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140字小説【気の迷い】

 すみません、私はどこへ行けば――

「ここら一帯は俺たち《窒素》の縄張りだ。他所へ行きな」
「ここは神聖な《酸素》の領域です。部外者は即刻立ち去られよ」
「ちょっと! この辺は《アルゴン》が見れる特等席なんだから! アンタは隅っこでも行きなさいよ!」

 ――《二酸化炭素》も肩身狭いなぁ。

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