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『欲望の翼』を見た感想とウォン・カーウァイのおすすめ作品など

年に数回、映画にはまる時期がくる。今がまさにそれで、香港中国映画ばかりみている。1990年制作の香港映画『欲望の翼』(原題:阿飛正傳、英題:Days of Being Wild)を昨日はじめて見たので感想を書きたくなった。こんど久々に中国に行くし、4Kレストアが発売されてたし、U-NEXT配信もされてたし、まあそんな理由で見たけど、思った以上によかった。


「欲望の翼」の感想

邦題から想像てきない内容だけど、原題と英題もしっくりこないから、やはり邦題がベストなのか??いきなり出てくるジャングル、これはいったいどこ?その答えは後半でわかる。

現実の些細な瞬間を切り撮って、繋げたような映像。これは自分の記憶ではなかったかと、錯覚しそうになる。
むせ返るような暑さ湿気、狭いアパート、扇風機。
主人公に捨てられた女性が、土砂降りの夜の街で、顔の見えない警官と出会う。そのシーンは、忘れられない魔力のようなものがあり引き込まれる。始まるような、はじまらないような。
夜の街を二人で歩く、音もなくトラムが横切る。私も香港に住んでたから、そんな瞬間に遭遇したような気もする。

そして思いはすれ違い、全員が静かに結ばれない。

ずっと帽子で顔が見えなかった警官の、顔が見えた瞬間が、最高にかっこいいです。
私、アンディが大好きなので。

 そして最後に、めちゃくちゃかっこつけて身支度をするトニー・レオン!
たしかに意味不明だけど、あれはあれで「よくあんなにかっこよく身支度ができるな~」と感心。まだ続きがあるようで、色々想像できて面白かった。実際トニー・レオン主役の第2部を想定してたらしいです。

ノスタルジアを連想

なんとなく「ノスタルジア」に似てません?
宮崎駿氏が絶賛し、知人の映画評論家にもすすめられたノスタルジア。夫と鑑賞。イタリアの田舎風景と教会、ろうそく、廃墟の教会が美しい。「こんな人いないし」と突っ込みながらも、ストーリーじゃなくて、記憶、風景、写真、映像美で心情を表現するような。うまくいえませんが。

コメントはひどい書かれよう

例えば韓ドラばかりみてる人にしたら、ストーリーが明確でないし、時間系列がばらばらな部分があり、わからずらく、おもしろくないだろう。
「花様年華」もそうだけど、想像力がないと理解できない部分があり、私はそれがおもしろいと思う。
「主人公がクズで感情移入できませんでした」という感想があったが、不良の更生物語ではないし、そもそも原題の「阿飛正傳」も「チンピラ伝記」という意味だ。

優雅なレスリー・チャン

仕事も何もしていないのにプライドが高く、周りの人間を小馬鹿にしている【クズ】な主人公だけど、美しく、30代なのに、ひげもすね毛もなく、肌はすべすべ。どこか影があり、心は繊細で脆い。そんな彼にみんな惹かれる、そして巻き込まれていく。そんな主人公を完璧に演じるレスリー・チャンはすごい。この後にあの蝶衣を演じてますしね。「さらばわが愛」傑作です。4K版もほしくなります!

WKW最初に見るべき作品は?

私も全てをみたわけではないが「欲望の翼」を最初に見て挫折する人がわりと多かった。だからウォン・カーウァイ作品をこれから見る方は「ブエノスアイレス」「花様年華」を先に見ることをお勧めします!ストーリー性もあり、よりまとまっている感じ。

私は「恋する惑星」が初見で「なんじゃこれ」となりましたが、香港大好きだし、見てるうちに映像や音楽も大好きになりました。しかしこれも挫折する人が多いので、最初はおすすめしない。

U-NEXTで他の作品も全部みようと思います!サブスクはコスパがいいけれど、4Kレストア版5作品揃えて手元に置いておきたいですね。


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