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問いづくりから考えるデザイン

※この記事を読むことで問いの作り方から仮説検証までの流れが実践的にわかるかもしれません。

はじめましてGoodpatch UIデザイナーのナスカと申します。
この記事は Goodpatch Design Advent Calendar 2021 7日目の記事になります。

21卒のUIデザイナーとして入社し、半年以上が経ちました。
皆さんはどのようにデザインを作っていますか?

私は仕事を与えられた時、何をすればいいか、何をリサーチすればいいか、何を質問すればいいか、よくわからないままとりあえず調べて答えをすぐ求める、慌ただしい人間でした。

「自分で考えて行動できるようになりたい。」

そう考えていた時に、QFT (Question Formulation Technique) という問いづくりの手法に出会いました。

QFTとは
自分が解きたいテーマに向き合い、自分ならではの問いをつくって仮説を設定し、自らリサーチ・分析を行う手法です。QFTを学ぶことで課題設定力や仮説設定力、問題解決力を高めることができます。

デザインを作るときに活用できる予感。
QFTの手法を使ってどんな効果が得られるのか実際に見ていきましょう🤓🔎

問いをつくってみよう!「QFT」のステップとは??

【QFTのプロセス】
 1.「問いの焦点(テーマ)」を考える
 2.問いづくりのルールを確認する
 3.問いをつくる
 4.問いの分類
 5.問いの変換
 6.優先度の高い問いを選び理由を記入する
 7.ネクストアクション

 1.「問いの焦点(テーマ)」を考える

問いを作るテーマを設定します。今回は「フードデリバリーアプリのメニュー画面をデザインする」というテーマで考えてみます。

 2.問いづくりのルールを確認する

・できるだけたくさんの質問を考える
・質問について話し合ったり評価したり答えたりしない
・質問は発言の通りに書き出す
・意見や主張は疑問文に直す

 3.問いをつくる

質問をとにかく出し尽くす気持ちで書き出します。「そんなの知ってる」と思っていることでも出してみると良いでしょう。改めて考えることで、あたりまえの意味を再定義する機会になります。例えば「Q1.フードデリバリーアプリってなんですか?」という問いの答えは「食べたいものを探すアプリ」という答える人もいれば「お店の料理を出来立ての状態で食べるためのアプリ」と答える人がいるかもしれません。

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 4.問いの分類

出した問いを、開いた問い / 閉じた問いに分類します。

開いた問い(オープンクエスチョン)とは
説明が必要な問い、一言で答えられない問いのこと。
閉じた問い(クローズクエスチョン)とは
「はい」か「いいえ」で答えられる問い、簡単な単語やフレーズで答えられる問いのこと。

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Q1.フードデリバリーアプリってなんですか?
これは「はい / いいえ」で答えられない、説明が必要な問いなので開いた問いです。

Q4.おすすめのメニューを提案されたら嬉しいか?
これは「はい  / いいえ」で答えられるので閉じた問いです。

 5.問いの変換

開いた問いをクローズクエスチョンに変換、閉じた問いをオープンクエスチョンに変換します。

開いた問いを変換すると...
Q1.フードデリバリーアプリってなんですか?→フードデリバリーアプリとは食べたいものを探すアプリですか?
「はい  / いいえ」で答えられる閉じた問いになりました。
閉じた問いには仮説が入っているので、クローズにすることでリサーチすべきことがわかります。

閉じた問いを変化すると...
Q4.おすすめのメニューを提案されたら嬉しいか?→おすすめのメニューはどのタイミングで表示したら嬉しいか?
説明が必要な開いた問いになりました。オープンにすることでより質問を深ぼることができ、探求することができます。

この変換を他の質問にもやっていきます。問い重ね(問いの変換を繰り返す)をすることも質問の深掘りになるのでやってみると良いです👍

 6.優先度の高い問いを選び理由を記入する

出した質問をオープン、クローズに変換し、たくさんの質問を出すことができました。この中で優先度が高いと思う問いを3つ選び、選択理由を記入していきます。

選択の基準は
・「問いの焦点」に対して最も重要だと思う質問
・好奇心.探究心をそそられる質問
・自分たちの学習やリサーチに役立つ質問
・問題解決に役立ちそうな質問

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私が優先度が高いと思う質問はこちら
Q6.ユーザーはどの時間にアプリを使うことが多い?
選択理由:
・使う時間がわかることでその時間に合わせたおすすめのメニューが提案できるようになる
・使う時間に合わせてお得なクーポンを提案できるようになる

選択理由に仮説が入っていますね。この理由はデザインの意図の説明にそのまま使うこともできると思います。

そもそもおすすめのメニューってなんですか?という質問も出てきそうですね😅そんな時もクローズクエスチョンで問いを深ぼってみます。(おすすめのメニューの基準はなんですか→口コミが多いメニューのことですか→送料が安いメニューのことですか...など)自分から出てきた問いなので調べたくなってきますね。

 7.ネクストアクション

重要な問いが何か決まったら、次にすべきアクションを考えます。
Q6.ユーザーはどの時間にアプリを使うことが多い?
この質問で考えられるネクストアクションは以下があります。

・ユーザーがメニューを開いた回数.購入した回数を出す
・購買率を時系列に表示する

先ほど出てきたおすすめのメニューの基準はなんですか?という問いを調べるにはユーザーに欲しいメニューは何かを仮説を持ってインタビューするという手もありますね。

ネクストアクションで知りたいことがわかったら、どんな画面にするのか、ここでUIデザイナーの出番かな👋😎

振り返り

解きたい重要な問いを選ぶことで何をリサーチすべきなのかネクストアクションが明確になりました。

オープンやクローズを繰り返すと、自分ならではの答えになっていくので探究心が高まります。優先度が高い質問でなくても、自分が気になった問いが出てきたらどんどん調べるのが良いと思います。

あたりまえにわかってると思っていても、口に出すと「自分はこう捉えていたんだ」と気づくきっかけにもなりますし、自分が知っていることと知らないことがわかっていきます。

問題を解決するために何からはじめれば良いかわからないとき、何をリサーチすれば良いかわからないときにこのQFTはおすすめだな〜と思いました!

1人だと視点が固まってしまい限界があるので、QFTの問いづくりは2.3人で行うことが推奨されています。たくさんの質問が出て、今までにない仮説が生まれる可能性が上がります。

皆さんもぜひトライしてみてください!


参考:



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