日本お米ばなし vol.17 生物学編「稲の仲間にはどんな植物があるの?」
Natural Farmingは、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
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日本お米ばなし vol.17 生物学編「稲の仲間にはどんな植物があるの?」
学生時代に「稲は美しい」と思ったのが、店主が米屋に至るそもそものはじまりでした。そんなわけで、「稲」という植物そのものについても興味があります。
そこで今回は、植物分類のお話をしたいと思います。
アジアイネ(稲)
学名:Oryza sativa オリザ サティバ
分類:イネ科イネ属
イネ科イネ属の仲間は、世界中で20数種類あります。
学名のOryza(オリザ)はラテン語で「イネ」、sativa(サティバ)は「栽培された」の意味です。
しかし、そのほとんどが野生種で、栽培されているのは、アフリカイネ(学名:オリザグラベリア)とアジアイネ(学名:オリザサティバ)の2種類だけです。
「アジアイネ」と「アフリカイネ」の詳細は、以前のコラムでご紹介したので、気になる方はそちらをご覧ください。
イネ科作物の分類
イネ科は非常に種類が多く、おおよそ8,000種あるとされており、世界中に分布しています。
作物として分類すると、下図のようになります。
穀物として食べられている「オオムギ・コムギ・ライムギ・エンバク・イネ・シコクビエ・アワ・キビ・ヒエ・フォニオ・トウジンビエ・トウモロコシ・ソルガム・ハトムギ(果実)」、新芽を食べる「マコモ・モウソウチク」、材料などに用いられる「ササ・ヨシ・ススキ」、髄の部分を食用にする「サトウキビ」などがあります。
「イネ」は、タケ亜科に分類されるので、植物としてはモウソウチクやササ、マコモに近い分類となります。
なんとなく、アワやキビといった雑穀に近いようなイメージをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
植物学者ワトソンの分類ではタケ亜科となっているイネですが、「イネ亜科」「エールハルタ亜科」と分類される場合もあります。
まとめ
日本お米ばなし vol.17 生物学編「稲の仲間にはどんな植物があるの?」
こたえ:イネ科イネ属の仲間は、世界中で20数種類。イネ科の作物では、雑穀として食べているアワやキビ、砂糖の原料となるサトウキビなども仲間である。
おわりに
世界中で主食として重要な作物は、「イネ」「コムギ」などのイネ科で、砂糖の原料としての「サトウキビ」、飼料として重要な「トウモロコシ」など、多くのイネ科作物が利用されているのですね。
イネ科は人間にとって、とても重要なエネルギー源だということがわかりました。日本では、自給できる主要作物として、昔からお米が食べられてきたというのも頷けます。
参考文献:世界の作物 イネの大百科/堀江武編・農文協 2018.4.25発行
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