40代大企業正社員ワーママ退職①上司に退職を告げた日
あらすじ
この文章は、2023年3月31日に18年間働いた会社を辞めた体験を赤裸々に語るシリーズ記事です。主人公は福利厚生が整っていて人間関係も良好な超ホワイト企業で、産休と育休を2回取得し、子どもが中学生と小学生になった後も働いていましたが、限界に達し、退職を決断しました。この記事では、上司に退職を伝えたときから退職日まで、そして退職後起業を目指してどのように過ごしたかを語ります。主人公が自分の頭で考え、さまざまなことを感じ、そして自分で人生を切り開いていく軌跡を楽しんでください。
本文
突然ですが、2023年3月31日で18年勤めた会社を辞めます。日本でおそらくほとんどの方が知っていると思われる超ホワイト企業。福利厚生も整っていて人間関係も良好。業績だって今期はヒット商品が出ていて話題になっています。これまで産休と育休を2回取り、子どもは中学生と小学生になりました。手が離れるはずですが、もう限界でした…
さて、このシリーズ記事では、退職を上司に伝え、実際に退職し、その後、後悔したのか?など赤裸々に語ります。
退職をどのように告げようか迷っているワーママのかた、退職を告げてから退職するまでどのような道をたどったか気になる方、乱文ですが、どうぞご覧ください。
退職を告げた日
「来期の業務についてご相談したいことがあるのですが、明日、少しお時間をいただけないでしょうか?30分もかからないと思います。」
1日の業務報告とともに、この文章を書いて送ったメールが上司への第一報でした。
次の日、上司は会議で忙しいなか、なんとか時間を作ってくれ、こちらが指定した会議室に来てくれました。
「なに?ちょっとやばいこと?最近、仕事大変?」といつもどおりの口調で、ニコニコとこちらを見る上司。
「非常に申し訳ないのですが、3月31日で退職させていただきたいと思います」
上司は、一瞬言葉を失いました。そして、疲れたときにいつもそうするように、眼鏡を取り、またかけ直し、少し沈黙の時が流れました。
そして、気を取り直したように「え!?本当に辞めちゃうの!?」「なんとかならないの!?」「辞めるなんてもったいなすぎるよ」と、堰を切ったように話し始めました。
そして、思いつく限りのいろいろな案を出してくれました。
残念ながら、わたしの意志は変わりませんでした。
どれもこれまでに考えたことがあり、根本的な解決にならないことがわかっていたからです。
上司は、ハートフルで親切、面倒見がよく、まじめという、絵にかいたようなスーパーサラリーマンです。人としても仕事人としても尊敬できるかた。新入社員のOJT以来、違うところで仕事をしていたときもあったけれど、つかず離れず、なんと付き合いは15年以上になっていました。
子どもを二人産んだあと、マミートラックに乗る気満々のわたしを、マミートラックに乗せようともせず、責任のある仕事、新しい仕事にチャレンジするチャンスをたくさんくれました。わたしは責任から逃げ、苦手な仕事から逃げ、責任の軽い仕事、そして勉強ばかりして、時間になったらお迎えにダッシュしていましたが、それでも粘り強く少しずつ、小さな責任からチャレンジさせてくれました。大好きな中国語の仕事も担当させてくれました。昇進試験も何度も推薦してくれ、「今はまだ受けません」という私の意志を尊重して待ってくれていました。
わたしから上司には、こんなことを伝えました。
「忙しいのに時間を取っていただき感謝しています。今の職場環境はすばらしいですし、仕事もやりがいがあります。仕事自体も嫌いではありません。人間関係も問題ありません。あなたが上司だったから、わたしはここまで仕事を続けてこられました。本当に感謝しています。」
「誰かが悪いからとか、この会社のここが悪いから辞めたのだ、とは思ってほしくないのです。そもそもコロナ禍の前に退職しようと考えていました。それでも周囲に恵まれて3年続けられたのです」
「自分が責任ある立場から逃げ、昇進試験受験を断ったことが岐路でした。すみません。多様な働き方、といっても、この会社ではレールに乗らなければ生きていけないと感じました。周りに期待されていることと、自分がやりたいこと、自分の現状とのギャップに苦しんできました。もう限界です」
上司はいつもの評価面談の時のようにじっと耳を傾けました。「自分ができることなら何でもするよ」と、なんども色々な話をしてくれました。プライベートのこと、息子の家出のこと、もう30分ぐらい、話したでしょうか。
「本当に、本当に意志は固いんだね」「本当に辞めちゃうんだね」と何度も念押しし、最終的には、わたしの退職の意志を理解してくださったのでした。
しかし、実際、わたしの退職はそんなに簡単に進まなかったのです。
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