しい店舗、運営、製造、配送を開発するために革新する。

SDGsの文脈でスタバが進むべき方向性を表明していますが、プラスチックストロー対策等すでに動いていますし、具体的な数値目標も書かれており、企業としての責任感を強く感じるものになっています。

また、ピックアップ専門の２店舗目がオープンしたそうですが、こちらは5.のカテゴリに属するものですね。

🥩日本ハムも参入、世界で注目の｢植物肉｣。市場で勝つための3つの成功要因とは？

アメリカの食肉市場における植物肉の成功の方程式は何なのか、日本ではどのようにすれば流行るのか、先行する企業や市場の動きから｢3つの成功要因｣として考察したい。

３つの成功要因とは、こちらです。

1. ｢本当においしい｣から買ってもらえる
2. ｢成分ブランディング｣による商品開発
3. 大手外食チェーン向けの戦略と供給能力

1.は大前提として、2.は確かに不安を取り除くという視点で、存分に出していかなければならないポイントですね。
3.にも共通してきますが、特に健康志向から遠いファストフードで取り扱う場合、とても重要になってきそうです。
それにしても記事には「すでにアメリカのスーパーでは商品が溢れていてすでにコモディティ化のリスクを抱えている」とありますが、すでにここまで進んでいるんですね。

以上。

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