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父よ!祖父よ!貴方達を侮辱罪で告訴する!

祖父よ!父よ!あなたを侮辱罪で告訴する!

それは平成元年の涼やかな日の出来事だった。

勉強の嫌いな彼は勤勉で努力家の秀才である偉大な祖父に英語の勉強をみて貰っていた。

勉強中の彼は痛々しかった。

丁度、中学に上がったばかりで自我の芽生えが家庭環境の変化についていけなかった様に思う。

「おい!馬鹿!何で三単現のSを忘れる?」

何でだろう?同じ間違いを繰り返す。

彼は既にSに犯されていた。

代々医者の家系である。

天才と謳われた父から、なぜ?出来損ないが産まれたのか?

もう十分過ぎる位、感じていた。

いわき市の実家は12代目を数え、600 坪もある自宅は狭いアパート暮らしに慣れた九州の生活とは天地の差があった。

私は物心がつく前に、甘やかされた存在に慣れて、努力する事を諦めていた。

祖父の諦める言葉が妙に耳に残っている。

アイツは駄目だ。

勉強を出来るタイプではない。

気がついてみると祖父は心臓発作で亡くなり、父も予定より早く亡くなって、何も後ろ盾が無くなっていた。

それから、何十年か経った。

彼は立派なクズ人間になっていた。

独りで過ごす時間が増え、持て余し、愚かさに目覚めた彼は覚せい剤中毒になっていた。

それは様々な人の死を見る機会が増えたからである。

彼「おい、爺さん。なぜ?馬鹿にせずに認めてやらなかった?」

祖父「何にも、してやしないよ」

父「馬鹿だ!馬鹿だ!じゃ、あんなに馬鹿になるハズ無いんだよなぁ」

祖父がニヤリとしたのを見逃してはいない。と同時に質問した。

父「何で彼に勉強を教えたの?」

祖父「三単現のSも覚せい剤のSも忘れられない様にちゃんと教えたのさ」

きっとあの時、いわゆる「馬鹿でクズ人間」にするための暗示が掛けられたに違いない!

確信を持って侮辱罪の告訴に踏み切る事に決めた!

洗脳と犯罪を、見過ごす事は絶対に出来ない!私は!

が、、、しかし、待てよ!?

親父も祖父も、もう居ないンだよなぁ~

何々?祖父も父の1件も時効が成立している?

逃げおおせたか!先祖め!無無っ無念!

、、、では無いぞ?

ちゃんと、ここで一族は絶える。

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